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prof
bkm
clap!
2023.11.21 [Tue]

机リフレクション。
追記でお返事!
2023.11.21 [Tue]

土管を改造してリアルな鉢植えみたいにしたいパックンフラワー。
2023.11.21 [Tue]

小川洋子【薬指の標本】
依頼された品が何であれ標本にして保管する標本室での仕事を描いた表題作と、一人きりで語れるカタリコベヤを必要としてる人に提供して旅する親子との触れ合いを描いた【六角形の小部屋】の二篇。
倒錯的なのに幻想的で美しい表題作も良かったけど、後者の方がより好きかな。
必要としてる人だけが辿り着く、中はランプとベンチだけしか無い六角形のカタリコベヤ。
部屋の中では一人で何でも好きに語れるものの、語り過ぎは危ないと忠告もされる。
これ、現代ならSNSやブログでの吐き出しに通じるのかな。
ネットではどんな寂れたところであれ発信者だから実は真逆だとも思うけど。
ネガティブな吐き出しはカタルシスになるけど自分自身の言葉に引っ張られて負の感情が増幅する事もあるし、嘘や妄想を語る人は自身のそれらに絡め取られる事もあるだろう。
僕もグダグダ語る為にここに居るけど、語る事は毒にも薬にもなるよね。
2023.11.21 [Tue]

村田沙耶香【消滅世界】
気持ち悪さならこれも中々。笑
同作者の【コンビニ人間】とはまた違った気持ち悪さだけど根底にあるテーマは似てるかな。
全国民が避妊手術を受けて人工授精で子供を産み、夫婦間のセックスはタブー扱いされ、恋愛は家族以外の恋人や二次元のキャラとするのが当たり前になったifの日本。
そんな世界に夫婦間のセックスで産まれた主人公の雨音は異端な母親に嫌悪感と反発心を抱いて生きてる。
後半、男性も人工子宮で妊娠し、家族も恋愛も無い共同体な実験都市に移り住む事になり、そこの生活にも違和感を覚えながらも順応して行くものの、、、
古い世界に固執する母親と、新しい世界に順応しつつも母の呪いからは逃れられない娘。
読み始めた時は母親が唯一の正常な人間に思えるんだけど(母親にも押し付けがましさは感じる)、徐々に作中の世界や実験都市が間違ってるとは言い切れなくなって来てる自分に気付く。
現実でも数十年前の常識が現代の非常識なんて事は沢山ある。
昔の方が正しかったなんてのは幻想に過ぎず、逆に新しい変化が全て正しいわけでもなくて。
大きな流れの中で何が正常かなんてのは後の時代の人がその時代の価値観で判断するだけのものなのかもしれない。
それでも今や未来をより良くしようとする変化は大切だし、僕は時代や常識が変わっても人間の本質は大して変わらず本当に大切なモノは(それが何にせよ)淘汰されずに残る気がしてるけどね。
2023.11.21 [Tue]

吉村萬壱【ボラード病】
これは村社会型ディストピアとでも言うべきか。
巨大な権力による監視より、隣人達による同調圧力の方が身近でリアリティを感じる。
主人公が小学生だった頃を回想して書いている手記という形で物語は進んで行くんだけど、ずっと不穏で気持ち悪い。
娘を過剰に管理したがる神経質な母親、やたらと死亡率が高い同級生、当然消える大人、『結び合い』をスローガンに掲げる住民達の異常なまでの郷土愛。
妄想癖があり周囲から浮いている主人公は信頼出来ない語り手なのか、本当に病気なのは誰なのか。
作中で名言はされないけどモデルになってるのは明らかに3.11。
ただ、この小説で描かれてる恐怖はコロナ禍初期で感じたそれにも似てる。
事実や根拠より集団心理による『空気』が優先され、平然と魔女狩りが起きるあの雰囲気。
安心の為に集団心理に同調する人達には仮想敵は必要な存在なんだよね。