一ノ瀬さん。
早速のご訪問ありがとうございます。私が雪ちゃんより大分年上なもので、基本主人公は年上になってしまいます。稚拙なサイトですが、またお暇な時にでも。
メインに雪男君の片想い話を更新しました。最近は、雪燐妄想で頭ぐるぐるだったんで……遅くなりましたorz すみません。
ツイッターで、フォロワーの波音さんとリレーで書いた雪燐小話。
「兄さんを残していくことを許してね。こうなることは分かってた筈なのに…覚悟は出来てると思ってたのに…………涙が止まらないよ」
「お前はどうしていつも、先を背負い過ぎるんだ。覚悟?誰がそんなこと頼んだよ!!」
「僕は誓ったんだ。兄さんを守る、て。それが、僕の存在意義だから……」
「俺を守るのが存在意義ってなんだ? 自己満足な結末を言うなよ!俺は守られて、それで終わりだなんて嬉しくない!存在意義とか、誰が決めるんだよ!」
「臆病で弱虫な自分を捨てて、兄さんを守りたくて祓魔師になった。それが間違いだったっていうの?じゃあ、僕はどうすればよかったんだよ……っ」
「俺はそんな難しいことわからねーよ!!でも、俺は雪男に何も捨てて欲しくなかった。俺は守られるだけで終わりたくねーし!俺だって弟を守ってきたつもりなんだよ」
「…兄さん………兄さんっ。嫌だ、死にたくない……まだ生きたい………兄さんと生きて……っ」
「雪男・・・死ぬとか決めんな!死ぬ時を自分で決めるなよ」
「…にい……さ………」
「雪男…?」
「…ごめん……ね……」
「雪男っ!」
「……」
「…ダメだ…死ぬな…死ぬなっ、雪男ーーーっ!!!」
「お前が死ぬ必要なんてねぇんだ。起きろ……目を開けてくれ。お願いだから……俺から雪男を奪わないでくれっ!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…にい、さ……くるし…」
「……ゆき、お…?」
「…兄さん」
「お前……生きて…」
「ん、地獄から追い返されたみたいだ」
「…よか…っ」
「ん?」
「…し‥心配させやがってっ!」
「いたっ」
「一発じゃ足りねぇ、もう一発っ」
「ちょ、ちょっと待ってよ兄さ、いたたっ」
「あっ、すまねぇ。怪我大丈夫か?」
「うん。起き上がれる程度には……」
「ん?どうした」
「泣いて、くれたの?」
「っ!」
「……ありがとう、兄さん」
「……」
「もう、あんな事しないから」
「当然だろっ」
「うん、ごめんね」
「……でもさ、お前息してなかったぞ?」
「あぁ……僕も死んだと思った。でも、暗い奈落に引き摺られそうになった時、青い光が全身を包んで僕を呼ぶ声が聞こえたんだ…」
「青い光?」
「光も声も、とても温かかったよ……ありがとう」
「え?何が」
「ううん。なんでもない」
「変なやつ。ほら、帰ろうぜ」
「うん」
今は僕の方が体は大きいけど、子供の頃と変わらない兄さんの広い背中。
守られてたのは、僕の方だね。
ツイッタに突発で書いたお話。
「兄さん。一緒に死んでくれないかな」
「はぁっ?何言ってんだお前」
「僕は本気だよ」
「……何か、あったのか?」
「何も」
「んな訳ねぇだろっ。いきなりそんな、」
「ねぇ。お願いだよ、兄さん」
「っ!」
「この剣で僕の心臓を貫くなんて、訳ないだろう?」
「出来るかっ、そんな事!」
「これでも?」
「……、お前に俺は殺せないよ」
「そうかな?」
「じゃあ、なんで震えてんだ?」
「え、」
「雪男…」
「違うっ!僕は決めたんだ……これが一番…」
「……」
「…こうするしか…」
「…まぁ、何があったか大体の想像はつくけどよ」
「…くっ」
「お前が気にする事じゃねぇだろ」
「…兄さんが何をしたっていうんだ…好きで魔神の血を引いてる訳じゃないのに……っ」
「まぁな。…でも、だからって死ぬ事ねぇだろ」
「…兄さん」
「言いたい奴には言わせとけばいいんだ。俺は俺だ!」
「……強いね」
「ん?お前がいるからだろ」
「え…」
「お前が一緒にいてくれるから、俺は強くいられるんだ」
「……ご、め……兄さ…っ」
「泣く事ねぇだろ」
「だって…僕は兄さんを…」
「生きてるだろ?俺もお前も」
「…っ」
「相変わらず泣き虫だなぁ、俺の弟は」
「う、うるさいな」
「うははっ。ほら」
「…何?」
「いいから、ほら」
「……」
「ん、」
「…あったかいね」
「うん」
「お前さ、何でも独りで溜め込んじまうとこあるから……。心配なんだよ、兄ちゃんは」
「…うん。ごめん」
「だから、たまには俺に甘えていいんだぞ?兄ちゃんが広い胸を貸してやるっ」
「ははっ。ありがとう兄さん」
「おう、素直でよろしい」
「じゃあさ、早速だけど…。お腹、減っちゃったな」
「よーし、何食う?」
「そうだなぁ。兄さん、とか?」
「ばっ、馬鹿かお前っ!?」
「ぷっ、嘘だよ」
「なっ、からかいやがって…」
「兄さんかわいい」
「もういいっ。お前なんか知らねぇ!離せーーーっ」
「やだよ。もう少しだけ、このまま……。もう少しだけ」
「……っ、もう少しだけ、な」
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雪燐です。死ネタです。
雪男、そっちはどうだ?
お前がいっちまった時、しえみのやつ頑張ったんだぜ?笑って送るんだっ、て泣くの我慢してさ。でも結局、ぼろぼろだったけどな。
あの頃の仲間の中で、お前が一番先にいなくなって。それでも、幸せだったって笑ったよな。泣いてもよかったのに、気ぃ遣いやがって。
風邪引くから腹出して寝るなとか、お前は最後まで俺の心配ばっかしてたな。お母さんかっつうの。
それから一人、また一人……みんなそっちにいっちまって、俺だけが残された。寂しくなかったって言えば嘘になる。だからって、しえみみたいにびーびー泣いたりなんてしてねーぞ!そこ重要なっ!
一人になって、気の遠くなるような時間を過ごした。
いつ果てることない俺の命だと思ってた。
けど、漸くその命が尽きる時が来たよ。
雪男
雪男
会いたい
ずっと会いたかった
俺の帰る場所は、お前だから
『おかえり』
『ただいま』
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