シアトル美術館所蔵 日本東洋美術名品展『美しきアジアの玉手箱』より
久々のレビューです。
神戸市立博物館にて12月6日まで(結構長いことやってんだね)
その後、山梨・MOA・福岡に巡回します。
で、まぁ
ゆかさんのご案内のお陰で行って参りました。ありがとうございます。
ここのところ
様々な物を見、体験し、描こうとしている私ですが、
やはり、
日本の名品を見ると落ち着きますね。
うん。やっぱり日本である事が結構大事だったりするんだ。
日本画材が手に馴染むのも、洋画が実はさっぱり分からない(未だにね)のも
自分のルーツがここにしっかり有るから、と
この作品たちを作った人々と同じ四季を見、同じ土地に生き、途切れていない何か、が
きっと私にも有るんだろうなぁ、と
思うんです。
まぁとにかく最初からテンション上げられまくりで(笑)
入っていきなり毘沙門天だったりとか
面とか密教道具とか
俺そこまで仏教好きでもないんだけど(嘘だ 笑)
なんか、俺のテリトリー内な感じがしちゃって(笑)
面白いよね。
そこで北野天神絵巻とかきちゃった日には!!
第一室にやけっぱ。
そんなに変態じゃなかったハズなんだけどな。
後でミュージアムショップにいたオバチャン達も言っていたが、『駿牛図』は良いなぁ
墨の技法はあーゆーの見て学ぶんだなぁ、って。
水墨画が見れるのは本当助かる。これこそ印刷じゃ分からない。
で、江戸期の作品でクールダウン(笑)
俺あの辺の作品は好きじゃないらしい。
なんだ?関ヶ原の逆恨みか?←無関係
そうこうしてたらリンパ腺が出てきたよ♪
いや琳派です。分かる人は分かって下さい…深い意味は無いです…
江戸期でも琳派は別らしい。ミーハー精神丸出しやん!!
光琳の山水図。江戸に居た時描いたらしいが
なんかそれ聞くだけで筆致が苛立ってるように見えるよ(笑)
苛立ってる、と言うか『でぇーいこんちくしょー京に帰りてぇ〜!!』ってのが見えなくもない(笑)
多分箔の上に描いてるから余計に…いや気のせいですね。
いやしかし、光悦ふぃーちゃりんぐ宗達『鹿下絵和歌巻』は秀逸だと思いました。
書は分からんのですが、宗達の下絵が素晴らしい。
これだけサラサラと、生き生きと伸び伸びと、とにかく鹿ばっかり描いてしまう宗達はすげぇ(笑)
一匹一匹見ていくのが楽しい。
これ見たらやっぱり琳派ってすげぇんだな、って思う。…いや、光悦が、かな。
これだけの絵師を見い出し、後の世にまで影響を及ぼした目は凄い。
あとは東洋美術。
とにかく殷〜周時代のものが良かったな。
古人の造形感覚の美しさ。
装飾は凝ってるけど、どこか素朴で。
あ〜なんか天地と正面から接している人たちって、こんな物作れるんだな〜って思った。
あとは何と言っても
ネパールの『インドラ坐像』
シアトル美術館のコレクター(?)も気に入りと書いてあったが、分かる!
コレ欲しい!って初めて思った。
仏像とは違う、人間的なポーズが凄い魅力的なの
宝石もまだ残ってて、何より造形が凄い綺麗。
コイツの複製があったら俺買ってしまう(笑)
まぁざっとこんな感じで
絵だけじゃなく彫刻も工芸品もあったから凄い面白かった
そんで、こんな感性を産み出した時代が
ちょっと羨ましくもあるんだ
でも時代で、国で、やっぱり流行というのはあって
今の時代だって悲観する事は何も無いと思う。
興隆と衰退とは何にでもある事で、自然の摂理だから
現代においてやるべき事をやるだけだと、
私は思うんだ。
人間の居る限り、時間は流れていくから。
人間が居る限り、美術品を観る目は有る、という事。
後の人の評価なんて分からん。
私は古人が神事の器を作ったように、己のやるべき事をやれば良いと思う。
彼らは自分の作った器が、まさか何千年後に人々の目に触れ、感銘を与えているなんて、思っちゃないからさ。
人というものは、不思議だね。