『追想五断章』を読みました。ゆるい感想です。
作・米澤穂信
集英社文庫
伯父の古本屋でバイトする主人公が依頼をうけて5つの結末のない物語…リドルストーリーを探すことになります。
リドルストーリーの小説が順に見つかるのと、主人公、依頼者、小説の作者のことも少しずつ知れていくのが個人的に好きだったり。
世間の不景気さと、その登場人物たちの事情や過去の少し重い感じがなんともいえないです。
リドルストーリー自体も、登場人物いわく"趣味が悪い"ものばかり。
全体的に暗めのお話でしたね。
主人公が物語を探す間にも時間は進み、とりまく環境が変わっていきました。
古本屋のバイトの女の子も辞めちゃって、その後はどうなったのか……就職決まったのかな?
主人公も最後は実家に帰ったみたいだけど、どうしているのか…。
依頼人の女性もまた1つの結論にたどり着いたことから何か変わっていくのでしょうか。
この作品自体も、結末のないリドルストーリーのような一面を持っているのかも。
でも、単純に物語を探すという事に関わる人や時間だけがピックアップされている感もあります。ここに書かれてはいないけれど、その人物の物語は続いているような…後の事が明言されていないことが妙にリアルっぽいといいますか…。
ハッピーエンドな印象がどこにもないから反対に気になるのかなー。