東京で暮らし始めてから、今年で8年目になる

それまで田舎も田舎な地域で暮らしており、都会になんて出たことの無かった身としては、始めは自分のような田舎者が果たして馴染めるのだろうかと不安もあった

が、何より感動したのは他人との距離感。大学自体少し特殊だったので面倒な干渉をしてくる人も居たには居たけれど、突っぱねようと思えば突っぱねられるという事実は何より素晴らしかった。ここでは誰もが他人同士、個と個が互いに望んで初めて関係が出来上がっていくのがとても気楽だった。自己満足の為に私の気持ちを曲げようとする人も、大した理由も無く私の存在そのものを否定する人も居ない

連休があれば度々実家に帰っていたが、いつしか地元の空気が合わなくなっていた。10数年も住んでいて何とも無かった筈なのに、たまに帰ると身体が合わない。くしゃみに鼻水に目の痒みにと何が原因か分からないが夜も眠れないようなアレルギー反応を起こすようになっていた。町の何処に居ても。東京に戻ってくるとピタリと治まる。未だに変わらない

東京には感謝してもし切れない。少なくとももう二度と地元では暮らせないし暮らしたくない

とはいえ地元が嫌いな訳でもなく、山々に田んぼに畑にと長閑な風景が広がるばかりの景色は思い出すたび懐かしい。単線、街灯の無い夜道、蛙の合唱、そこそこ星の見える夜空、近所からお裾分けされた土付きの野菜達

中学時代までの同級生達は、その殆どが未だに地元で暮らしているらしい。結婚し、子どもを授かった人達も少なくない。もう会うことも無いし、連絡を取ることもないけれど。彼らは今、日々何を思い、何を感じてあそこで生活しているのだろう。会えば話すことも無く戸惑ってしまいそうなので訊く機会も無いが

不思議と、地元に色々なものを置き去りにしてきた、という感覚はほぼ無い。元々持っていなかったものばかりだったんだろうな。するりと私だけ東京に抜け出してきただけ。挙げるとすればやはり両親くらいなものか

今の住まいには、小さな薄っぺらいアルバムを二つだけ持ってきている。高校時代のアルバム。この頃の私に教えてやりたい。「お前の選んだ進路大正解だったぜ」。「受験勉強頑張ってくれてありがとう」とも伝えたい。公募推薦なんて枠が無ければ逆立ちしても入れるレベルの頭じゃなかったから。最後まで模試E判定だったから。お蔭で入学してからは底辺の成績しか取ったことがない。けれど素敵な人達との出逢いの成績だけは花丸を付けても許されるんじゃなかろうか


う〜ん、いつの間にか地元の空気が体に合わずアレルギーが出るようになってしまった〜、ってのが書きたかっただけだったのだが。だらだらと書いてしまった

最近いよいよ携帯の寿命を感じる。でもあと一年くらいは使う。端末代金払い終えて安く使うのだ