大事なもん、大事すぎて、何一つ失くさないよう大事に抱えていたい思いが大きすぎて、ぜんぶ裏切って捨ててしまいたくて、逃げてしまいたくて、一つひとつ粉々にこわしてしまいたくて、こわしてしまえば一々気に病んだり不安になったりせずに済むのに、失うことを恐れずに済むのに、とぼんやり思う。何かを期待されること、利用されること、それに応えようと強迫観念みたいなのに駆られること、言葉、言葉、言葉。どれだけあっても足りなくて、自分のことさえ背負い切れない癖にひと一人の人生は途方もなさすぎて。なんにも聞きたくないよ。なんにも音を聞きたくない。音を聞かせたくない。なんでだったのかな?何度も何度も考えるけど、やっぱりあの時わたしは選び間違えたように思う。自分のことだけ考えればよかったんだよ


おやすん