最近、中平さんは夜中に目が覚めることが多い。
 起き上がろうとすると、決まって電球に頭がぶつかる。そして、そのまままた寝てしまう。

「電球? 上からぶら下がってるやつですか?」

「そう。なぜか夜中のあの瞬間、下に降りてきてるんだよ」

 しかし、朝起きるといつも通り。
 夜中だけ降りてきてるのだろうか。

「俺のほうが浮いてるんじゃないか、って思うんだよな」

 中平さんは、自分をベッドに縛り付けることを検討している。