尚樹は近々、引っ越す予定。部屋の片付けを始めている。

ある朝。二度寝して目が覚めると、枕元にマネキンの首がある。
「マネキンか、こんなもんも持ってたっけな、はやく片付けなきゃな」
とかわけのわからないこと考えながら目を閉じてから、
「いや、マネキンなんか持ってるわけないじゃん。そもそもあんなどす黒い肌のマネキンがあるのか? いまのマネキンか?」
と、震えながら体感30分。ようやく目を開けると、なにもなかった。
顔は思い出せないらしい。