優子
「・・・こ・・・優子・・・」
陽菜の声?ゆっくり目を開けると目の前には陽菜の顔があった
「優子ぉー(汗) 」
あれ?なんで泣いてるの?
「ゆっぴー!優子!優子ちゃん!」
みんな・・・・ん?天井?私・・・外にいたはず・・・
確か競技の最中で・・・そういえばゴールした?
まさか走ってる夢を見てたのかなあ?
「えーと・・・ここ何処?」
するとお母さんが
「あなたゴールするなり倒れて・・・
意識が戻らなくて怪我もしてるし・・・病院に運ばれたのよ
心配したんだからね 」
「お母さんごめんなさい(汗) 皆さんもすいませんでした」
「いいのよ、こうして意識が戻ったんだから嬉しわ」
「お義母さん・・・」
ずっと手を握り締めてくれてる陽菜、何も言ってくれない・・・・
「私何位だったんですか?途中から意識無かったし
全員んに抜かれちゃったのかな・・・ 」
「抜かれてねえよ(怒) 」
「えっ!?」
「頑張りすぎるなって言っただろ(怒) 」
「あう・・・ごめんなさい・・・ 」
「いいじゃないかそのおかげで金メダル取れたんだから(*`ω´) 」
「俺は金より優子の方が大事なの(怒) 」
「あらあら親の前でのろけが始まるのかしら(笑) 」
「煩いし(怒) 」
「ねえねえ、金て・・・誰が?」
「はぁ!優子に決まってるだろ」
「でも私意識なかったし・・・倒れたんでしょ?」
「ラスト一周は断トツだったんだよ15mくらい差があって
最後に倒れたのもゴールライン超えてからだった」
「ゆっぴーよくゴールまで持ったよね、最後測ったかのように
ラインの所で倒れたからね」
「ゴールは見えてなかったんだけど・・・
陽菜が両手を広げて待っててくれて・・・
なのに飛び込んだらいなくて・・・気が付いたらここだった」
「ほうほう・・・ニャロがゴールに立ってたと言うんだね
どこまでバカ夫婦なんだか(笑)」
「バカってなんだよ (怒)じゃー俺が取らせてやったみたいなもんだな 」
「何言ってるの優子ちゃんの実力よ」
「ううん、陽菜のおかげだよ、陽菜ありがとう♪ 」
「いいって事よ(бвб) 」
「うわーこいつ照れてやがる(笑)」
「うるせえぞ兄貴(怒) 」
急に騒がしくなった病室(笑)
私が金メダル?信じられない・・・これって夢じゃないよね?
優子
徐々に下がっていく他の選手、先頭は今6人
ラスト2周で行けって言われたけど・・・
楽しすぎて調子がいいしもっと早く仕掛けたい(-∀-`)
でも我慢、スタミナ残しとかなきゃ
スタンドをちらっと見ると陽菜と野呂姉が何か話してる
私のこと話してるのかな?うぬぼれ?
ラスト三周、ダッシュしやすいように前に行く
ラスト2周!ラインを越えたと同時にぐんぐん加速する
風が気持ちいい(-∀-`) 全力での二周はいつも練習してる
これで追いつかれたらまだまだ世界には通用しないって事
でも今は自分の持っている力を100%ううんそれ以上出し切りたい
ラスト一周の鐘が鳴る
野呂姉に言われてたから決して後ろは振り向かない
前だけ向いて走り抜けろって
あぁー陽菜立ち上がって何か叫んでる
「イケェー優子!」
うん、行く!ゴールしたら陽菜のところに一番に行くからね♪
すごい歓声が聞こえてくる・・・
後ろから誰か迫ってきてるのかな・・・
でもこれ以上スピードあげれないや・・・
もうすぐなのになー抜かれちゃうのかなー・・・
あれ?おかしいな歓声が聞こえなくなった?
目の前が真っ白だ・・・・?
ゴールどこだろう・・・
あっ!陽菜だ、 迎えに来てくれたの?
降りてきたらダメなのに(笑)
手を大きく広げて待ってくれてる(´-∀-)
はるなあぁー(-∀-`)
飛び込んだはずなのに私の体は空を切っていた
陽菜
もうすぐ始まるというのに何想像してるのか知らないけど
ニヤニヤしたりヘラヘラしたり・・・
全然緊張感のないやつだなーまったく・・・
「ゆっぴーリラックスしてるね(*`ω´) 」
「しすぎだし 」
「あれ?ニャロの方が緊張してる感じ?(笑)」
「何で俺がドキドキしなくちゃいけないんだよ・・・・」
「してるんだね(笑)」
「煩いし 」
「優子ぉ〜!! 」
あっちゃんが手を振ると振り返してくる
他の選手はピリピリしてるのに大丈夫なのか?
パン! ピストルの合図とともに一斉に飛び出す
それにしても小さいよなー・・・
「ゆっぴー歩幅小さいから回転早いね」
「他の選手の倍疲れるんじゃないのか?」
「日本の選手は小さい人が多いからね、足も短いし(笑)」
「優子は長いぞ 」
「それでも身長がさ」
「なんだよ、無理なのか(怒) 」
「その分スタミナは誰にも負けないように練習してきたからね」
「じゃーメダル取るならこの競技の方か?」
「そう、5千mになるとスピード勝負になるから
やっぱりスライドの大きい方が有利かな 」
「・・・・・」
先頭集団に埋もれて優子が見えない
3千mあたりから少しばらけてきて
先頭は8人に!
「うん、いい感じ 」
「勝負はどこでしかけさすんだ?」
「普通だったらラスト一周で様子を見ながら
スパートをかけるんだけど優子には二周でいかす
後はスタミナの勝負になる」
「あいつのスタミナはスゲえぞ!(бвб) 」
「ニャロも役に立ってるのかな(笑)」
「当たり前だし(бвб) 」
半分を過ぎたころには6人に・・・
「アフリカ勢強いな 」
「そうだね、毎回エチオピアかケニアの人がメダル取ってるからね」
暑いところだからスタミナ半端ないんだろうなー・・・
優子ちっちゃくても負けんなよ
優子
「優子行くよ!」
「はーい、陽菜・・・ギューてして(´-∀-)」
「おう!来い(бвб)」
ギューて抱きしめてくれて頭をポンポンと2回たたき
「絶対大丈夫、なんてったって俺がついてるんだから」
「うん♪ 頑張ってくるね(´-∀-)」
「頑張りすぎんなよ(笑)」
「アハッ(´-∀-)ありがとう 」
陽菜の言葉で少し気持ちが楽になった気がする
日本中がメダルを期待してるプレッシャー
女子トラック競技では1928年以来誰もとってないみたい・・・
それもたった一人だけなんだって
世界陸上で記録を出した私に否が応でも期待がかかってくる(汗)
「ふぅ・・・」
「緊張してる?」
「朝よりましになったよ(´-∀-)」
「陽菜君?」
「うん(´-∀-)」
「そっかー・・・本当にいい関係だよね
お互いマイナスになる事ないんじゃないの(笑)」
「私は無いけど・・・陽菜はどうなんだろ・・・」
「私が見てる限りではないと思うけどね 」
「野呂姉だってお兄ちゃんといい関係じゃん」
「そうかなぁー///」
「ねえ、一緒に子供産んでさ、東京オリンピックめざそうよ」
「おぅ!それいいねぇ 」
「早く結婚しないと出来ちゃった婚になっちゃうよ(笑)」
「それはやだなー(笑)」
「お腹おっきいのかどうかわかんないけどね(笑) 」
「それはどういう意味かな優子さん(怒) 」
「エヘヘ、でもドレス着るならやっぱりねえ(笑)」
「うるさいよ、それにそんなすぐ子供出来ないでしょ」
「頑張るもん」
「頑張るのは旦那だけどね(笑)」
「そうだね(´-∀-)///]
試合前にこんな話・・・
そのおかげで緊張がどっかいっちゃった
でもほんとにそうなったらいいなー
野呂姉と二人で子供育てながらトレーニング・・・
楽しみが増えちゃった♪
陽菜
久しぶりに優子を堪能した次の朝
ベルや携帯、内線電話一度に鳴らされてむかついて起きた
ドアを少しだけ開けてみると親父が立っていて
「なんだよ、起こすなよ 」
「ブレックファースト食べて出かけるぞ!」
「はあ、勝手に行って来いよ」
「せっかく両家の家族全員揃ってるんだからみんなで出かけるんだよ」
早く用意しろって言いながら隙間から覗き込んでくる
「お前立派なものもってるな 」
「はぁ!?・・・・・・うおっ(汗) 」
しまった裸のままだった
「まあ、父さんには負けてるけどな 」
「そんなわけないだろ、親父よりでかいし(怒) 」
「なにおー!比べてやろうか 」
「おう、望むところだ 」
チェーンを外して開けようとすると
「陽菜どうしたの?」
あっ!優子も裸だった
あぶねぇーもう少しで親父を中に入れるとこだったぜ・・・
もしかしてわかって挑発してきやがったのか
あわよくば優子の裸見ようとしてやがったな(怒)
「おーい開けないのか?」
「ばーか、その手にはのらないんだよ 」
「早くレストランに来いよ」
そう言って離れて行った
「陽菜っておとうさん似なんだ 」
「似てねえし・・・」
「少し変態さん(笑)」
「俺は優子限定なの! 」
「お父さんもお母さんだけかもよ」
「まあ・・・同じ遺伝子だからな(бвб) 」
「あー認めたぁー(´-∀-)」
「煩いし!起きれるか?」
「うん・・・ちょっと怠いけど・・・」
「ご飯だけ食べて部屋に戻って来ようぜ」
「でもどっか行くって・・」
「試合前に気を使わせたくないし
部屋でゆっくりしようぜ(бвб) 」
「今日はもうしないよ? 」
「わかってるし・・・ 取りあえず服着て行こうぜ」
「うんお腹すいたもんね」
結局その日は一日中ホテルにいて夕方までベットでゴロゴロしてると
あまりにも体がなまりすぎてヤダって言うから
じゃーする? て言うとバカ (怒)て言われて・・・
仕方なしに室内プールについて行ってひと泳ぎした