一話へJUMP

http://mblg.tv/puna/entry/1495/?cur=category&val=33

H 夢 16 最終話

「じゃーなんで泣いてるの?」

「え?」

誰が?泣いてるのは優子でしょ?

その時陽菜の頬に何かが伝うのを感じた

陽菜が泣いてる?

「私何かしたかな・・・・陽菜が嫌がるようなこと
陽菜に嫌われるようなこと何かした?
いくら考えても思い出そうとしても思い浮かばなくて
何かしたんだったら教えて欲しいの」

優ちゃんは何も悪くない
悪いのは陽菜だから

「そんなの今更知っても仕方ないでしょ」

「仕方なくない!訳がわかんないまま
嫌われてるのって耐えられない」

「なんで、関係ないじゃん」

「関係あるよ!私は陽菜が好きなんだから」

「昔の・・・子供の頃の話でしょ」

「違う!昔も今も・・・ずっと好き!好きなんだもん(泣)」

「優子にひどいこと・・・あんなひどいことしたのに
好きだなんて信じられるわけないでしょ」

嬉しいのに・・・

「あ、仕事貰う為にそんなこと言って陽菜に取り入ろうとしてるんだ」

叫びたいぐらい嬉しいのに
陽菜の口からはヤッパリ嫌な言葉しか出てこなくて・・・

優子を軽蔑したように言ったのに

フッと微笑んだかと思ったら

「にゃんにゃんて嘘つくの下手だったよね」

「どういう事?」

「この写真見てたら思い出したんだ
にゃんにゃん嘘つく時必ず手を前で組んでたよね
たぶんばれない様に必死に隠そうとすればするほど
不安になって手を握るんだろうね」

「くっ・・・・・」

「今もずっと両手合わせたままだから嘘なんでしょ?
なんで私を拒もうとするの?本当の事言ってよ」

「優子を見ると苦しいの
一緒に居るとメチャクチャにしたいほど苦しい」

「どういう事?」

「わかんない?優子よりも先に好きだったんだから・・・」

「お兄ちゃんの事?そりゃ二人は同い年で
私より早く産まれてるから一緒に・・・」

「違う!陽菜は昔から優子を・・・・
優子の事を好きだった」

「うそ・・・・え?でもお兄ちゃんと付き合ってたんじゃ」

「それが間違いだったんだよ」

もういいや全部言ってしまおう

そう思ったら心にあったどんよりした黒い霧がスッとなくなり
今までの事は何かの小説を読んでいたかのような感覚に陥った

すべて話し終え優子を見ると放心状態で・・・

そうだよね、やっぱり許せないよね・・・

「仕事とプライベートは別だから
写真は優子に撮ってもらう、だから今日はもう帰って」

立ち上がろうとしたら

「嫌だ!」

「え?」

「それって私を好きだからでしょ
好きだから私を抱いたんだよね」

「でも優子の初めてを嫉妬にかられて無理やり・・・」

「それでも最後はやさしかった」

「っ・・・・」

「冷たく引き離しながら
色々助けてくれてたんでしょ」

「それは・・・・」

「今回だって・・・」

「違う!この写真は優子の力だから
陽菜が言ったからってこんなに載るもんじゃないから」

「やっぱり言ってくれたんだ(-∀-`) 」

「あっ・・・」

「アハッ(-∀-`) やっぱりやさしい陽菜のままだったんだね」

「ちがっ・・・」

「違わないよ、いつも意識がなくなる時
やさしく撫でてくれてるような気がしてた
夢かなって、自分の願望が見せてるのかなって思ってたけど
撫でてくれてたんだよね
気づかなくてごめんね」

「違う・・・優子は悪くない(涙)」

「ううん・・・自分の事ばっかりで
陽菜の苦しさに気づいてあげれなかった私が悪いんだよ」

「違う!」

「違わない、陽菜は何も悪くない
悪いのは私達を引き離した大人が悪い!」

「ゆう・・ちゃん・・・・」

「にゃんにゃん、好き大好き」

「っ・・・陽菜も・・・・好き」

「アハッやっと言ってくれた(-∀-`) 」

「許してくれるの?」

「許すも何も、初めから怒ってないから」

「ありがとう・・・・」

「えーと・・・私の恋人になってくれますか?」

「うん・・・・(涙)」

「アハッ、クールビューティが台無しだ」

「誰のせい?」

「私?」

「うん」

「じゃーもうやめて」

「クールビューティ?」

「そう、にゃんにゃんにクールは似合わない」

「じゃーゆうちゃんが撮ってね」

「専属にしてくれるの?」

「どうしようかなー(бвб)」

「あーでも可愛い陽菜をみんなに見せるのヤダから
やめとこうかなー」

「仕事ないくせに」

「陽菜に養ってもらう」

「それはダメー」

「えー冷たい(泣)」

「これから忙しくなると思うよ」

「そうかな?」

「陽菜が保証する(бвб) 」

「それなんか知ってる(笑)」

「優ちゃんが保証してくれたから陽菜トップモデルになれたんだもん」

「アハッ(-∀-`) 陽菜に言われたらなんか出来る気がしてきたぞー(笑)」



陽菜の言葉は本当になり

雑誌の写真が話題を呼び優ちゃんは
引っ張りだこのフリーのカメラマンになった



「むぅ・・・陽菜専属じゃなかったの(怒)」

「仕事とプライベートは別だって言ったの陽菜じゃん」

「あれは言葉のあやだもん(怒)」

「そんなあや、ないって(笑)」

プライベートでは陽菜専属だから許してあげるけど
浮気したら承知しないんだから!




夢がかなった陽菜



そして



もうすぐ優ちゃんの夢がかなう




”大島優子が撮り下ろした小嶋陽菜写真集近日発売決定”






おしまい


http://mblg.tv/puna/category/33/?p=4
続きを読む

H 夢 15

陽菜

優子からメールが来た

丁度撮影の合間で携帯を触ってたから
名前を見ただけで顔がほころぶ

”今どこにいますか”

どういう事?会いたいって言う事?

撮影だと送るするとすぐ

”今日会いに行ってもいいですか”

忙しくお正月以来会ってなかったから
凄く会いたかったけど悟られてはいけないから

”何時に終わるかわかんない”

今日は日付が変わる前には帰れる予定だったけど
そっけないように打ち込むそしたら

”鍵で入って待っててもいいですか”

ダメに決まってるじゃん
だって雑誌を机に開けたまま置いてきちゃったから

引き延ばしてもらった写真を貼ってあるから・・・

ダメ!と送ると返事が返ってこなくて・・・

休憩が終わろうとした時またメールが来た

”終わったらメールください”

”出来るかわかんない”

今日は会えない、だからそう返したのに


仕事を終えマンションに送ってもらったのが後五分で日付が変わるという時間

「もう寝てるよね」

メールを送らずエレベーターを降りた時

「なんで・・・・」

陽菜の部屋の前に座り寝てる小さいの

逢いたかった可愛い人・・・

ほころぶ顔を引き締め

声をかけた

「優子・・・優子こんな所で寝ないで」

「ん・・・んん・・・にゃんにゃん?」

久しぶりに聞く言葉に目頭が熱くなりかける

「何してるの迷惑でしょ」

「あ、ごめん・・・」

慌てて立ち上がりドアから離れる優子

「どうやってここまで入ってきたの?」

「えーと・・・出て行く人と入れ違いに・・・アハッ」

「オートロックの意味ないね」

「そうだね・・・・えーとねお礼が言いたくて」

「もう遅いし近所迷惑だから」

「そうだね・・・・今日はかえ「ちょっと待ってて」

「え?」

鍵を開け中に入り写真と雑誌をクローゼットに隠してから
優子を中に入れる

「お邪魔します」

台所へ行き冷蔵庫からお水を出しながら

「お礼って何?」

「あ、これ」

カバンからさっきまで机にあったのと同じ雑誌を取り出し
ページを開いて陽菜に見せてくる

「こんなに沢山使ってくれてありがとう(-∀-`) 」

「陽菜が選んだわけじゃないから」

うそ、陽菜も選んだんだよ

「それでも・・・小嶋さんが嫌がったら載らなかったでしょ?」

あいつの写真は嫌だったけど仕方なしに載せた

「・・・・・何でもよかったから」

「っ・・・それでも、私が好きな写真だったから嬉しかった」

「もういい?そうだ、鍵返してよね」

「あ、そうだね長い間持っててごめんなさい」

カバンから取り出し机に置き

「もう少しだけ話してもいい?」

「なに?もう遅いんだから早く言って」

「うん・・・あのねこの写真を見た時小さい頃の事思い出したんだ」

「・・・・」

「私が小嶋さんの事、にゃんにゃんて呼んでたあの頃の事」

「なんで?どこにも小さい子写ってないのに」

「なんだろ、昔の・・・ううん
小嶋さんの本当の姿はこれなんじゃないのかなって
上手く言えないんだけど
今の小嶋さんはきっと無理してるんじゃないのかなって」

「優子に何がわかるって言うの(怒)」

「わかるよ、だってここには私が好きだったにゃんにゃんがいるんだもん」

「・・・・・・」

「ずっと好きだったにゃんにゃんが・・・
陽菜がこの中にいるんだもん」

そう言って泣きだす優子

「自分が撮ったからそう見えてるだけじゃないの」

「陽菜は何も思わなかったの?今これ見て何も感じないの?」

思わないわけないじゃん感じないわけないじゃん

こんなに愛が詰まった写真今まで見たことなんてない

そう叫びたかった

でも汚れた陽菜には・・・優ちゃんを傷つけた陽菜には
そんな言葉を言う資格はないから・・・・

「もういいでしょ、帰って」

そんな言葉しか口からは出てこなかった

続きを読む

Y 夢 14

だめだ!やっぱり会って言いたい・・・

電話じゃなくメールを送る

”今どこにいますか”

返事が返って来るかどうかわからないけど
声を聞いたらきっと・・・

心配をよそにすぐ返事が返ってきた

”撮影”

そうだよねまだ時間早いし・・・
今休憩中なのかな

”今日会いに行ってもいいですか”

”何時に終わるかわかんない”

そう言えば鍵預かったままだった
あれから一度も会ってなかったから・・・

”鍵で入って待っててもいいですか?”

”だめ!”

そうだよね嫌いな人に勝手に入ってほしくないもんね・・・

”終わったらメールください”

”出来るかわかんない”

「つうっ・・・・」

苦しい・・・
そんなに嫌いなの?・・・(涙)

でも・・・これで最後にするから

ご飯を食べお風呂に入り出かける準備をする

雑誌、持って行った方がいいかな・・・

知ってるだろうけど
もう一度見てもらいたい・・・

見てもらってから言うんだ

ありがとう・・・そして

Y 夢 13

アルバイトの方が本業みたいになってる(笑)

今月は8万も働いたぞ(´-∀-)

カメラの仕事は・・・一つ1万で合計2万・・・

全部で10万円

実家暮らしだけど賃貸だから私も出さなきゃ
一応社会人だからね

だから残りは5万円・・・

はぁ・・・売り込む写真のモデル誰か探さなきゃ
マジでお兄ちゃんに頼むしかなくなりそうだからなー
でもそれは最終手段にしたいから・・・

「あ!」

本屋で表紙になっていた陽菜を見つけた

「今日発売だったんだ・・・高いけど・・・買うか」

普通は送って来るんだけどあそこの事務所辞めたから
大島さんには送ってこない、当たり前か(笑)

家に帰り雑誌を見る

でもこの表紙・・・・私の?
まさかね・・・・(汗)

特集ページをめくる

一枚目・・・・二枚目・・・・
どこにも使われてないじゃん・・・・

落ち込みながらめくった三枚目

「あっ!!」

慌てて次もめくると・・・

「うそ・・・」

半分私の写真だった

姿勢を正し
三ページ目に戻る

「・・・・・っ・・・やばっ(涙)」

そこにはきれいな陽菜が・・・
昔好きだった陽菜がいた

「自分で撮っておいて、なに泣いてんだよバーカ」

なんとも言えない気持ちを独り言で誤魔化す

最後のページを見終わり

「はぁ・・・・好きだなー・・・やっぱり好きだ!」

どんなに嫌われていたってどんなに憎まれていたって
この気持ちは変えられないんだと思いしった

「はるなぁ―・・・ううぅぅ・・にゃんにゃーん(泣)」

なんで嫌われたんだろうか
何がきっかけだったんだろうか

いくら思い返してみても分からなかった

だって嫌われるほど会えてなかったから

「やっぱりお兄ちゃん絡みかな・・・」

お礼の電話しなきゃ
使ってくれてありがとうって・・・

一つ大きく深呼吸して携帯を開いた
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2024年04月 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
アーカイブ
カテゴリー