先輩 8

次の日もその次の日も
夜の洗濯の数分は二人だけの時間になった

「にゃんにゃんさ、マネージャーしていて楽しい?」

「はい(бвб)」

だって優子先輩を見ていられるから

「私は無理だな、前にも言ったけど
自分が動いてないと死んじゃう(笑)」

「死んじゃうって(笑)動いてて疲れないんですか?」

「疲れるよ、だから布団に入ったらすぐ意識なくしてる(笑)」


選手とマネージャーは部屋が別
朝早く起きて朝食作りに行かないといけないから
六畳の部屋で三人は寝ていた


「羨ましいです、陽菜は布団に入ってスマホ触るから
なかなか寝付けなくて・・・だから普段は授業中・・・」

「一年のうちから居眠りしてたら勉強遅れちゃうよ(汗)」

「あぁ・・・・・」


夏休み前、初めての期末は赤点すれすれだったっけ・・・・


「テスト勉強とかやり方がわかんなくて」

「今度の中間、勉強見てあげようか?」

「え!?良いんですか、
でも優子先輩も勉強しないといけないんじゃ」

「私はこう見えて結構優秀だから大丈夫だよ(-∀-`)」

「でも、あっちゃんがいつも優子先輩に勉強を見てもらってるって」

「三人ですればいいじゃん
あっちゃんとも仲良くなったでしょ?」


私邪魔者じゃん・・・・


「たかみなも学校別だけど勉強しに来るから四人でしようよ」


いつも二人っきりじゃ無かったんだ(бвб)

どうしよう、行きたいけど二人の仲のいいところを
見せられるのは耐えられないし・・・
迷っていると


「よし、決まり!テスト一週間前の土日私の家集合ね
まあ、まだまだだけど(笑)」


そう言い残し中へ入っていってしまった


優子先輩の家へ行ける・・・
でも陽菜家知らない・・・・

気がついてるのかな(汗)

辛くなったら体調悪いって言って帰ればいっか・・・

でもドキドキして勉強頭に入るかな(汗)

先輩 7

休憩した後は夕飯の準備


今日の夕飯メニューはカレー

合宿と言えばカレーでしょ?
て、あっちゃんが言ったからすぐに決まった


「にゃんにゃんは何が出来るん」

「えーと・・・・・皮をむいたりならたぶん・・・」

「敦子と同じレベルかぁ(汗)」


あちゃーて顔をするたかみなさん


「切ったりは出来るやんな?」

「教えて下されば出来ます」

たぶん・・・


中学の調理実習もっとちゃんとやっておけばよかった
いつも使った道具を洗う係だったから・・・


「敦子はジャガイモ、にゃんにゃんはニンジン担当ね」


そう言って一つずつピーラーで皮をむき切り方まで教えてくれて

たかみなさんは涙の出る玉ねぎ担当を
自ら引き受けてくれてる


陽菜の作った料理を(皮をむいて切るだけだけど)
優子先輩が食べてくれるんだと思ったら
全然苦じゃないし楽しくさえ思えるのって
相当好きなんだなーて今更ながらに思わされた


「サラダ作るからにゃんにゃんは手でレタスをちぎって
このボールに入れてね」

「はい(бвб)」

「敦子は・・・こらぁープチトマトつまみ食いすんな(怒)」

「いいじゃんかよぅ、みなみの分食べてあげてるんだからな」

「私の分ははじめから数に入れてないわ」

「チェッ・・・・つかえねえな(∵)」

「なんでやぁー」



前田さんがこんなキャラだったなんて知らなかったし
二人はいいコンビだと思う

優子先輩が入ってもこんなふうなのかな




みんなが練習を終えて帰ってきた
もちろん先輩からお風呂に入っていくから

洗濯も順番に回す


お昼の分は全部乾いていたから部屋へ持っていくと
一年生が畳んでくれて先輩に渡してくれる

「何か手伝うことがあったら言ってね」

「ありがとう、またお願いするね(бвб)」


みんないい人ばかりでよかった


部屋を出て階段を降りようとしたら

「あ、にゃんにゃん(-∀-`)」

「お疲れ様でした(汗)」

「おつかれ〜」


ヤバイどうしようニヤけそう

「お風呂お先でした」


先輩から入るのは当たり前なのに
なんて返事をすればいいんだろう(汗)

「どうかしたのか」

優子先輩の後ろから秋元先輩が上がってきた

「なんにもないよねぇ(-∀-`) 」

「はい!なんにもないです(汗)
失礼します」

慌てて階段を駆け下りる


変に思われたかな・・・


「にゃんにゃーん、サラダのお皿とか並べてくれる」

「はーい、今行きまーす」

たかみなさんに呼ばれキッチンの方へ行こうとしたら

「コラたかみな、あんまり陽菜ちゃんをこき使うなよ(-∀-`)」

階段の途中から下を覗き込み
キッチンに向かって叫ぶ優子先輩

「私が敦子にこき使われてるんや」

「アハハたしかにそう見えるわ(笑)」

ケラケラ笑う優子先輩に

「手伝ってあげてるんだから優子も手伝えよぅ」

「そうだね、することないし手伝おっかな」

「だ、ダメですよ(汗)
三年の先輩にしてもらったら怒られちゃいます(汗)」

「いいっていいって♪」

そう言って下へ降りてきて一緒に手伝いだした優子先輩

どうしよう・・・


お風呂に入りに降りてきた二年生の先輩たちが
優子先輩が手伝ってるのを見て慌てて代わりに来た

「みんなお風呂まだでしょ、早く入ってきな」

「でも・・・・・・・・一年生!」

二階に向かって叫ぶ先輩

「あぁ・・・もう、いいって言ってるのに
仕方ない、この辺で止めて上で待つよ
迷惑かけてごめんね」

陽菜にそう言って上がっていってしまった

優子先輩は悪くないのに謝らせてしまった・・・


「これだから強い部は嫌なんだよね(∵)」

「敦子は先輩と思わなさすぎやから」

「なんだよ、敬語で話してほしいんですか
高橋先輩」

「いえ、たかみなで結構です・・・」

「にゃんにゃんも気にしなくていいからね(∵)」

「は、はい・・・」

とは言ったもののやっぱり気になる・・・

呼ばれて降りてきた一年生に
理由を説明したら上に上がって行き
優子先輩に謝りに行ったみたい


はぁ・・・洗濯しに行かなきゃ
テーブルの用意が終わり
また外へ出て第二弾の洗濯を回しに裏へ行く

出来ていた洗濯物をかごに入れ
張り巡らされたロープに掛けていると


「にゃんにゃん(-∀-`) 」

後ろから少ししゃがれた
でも大好きな声で呼ばれ手を止めすぐ振り返る

「なんかごめんね」

「いえ・・・優子先輩は悪くないです(汗)」

「出来る人がやればいいと思うんだけど
クラブになるとその辺煩いからさ(;´-∀-)」


そんな考え方も好きだなーて思う

優子先輩を見ると
手に袋を持っていたから

「洗濯ですか?置いておいてください
私がしますから」

「うん、でも三年生の私物だから
私がするね、こっち空いてる?」

「はい、あ、洗剤と柔軟剤はこれです」

「アハッ(-∀-`) ありがとう」


こんな可愛い笑顔を今、陽菜は独り占めしてるの?
写真に撮りたい・・・残しておきたいけど無理だもんね

この時間が少しでも長く続きますように(бвб) 

先輩 6

二階に大部屋が一部屋と六畳の部屋が一部屋
一階はキッチンと食堂とトイレとお風呂

先輩たちが戻ってくる前にクーラーを入れ部屋を冷やしておく

「あぁ〜涼しい、ここは天国だ(-∀-`)」

「お疲れ様でした(бвб)」

「おつかれ〜用意ありがとね」

「わ、私の仕事ですから(汗)」

「アハッ張り切りすぎて倒れないでよ(-∀-`) 」

「はい!」


合宿さんありがとう
優子先輩とこんなに話せるなんて思っても見なかった
ずーと合宿なら良いのに・・・


全員座って全員でいただきますをする

食べ終わると午後からの練習までは自由時間
日中は暑いから二時間の休憩

スマホを触る人、食堂にあるテレビを見てる人
部屋に戻り昼寝をする人


「陽菜、これもお願いね」

「はーい」


でも陽菜は休憩なんてしている暇なんてない

同級生がみんなの着替えた洗濯物を
外にある洗濯場まで持ってきてくれるから
二台の洗濯機をフル稼働で動かし出来た分から干していく


この練習着優子先輩のだ(бвб)
今頃お昼寝してるのかなー・・・・

練習着を眺めながらそんなことを考えていたら


「陽菜ちゃん」


大好きな声がいきなり後ろから聞こえてきて
飛び上がりそうになった

「驚かせてゴメンね(汗)
後ろからいきなり声かけたらそりゃ驚くよね」

「だ、大丈夫です(汗)
えーと・・・どうかしましたか?」

「涼しい所に長く居ると体がスタートに戻っちゃうから
散歩してたんだ(-∀-`)」

こう言うストイックな所は流石だと思う

「1人なの?あっちゃんやたかみなは?」

「えーと・・・・」

どうしよう、あっちゃんは昼寝でたかみなさんは買い忘れたお菓子を
買いに行かされてるなんて言えないもん


「だいたい分かるけどね、これ洗濯できた分でしょ
手伝うね」

「いえ、先輩にそんなことさせられません(汗)」

「私が手伝いたいの!何かしてる方が時間早くすぎるでしょ」

「あ、ありがとうございます(бвб)」


ヤバイどうしよう、嬉しい♪


それから好きな食べ物とか、休みの日にはないをしてるとか
色んな話を聞けた

「そう言えばさあっちゃん達
陽菜ちゃんのことにゃんにゃんて呼んでたでしょ」

「はい、なんか猫みたいだからってあっちゃんが」

「私も呼んでいいかな(-∀-`)」

「は、はい!」

「あ、でも二人のときだけかな
みんなの前では公平にしておかないといけないからね」

「はい(бвб)」


嬉しい、あっちゃん、あだ名を付けてくれてありがとう


「あ、いたいた外に出るなら携帯持って出てよね
呼び出したら部屋で鳴ってるから焦るよ」

「なに?」

「昼からの練習なんだけどさ」

「食堂へ行って話そうか」

「そうだな」

「それ終わったらあっちゃん達と一緒に休憩していいからね」

「はい」


「後よろしくねにゃんにゃん(-∀-`)」

「はい!」


「にゃんにゃんて何?」

「いいのいいの、ほら行くよ」



どうしよう、陽菜絶対顔赤くなってたと思う
普段は陽菜ちゃんで二人だとにゃんにゃんだなんて・・・

普通でいられるかな(汗)








先輩 5

スーパーのイートインでアイスを食べ
帰り道のお弁当屋さんでお昼のご飯を注文する

お昼ごはんはお弁当と決まってるみたい
だから陽菜達は夕飯と朝食を作る


「基本みんな同じメニューなんだけど
私達は好きなの頼んでいい事になってるから
にゃんにゃんは何にする?」

「それは敦子が勝手にいってる・・・」

「うっさいなぁー人間好き嫌いがあるんだよ」

「私もみんなと同じでいいです」

「好き嫌いないの?」

「はい」

「偉いねぇーみなみなんてカツ丼ばっか食べてるのに」

「そんな事ないわ(怒)」

「だからこんなに小さいままなんだよ」

「そうなんですか?」

「違う!信じちゃダメ(汗)」


そうだよね、そんなわけ無いか(笑)


合宿所のキッチンの冷蔵庫に買ってきた材料を入れ

「この後何をすればいいんですか?」

「11時半にお弁当を取りに行くまでは自由時間」

「じゃー私はグランドに行ってますね
時間前に戻ってきます」

「サボればいいのに(∵)」


少しでも長く優子先輩の走る姿を見ていたいから
サボるなんて考えたことなかった


「でも、マネージャーなので行ってきます」

グランドに出るとちょうど休憩の時間で
一年生が先輩たちにドリンクを配っていた


「ごめんね、ありがとう(бвб)
後、誰に渡して無いの?」


本当はマネージャーの仕事だけど
1人しか居ないからみんな手伝ってくれる

「優子先輩と秋元キャプテンが外周を走りに行ってて
まだ帰ってきてないの」


優子先輩・・・

「わかった後は私がするからみんなも休憩して」

「お願いするね」


二人のタオルとドリンクをスタンバイして校門を見ていると
二人並んで入ってきた


「はぁはぁはぁ・・・
休憩前に戻ってこようと思ったのにふぅふーくそー」


「っはぁはぁ・・・
優子が坂ダッシュしようなんて言い出すからだろ(怒)」


「あのう・・・お疲れ様でした・・」


やっぱりキャプテンだから先に秋元先輩に渡すと


「うわっずっる」

「え!?」

「私のほうが先に入ってきたのにー(怒)」

「す、すみません(汗)」

「ほとんど同時だっただろ」

「いや、胸の差で私だね(-∀-`)」

「そりゃー優子のほうが胸は大きいけど・・・
て、関係ないだろ」

「お疲れ様でした・・・」

言い合いをしている二人に恐る恐る差し出すと

「アハッ(-∀-`)嘘だからそんな顔しないで」


陽菜どんな顔してるんだろう・・・


「よーし休憩終わり♪」


宮澤先輩が立ち上がり大きな声で叫ぶ


「マジか(汗)」

「ほらみろ、優子のせいだぞ(怒)」

「ごめんて(汗)」

「二人は後五分だけ延長してあげる」

「さすが佐江ちゃん、好きだぞ(-∀-`)」

そういって抱きつきほほにキスしてる


・・・・いいなぁ・・・


優子先輩はスキンシップが激しい
陽菜はもちろんされたことないけど・・・・

すぐ抱きついたり、頭をポンポンしたり
たまにお尻を触ったり・・

でもみんな怒らないし嫌がらないのは人柄なんだと思う

陽菜だってポンポンされたい・・・
でも選手じゃないから記録更新もなければ
激しい練習に最後までついていけたからとかないもん・・・

いつもグランドの端っこで
されている人のことを羨ましそうに見てるだけ

でもね、する方もされている方も
いい顔してるからそれでもいいかなって・・・
優子先輩のあの笑顔が見れるなら良いかなって最近は諦めてる


練習を見守っていると


「にゃんにゃんそろそろ取りに行くよー(∵)」

しまった時間見るの忘れてた(汗)

「すみません、今行きます(汗)」

急いで合宿所へ戻り行く準備をした





先輩 4

買い物をしながら話しかけてみる


「たかみなさんは何年生なんですか?」

「優ちゃんと同じ三年生やで」


敬語で話しかけてよかった、危ない危ない(汗)


「誕生日は私の方が早いから
一番上なんやけどなんでか一番下の敦子が
一番背が高いっていう・・・
神様は意地悪や」

ドンドン声が小さくなっていき
一人ブツブツ呟いてるたかみなさん

ここは話題を換えなきゃ(汗)


「三人隣同士なんですか?」

「優ちゃんを挟んで隣同士」


いいなぁー


「えーと、まだ名前聞いてなかったやんね」

「あ、すみません(汗)小嶋陽菜です」

「敦子がにゃんにゃんて呼んでるから
私もそう呼んでいいかな」

「はい(бвб)」

「しかし・・・・可愛いよね」

「そ、そんな事無いです(汗)」

「おい・・・(怒)」

「ヒャッァ!!」


低い声に飛び上がるたかみなさん


「なにナンパしてんだよ(怒)」

「してないわ(汗)
可愛いって言っただけやんな、にゃんにゃん」

「何勝手ににゃんにゃんて呼んでるんだよ」

「小嶋さんがいいって言ったからぁ」

「いいの?」

「大丈夫です」

「変な事されたらすぐ言ってね
叩きのめしてやるから(∵)」

「そんな事しないわ(汗)」

「どうだか(∵)」

「あのう・・・・」

「ん?」

「他の方達が見てるので・・・(汗)」


買い出しの途中でスーパーの中
急に言い合いを始めたから人がチラチラ見て行く

そんな事気にしないとでも言うように


「にゃんにゃんアイス買いに行こう
材料はみなみが買っといてくれるから」

「そんな事(汗)」

「いいっていいって、いつもの事だから気にしないで」

「でも・・・・」

「ほら行くよ(∵)」


腕を引っ張られたかみなさんと離れてしまった


この二人の関係性ってどうなんだろう
もしかして優子先輩と三角関係とか・・・

あっちゃんの取り合い?

はぁ・・・・


「ん?どうかした」

「いえ(汗)」


好きなの選んで〜と言われひとつ取る
あっちゃんは二個持ってレジの方へ行くと
丁度たかみなさんがレジに並ぼうとしていた


「貸して」

陽菜のアイスを取って一緒に籠に入れ

「たかみなの分も仕方がないから買ってきてやったぞ」

と、ドヤ顔で言っていた


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