アンブレラ  32

陽菜

駅から学校へ行く道とは逆方向だったから気づかなかったんだ

陽菜のポケットの中には優ちゃんの手と絡み合う陽菜の手
恋人みたい?

優ちゃんには好きな人がいるんだから困らせたらいけないって
思っていても死んじゃうかもしれない優ちゃんを
少しでも長く感じて居たくて・・・

好きって気持ちに歯止めがきかなくなって・・

時々困ったように笑う優ちゃんに気付かないふりをする

みーちゃんや家族と有名なイルミネーションを見に行ったことがある

ここのは凄く小規模でわざわざ遠くから来る人は少ないみたいだけど
好きな人と見る景色は今まで見たどのイルミネーションよりも綺麗で
目の裏に焼きついた

石段に並んで座り少しの間眺める

「綺麗だね(бвб)」

「・・・の・・・うが・・いだよ」

「え?」

ボソボソっと聞こえないくらいの声で囁く優ちゃん

「なんでもないよ、風邪ひいたらいけないからそろそろ戻ろう」

そう言うと来た時とは反対の手を握り
今度は優ちゃんのコートのポケットに入れてくれた

やさしすぎだよ優ちゃん・・・

アパートに帰りケーキを食べ順番にお風呂に入り
湯冷めしないうちに布団に入る

もちろん二人いっしょ、一式しかないからね

「やっぱりもう一式買おうか(汗)」

「陽菜と一緒じゃいや?」

「そうじゃなけどにゃんにゃんが狭いかなーて思ってさ
家では一人で寝てるんでしょ?」

「陽菜は大丈夫だもん、それに湯たんぽなかったら寒いじゃん」

「湯たんぽ?」

「そう、湯たんぽ替わり(笑)」

「カイロの次は湯たんぽかぁー(笑)」

「だって子供体温であったかいんだもん」

「昔っからよく言われてたなー
冬はいいけど夏は暑いから引っ付くなーとも言われたけどね」

「彼氏さん?」

「ち、違うよ両親!」

よかった・・・・

「彼氏っていたの?」

「そりゃーね高校の時はいたけど大学に行きだして
ちょっと事情があって忙しくなると自然消滅みたいな感じになった(笑)」

そっかー・・・いたんだ彼氏・・・

「そういうにゃんにゃんもモテるでしょ可愛いもん(-∀-`) 」

「陽菜は・・・・・お試しで付き合ってもすぐ別れてた
だってデート中胸ばっかり見てくるし
俺の彼女可愛いだろ!て友達に自慢するために
付き合ってるみたいだったんだもん
全然陽菜自身を見てくれなくて嫌になっちゃう(怒)」

「そっか・・・辛かったね
こんなにやさしくていい子なのにバカでねみんな」

そう言って頭を撫でてくれる

「ギュってしていい?」

「う、うぇ?」

「・・・しちゃうから」

アワアワしてる優ちゃんを正面から抱きしめる

「にゃんにゃん(汗)」

「このまま寝る〜お休み(бвб)」

「お、お休み(汗)」

優ちゃんの胸に顔を近づけたらドクンドクンと早い心音が聞こえてきた

優ちゃんもドキドキしてくれてるんだって思ったらうれしくて
少しの間聞いてたんだけど
その音が心地よかったのかいつの間にか意識を手放していた




アンブレラ  31

優子

いつの間にか眠っていたみたいでゆっくり戻る意識の中で
首筋に何かが触れていて耳元では

「優ちゃん好き」て囁く甘い声

たぶん・・・キスされてるよね?

どうしよう、心臓がバクバクしてきたからばれちゃうじゃん(汗)

今起きました!みたいな素振りをして気づいてないふりをする

このまま向き合い抱きしめてしまいたい衝動を必死に抑える

だめ!ダメだぞ優子我慢するんだ!

その場を逃れようとするも
まだこのままがいいと言うこじぱに
リモコンだけ取らせてほしいと言って何とかゲット

これで少しは気が紛らわせる

そこからはお笑い番組を見ながら二人で笑い
この人面白いよねーとか
このコンビ好きーとか
このギャグすきなのーとか・・・

どうやらこじぱはお笑いが好きだという事が判明(笑)

人は見かけによらないよね

「そろそろ準備しようかな」

「もうするの?早くない」

「早めに食べてイルミネーション見に行こう」

「えー行くのだるい(бвб)」

「この近くにあるんだよ(-∀-`) 」

「うそ!陽菜知らないよ」

「この時期学校にあんまり来ないでしょ」

そういえば赤点取らない限り終業式まで来ないかも

「じゃー行く」

「ケーキは帰ってきてから食べようね」

「うん」

そんなに大きくはないけど色遣いが独特で
一人で見に行ってたんだよね


夕飯を終えしっかり着込んで外に出たけどやっぱり寒い

「カイロ買わなきゃだね」

「あるよ(бвб)」

「え?持ってきたの?」

「ううん」

「ん?どういう事?」

「優ちゃんがカイロだよ(бвб)手貸して」

恋人つなぎをさせられ陽菜のコートのポケットの中に二人の手を入れると

「ほら、あったかいでしょ(笑)」

「っ・・・で、でも、もう片方の手が・・・」

「それは我慢してくださーい(бвб)」

「ええぇぇー(笑)」

「たまに手を変えればいいでしょ(бвб)」

首を傾け覗き込んでくる

「そ、そうだね(汗)」

にゃんにゃんと話していると癒されるけど

どんどん好きが大きくなっていくから苦しいかも(汗)

アンブレラ  30

優子

電気代節約の為に布団を敷いて寝てるんだし
にゃんにゃんは寒いから引っ付いて寝てるんだ!

そう自分に言い聞かせ

背中に感じるにゃんにゃんの温もりと
首元にかかる温かい息に
ドンドン早くなる心臓を必死に鎮める

少しするとスースーと言う寝息が聞こえてきて
寝てるという安心感に心臓も静かになった

冷静になってテレビを見ていると・・・・

しまった(汗)リモコンテーブルの上に置いたままだった・・・

お腹に両腕をまわされていて・・・
動いたらおきちゃうよね(汗)

テレビでは見たことないドラマの再放送をやっていて
意識は自然と後ろに行きつく・・・

人のぬくもりを感じるのっていつぶりだろう・・・

なんか、生きてるって言う感じがするなぁー(´-∀-)

このままにゃんにゃんと生きていけたらどんなに幸せなんだろう・・・

今度の治療が終わり治癒し退院したとしても
またいつ再発するかわからない生活
ビクビクして生きる毎日に
にゃんにゃんを縛り付けておくことは出来ない

だから友達と言うこのままの関係が一番いいんだ
将来の見えない私では
にゃんにゃんを幸せにしてあげる事が出来ないんだから・・


陽菜

誰かが近くで話してる声が聞こえて目を覚ますと
テレビが点いていてニュースが映っていた

全く動かない優ちゃんを首を少し起こして覗いてみると
子供みたいな顔をして眠っていた

寝てる時はどっちが年上かわかんないくらい幼い(笑)

首筋に顔を埋めて大きく息を吸い込むと

病院の匂いに混じって甘くていい匂いがする

きっとこれは優ちゃんの匂いだよね
陽菜好きだなー・・・

無意識に首や首筋にキスをしていた

「優ちゃん・・・好き」

起きないように何度も何度も繰り返す

「んん〜ん」

少し動いた優ちゃんにハッと我に返って顔を離す

「ん?こじぱ起きたの?」

「うん・・・優ちゃんも寝てたんだね」

「アハッ(-∀-`) あったかくてつい寝ちゃった(笑)」

「テレビ点いたままじゃん」

「あぁー・・・リモコンなくてさ(汗)」

周りを見渡すと

「あっ・・・陽菜のせいだねごめんなさい」

「違うよ(汗)私が持つの忘れたんだから
私のせいだよ」

「優ちゃんはやさしいね(бвб) 」

「そんな事・・・もう起きる?」

「まだ夕飯作るには早いからもう少し
このままでいたい・・・」

「えっ・・・うん・・・じゃーリモコンだけ取らせて」

手を離してあげると少し前のめりになって
手を伸ばしリモコンを取る優ちゃん

離れると寒い・・・

でもすぐ元の位置に戻ってきてくれたから
またあったかくなった

ずっとこの温もりを感じていたいって思うのは
わがままなのかな

守ってあげる♂  53

陽菜

USJは疲れたが楽しかった

でも・・・前半の二人の笑顔と仲の良さが胸に引っかかっていて
二人になった途端気持ちが抑えられなくなり壁に押し付け・・・

「んっ・・・・ちゅぅ・・・チュッん」

だんだん力が抜けて行く優子を支え角度を変えながら
何度も何度も唇をむさぼる

片手で腰を抱かえ右手は服の下に滑り込ませ
ブラを上にずらし胸を触ると胸を強く押し返され
体が離れる

「はぁ・・はぁ・・まっ、待って(汗)」

「むぅなんだよ(怒)」

「汗かいたしシャワー浴びたい(汗)」

「・・・ムリ!待てない」

優子を持ち上げベットにおろし覆いかぶさると

「じゃー一緒に浴びよ!ね?」

「・・・・・(бвб)」

そうだな・・・池に溜まった水もあびてるし・・・

体を退けるとホッとした顔をする優子

「先に入って洗うから呼んでから来てね」

「・・・・・」

カバンからおそらくおふろセットなるものを取り出し
着替えも出そうとしてるから

「どうせ脱がすんだからいらないぜ」

「うっ・・・・」

真っ赤になりながらポーチだけ持ちバスルームに入って行った

俺は用意しとかないとな(бвб)

財布からゴムを取り出し枕の下に潜り込ませる
一つで足りるかな・・・・もう一つ置いておこう(бвб)

ガタン・ゴトッ・・・ジャー・・・

シャワーを浴びてる音が聞こえてくる・・・

生唾が出てきてゴクリと飲み込む

音だけで妄想してしまう俺は健康男子(笑)

・・・・・・・遅いな・・・もういいよな

部屋の中で全部脱いでドアノブに手をかけると・・・

「こら!何鍵かけてんだよ(怒)」

「まだ駄目だもん(汗)」

「・・・・トイレ行きたいから開けろ」

「隣で借りてきてよ(汗)」

「全部脱いだから無理(бвб)」

「もう・・・・鍵開けるけど10秒数えてから入ってきてよ」

「・・・・・早く!」

カチン、バッ「キャッ!!」

目の前には髪の毛から滴が垂れ
体には泡が付いてるというエロい優子が・・・

慌てて振り返り浴槽に戻ろうとする優子を後ろから抱き止める

「ちょっ、トイレは?」

「うそ(бвб)」

「もう、陽菜(汗)」

泡で手の滑りがいいから胸をくるくる円を描くように揉んでいくと

「んっ・・・やっぁっ」

「しっ!ここ薄いから声出したら隣の麻里ちゃんとかに聞こえるぞ」

「じゃーやめてよ(汗)」

「優子が我慢すればいいだろ、このまま俺が洗ってやるから」

「いいっ・・っ・・・んっ・・・っ」

泡が付いてあるスポンジを取り肌を滑らすように
肩のあたりから洗っていく

「っ・・あたしもう洗い終わったから
陽菜洗いなよ」

ちっ・・・仕方ない

優子を離すと慌ててシャワーを出し泡を流し始めた

その後ろで頭から足先まで一気に洗い終え
優子が持つシャワーのノズルを奪って洗い流す

「もう洗ったの?」

「んっ」

「早すぎ(笑)」

「煩い(бвб)」

こっちを向かずに話す優子だけど

キュッと上がった可愛いお尻、くびれたウエスト
横から見えるはみ乳?

はぁ・・・・もう無理俺の理性さんさようなら

手を伸ばしシャワーを止め優子の肩を持ち振り向かせる

「きゃっ!」

両手をクロスして胸を隠してるけど・・・下はいいのか?

俺の目線が下に移ったのを見て慌てて隠してるし(笑)

キスしようとしゃがむと

「待って(汗)」

無視して近づけると手で遮られ

「ベットがいい・・・」

顔を赤くして眉毛を下げ甘えた声で言われたら・・・

とりあえずバスタオルを取ってガシガシと頭を拭き
体も軽くタオルドライして抱き上げベットに運ぶ

「もう、待たないからな(бвб)」

こくんと頷く優子の髪をかき上げおでこに軽くキスをして

「愛してる」

耳元でそう囁いた

アンブレラ  29

陽菜

優ちゃんの部屋に入って言葉を失った

綺麗にしてるって言うか・・・ほとんど何もなかったから

そこには決して大きくないテレビと三段ボックス
そして立てかけているテーブルしかなくて・・・

ここには帰ってくるつもりはなかったんだと
陽菜でも分かるもん・・・

クローゼットから座布団と掃除機を取だし
陽菜を玄関の近くに座らせ掃除機をかけだした

そんなに広くないからすぐ終わってテーブルを真ん中に置く
たまった埃を濡れタオルで拭いて陽菜を手招きした

「紅茶でいい?」

「うん」

三畳くらいのキッチンに行ってお湯を沸かし始めた

カーペットも敷いてなくて座布団だけだから凄く寒い
元々ないのかそれとも捨てたのか・・・

「ごめんね寒いでしょエアコン入れるね」

「いいよ、お金かかるし」

「でも(汗)」

「いっぱい着込んでるから大丈夫(бвб) 」

カップを二つ持ちテーブルに置くと
ブランケットを出してくれた

「何にもないから一週間もいたら退屈するね」

そう言って苦笑いする優ちゃん

陽菜はゆうちゃんと一緒にいれるだけでいい・・・
そばに居て何も話さなくても
寄り添ってテレビを見てるだけでいい

そう言いたかったけど恋人でもないのに言えなかった

ケーキを出すと潰れちゃってってショックだったけど
凄く喜んでくれてデコろうって言ってくれた

一緒に買い物に行って献立考えて
お菓子やジュースも買って・・・

これ好き!とかえーこんなの食べるのーとか
まるで恋人みたいだね

偽りでもいい・・今が幸せだから思うぐらいはいいでしょ?

アパートに帰って来て帰り道のパン屋さんで買った
パンを昼食にして食べテレビを見ていると
上瞼が落ちてきそうになる

テーブルに肘をつきウトウトしていたら

「眠い?」

「・・・少しだけ・・・」

「布団敷こうか?」

「えーいいよ(汗)」

「床だから横になれないし暖房入れてないから
布団に入るとあったかいよ」

そう言ってテーブルをずらし布団を敷いてくれた

「優ちゃんも入れば?」

「わ、私はいいよ(汗)」

「なんで?二人で入ればあったかいよ(бвб) 」

「そ、そうだけど眠くないし(汗)」

「寝ころんでテレビ見ればいいじゃん(бвб) 」

「うっ・・・」

「はいどうぞ」端によって前を開けてあげると

「お邪魔します(汗)」

お邪魔しますってへんだよーて言うと
そうだよねって照れ笑いする優ちゃん

横を向きテレビを見てる・・・

この隙間が寒いし・・・

陽菜も横を向き優ちゃんを背中から抱きしめると

「にゃっ、にゃんにゃん(汗)」

「抱き枕だし(笑)この方があったかいでしょ(бвб) 」

「っ・・・そうだけど(汗)」

「お休み―(бвб) 」

湯たんぽみたいに温かい優ちゃんの体温を感じながら
目を閉じた

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