満月なんて・・・ エピローグ

「うわ〜めちゃくちゃ美味しい」

「ほんまやめっちゃ美味しいです」

「うん、美味しい」

「ふふふみんなありがとう(бвб)」

「・・・・・・・(怒)」

「優ちゃん何怒ってるの?」

「どうしてみんな居るんだよ
ここは私だけの場所なのに(怒)」

「陽菜が招待したの、いろいろ迷惑かけたし
これからはもっと仲良くしたいから」

「しなくていい(怒)」

「優子ちゃん(汗)」


明日新装開店するお店

その前に優ちゃんの大切な仲間を食事に招待したら
なぜか拗ねてるゆうちゃん


「むちゃくちゃ変わりましたね」

「そうなの住むのなら全て最新にしたいって言うから
全部取り壊して新しく建てたら半年かかっちゃった(汗)」


思い出も何もあったもんじゃない(笑)


それにお店だって


「デザートの飲み物は何がいい?」

「私カフェオレでお願いします」

「うちはミルクティー」

「私はほうじ茶オーレで」

「みんな気を使えよな、バラバラだと大変だろ」

「そ、そうですよね(汗)全員コーヒーでお願いします(汗)」

「気にしないで、練習にもなるし
ほら、優ちゃんも手伝って」

「ウチが手伝います」

「いいよ、由依は座ってろ」


そう、小料理屋じゃなくなって
和風カフェになってしまいました(бвб)

モーニングとランチをメインにして
夜は6時まで

休みは不定休


優ちゃんが夜は二人でゆっくりしたい
ツアーもついてきて欲しいって言うから

そんないい加減なことしてたら潰れちゃうって言ったら

本当は働いてほしくない
他の人に陽菜の笑顔を見せたくないって
可愛いことを言うから
カフェなら大丈夫かなって

もちろんお店と住居の入り口は別
優ちゃんが帰ってきた時お店からだと何かと問題になるからね


優ちゃんがコーヒーをたててくれてるから
先にデザートを運び


「ああ言ってるけど三人が遊びに来たとき
泊まれるようにって一部屋作ったんだよ(бвб)」


こっそりと教えてあげたのに
みんなうるうるしだして


「優子さん(涙)」
「優子ちゃん(泣)」


「・・・・あぁぁ!!何吹き込んだんだよ(;´-∀-)」

「ずっとずっと一緒ですからね(泣)」

「チェッ・・・・・仕方ないから飽きるまでいてやるよ(-∀-`)」


嬉しそうに三人の頭を撫でてあげている


「今日泊まってもいいですか」

「今日はダメー(-∀-`)」

「なんでですか?」

「ほら、昨日までリハとか何かと忙しくて夜遅かったし
引っ越しの片づけとかいろいろ大変で夜はバタンキューだったんだ
それに今日は満月だろ(-∀-`)」

「そうですけど・・・・?」

「この家で初めて狼に変身する日だから邪魔すんな」

「・・・・・(照)」


バシッ!


「イテッ(;´-∀-)」

「馬鹿なこと言う人も一緒に帰って下さーい(бвб)」

「な、もうマンション引き払って帰るとこない」

「狼になるんなら外で寝ればいいじゃん
ねぇみんな」

「え、あ・・・ど、どうでしょ(汗)」

「あぁそうですかわかりましたよ」

「わかってくれたなら良かった(бвб)
これでみんな今日はとま・・・・」

「今すぐ襲いまーす(-∀-`)」

「わぁわぁ優子ちゃんここでは駄目ですよ(汗)」

「くそ、離せ私は狼になるんだ〜わぉぉぉぉん!!」



ホントにおしまい(;´-∀-)




満月なんて・・・ 19 最終話

全く起きる気配がないから


「ねえ、あれなんて言う星座?」


上を向いたまま問いかけてみる

そうすると手に力が入り


「え、えぇぇ!?」


上半身を起こし陽菜を見下げてる優ちゃん


「見えない!」

「え、あ、ごめん(;´-∀-)」


また元通り横に並びながら


「どうしてここがわかったの(;´-∀-)」

「優ちゃんの行くところは全部わかる」

「そんなわけないでしょ私の事なんてなんとも思ってないくせに」


少し拗ねた口調を無視して


「・・・・さっしーちゃん達、心配してたよ」

「会ったの?」

「ツアー中、陽菜の事話してたんでしょ?
もしかしたら私の所かもしれないって捜して来てくれたんだよ
仲間に心配かけたらダメじゃん」

「みんなに迷惑かけたし事務所だって大騒ぎだろうしもう戻れないよ」

「そんな事で離れていく子達じゃないでしょ
それに世間では入院してることになってるんだから戻れるよ
でも早くしないと本当に戻れなくなって
なりたかった女優にだってなれないよ」

「あいつらはみんないい子だってわかってるし
一緒に居たら楽しいんだ
でもいつかは離れていくじゃん
いつまでもアイドルなんてやってられないんだから
そしたらまた私は一人になるんだ
だったら始めから一人でいた方が良かった」

「陽菜がいるよ」

「私から離れようとしたくせに
一緒に暮らすって喜ばせといて最後には突き離したじゃん
だったら始めから断ってよ
同情や優しい言葉なんていらないんだ(。-∀-)」


握っていた手を離し顔を覆って泣く優ちゃん


「ごめんね、陽菜もさっき気づいたの」

「何をだよ(泣)」

「優ちゃんの事が好きだって」

「・・・・・・今なんて言った?」

「陽菜は優ちゃんが好きみたい」


起き上がり優ちゃんを見下ろす


「そ、そんな事言って連れ戻そうとしてるんだろ
もう騙されないぞ(怒)」


言葉で言っても信じてもらえそうにないから
好きと言う気持ちを込めてキスをする


「・・・・・・・・」

「恥ずかしいんだから目を閉じてよね(笑)」

「ほんとうに?本当に私の事好きなの?」

「そう言ったでしょ(笑)」

「じゃー一緒に住んでくれる?」

「お店の工事始まったのに途中で止めてもらって来たの
次はいつになるかわからないって言われた
水道止まっちゃったし
陽菜の家に住めないんだから責任取ってよね(бвб) 」

「後ろを見て・・・・」


振り向くと映像には


「月の満ち欠け(бвб) 」

「私、満月に誓う
絶対に陽菜を裏切らないし離さない
そして陽菜の前から絶対消えない」

「優ちゃん」

「だから私とずっと一緒に居て下さい」

「はい(бвб) 」

「陽菜(。-∀-)」


起き上がり向かい合うと今度は優ちゃんの方から・・・
どれくらいしてたんだろう

ただ重ねただけの唇を陽菜から離し


「帰ろう(бвб)」

「もう一日だけ」

「どうして?」

「本物の星を陽菜と一緒に見たい」

「露天風呂?」

「うん」

「部屋空いてないかもしれないよ」

「大丈夫、もう一泊するって書置きしてしてきたから」

「うそ・・・・」

「女将さんに連絡しなかったの?」

「したけど・・・・・」


はぁ・・・・やられた(笑)


「知らなかったのにここへ来てくれたんだ・・・ありがとう(-∀-`) 」

「二度目はないからね」

「さっき消えないって誓ったでしょ(笑)」

「破ったら陽菜が消えるから」

「ヤバい、それ絶対に捜せないやつじゃん(;´-∀-)」

「好きだったら見つけて下さーい(бвб) 」

「テレビに向かって捜索願だす!」

「それはやめて(汗)」


優ちゃんだったら本当にやりかねないから怖い


「でね、キス以上の事をしたいなーなんてアハッ(;´-∀-)」

「狼に変身するのは次の満月を待ってくださーい(бвб) 」

「え?終わったばかりじゃん
ひと月待たなきゃじゃん(;´-∀-)」

「(бвб) 」

「やっぱり満月なんて嫌いだぁー(泣)」



おしまい




満月なんて・・・ 18

最寄り駅についたのは3時過ぎ

もういないかもしれない
でも行くところがなければまた旅館に戻るかもしれない

それとも・・・・・


だめ、変なことを考えたら(汗)
そんな事あってはいけないんだから


もう一度旅館へ連絡を入れてみたけどやっぱり戻ってなかった


「あのう・・・この辺で歩いて行けて
景色が良くって癒される場所ってありますか?」


年配の駅員さんならわかるかもしれないから聞いてみる


「景色のいい所ですか・・・・
そこの山のハイキングコースを1時間ほど登ると
高台があるから景色は良いんだが
その恰好では・・・・」


あの時浴衣と下駄だったのに行こうとしてたんだから
山ではないと思う


「この格好でもいける場所はないですか?
何かを見れるとか、何かに囲まれるとか」

「そうだねぇ・・・・
そこの温泉街を抜けてすぐの角を右に曲がって
そうさな・・・10分ほど歩くかな・・・・
そこに古くて小さなプラネタリウムがあったんだが
まだやっとってかな
最近客足も少のーて辞めるとか言うとったんだけど」

「プラネタリウムですか・・・・
ありがとうございます行ってみます」


夜にならなくても星を見れる場所ならいる確率は高いと思う
どうか開いててください


自然と早足になり普段運動しない陽菜は息が荒くなってくる


「はぁはぁ・・・・ふぅ・・・営業中だ(бвб)」


本当に小さくて、なんなら看板も消えかけていて
普通の会館みたいで気にして見ていないと通り過ぎてしまいそうだ

ドアを開け中へ入ると受付があるけどそこには誰もいなくて


「すみません・・・・誰かいませんか?」

「・・・・・・・・」


少し身を乗り出しもう一度奥に向かって声をかけると


「はいはいはい・・・
ごめんなさいねおやつ食べてウトウトしてたわ(笑)
お一人かしら」


初老のおばあさんがニコニコしながら出て来た


「あのう・・・今日若い女性が来ませんでしたか?」

「あら、お嬢さん優子ちゃんのお友達かい」

「はい!優ちゃん来たんですね」

「優子ちゃんはお得意さんでね温泉へ来た時は必ず来てくれるんだよ
それもお茶菓子とお土産を持ってね(笑)」

「そうなんですね・・・・」

「さっきも一緒に三時のおやつ食べてたのよ(笑)」

「それでどこに(汗)」

「朝から四回目の上映見てると思うわよ
寝てなければね(笑)」

「大人一枚お願いします」

「今日はもう営業終了だからタダでいいわ(笑)」


そう言いながら営業中の札を裏返し
また奥へ入って行ったおばあさん


「ありがとうございます」


見えなくなるまで頭を下げ中へ入るドアに手をかける


「ふぅ・・・・よし」


大きく深呼吸してゆっくりドアを開け中へ

中は30人ほどの席しかなくて
でもその席には誰も座っていなくて・・・・

まさか入れ違い?
恐る恐る
入口から奥へ入って行くと仰向けで床に寝ころんでる人発見

目を閉じていて口は半開き
どう見ても寝てる(笑)

気づかれないように近くまで行きその横に同じように寝ころび
優ちゃんの手をそっと握った

満月なんて・・・ 17

旅館を調べ電話をかける


「小嶋と申しますが女将さんはいらっしゃいますか」

(どういったご用件でしょうか)

「優ちゃんと言ってもらえればわかると思います」


少し待っていると


(もしもし陽菜ちゃん?)

「はい、優ちゃんはそちらに行ってるんでしょうか」

(来たんだけど今はいないわ)

「なにか言ってましたか」

(私が求めるものは何も手に入らないって言いながら
お酒を浴びるように飲んで寝てしまったので
そのまま布団に寝かせて朝起こしに行くとお金だけ置いてあったの)

「行くような所わかりませんか?」

(そういう事言わない子だったから・・・)

「確かお兄さんがいましたよね」

(迷惑かかるからアイドルになってから
連絡はとってないって言ってたから
行くとは思えないわ)

「他に行くところは」

(わからないわ)

「そうですか・・・・・・もし戻ってきたら連絡もらえますか?」

(もちろん)



話の経緯をさっしーさんにラインしておく


どこへ行っちゃったんだろう・・・・

待って、あそこへ行った時、確か私に見せたい場所があるって言ってたよね
旅館から歩いていける場所・・・
まだ居るかどうかはわかんないけど
行動しないと見つからないから


「すみません急用ができて今から出かけますので
工事終わってもらえませんか」

「そんな急に言われても・・・」

「無理は承知ですが人の命がかかってるので」


大げさかもしれないけど優ちゃんのアイドル生命はかかってると思うから


「そう言われたら・・・・おい、片付けろ」

「ありがとうございます(бвб)」

「明日は大丈夫ですか」

「どれくらいかかるかわかりません」

「うちも仕事が詰まってるので後回しになっちゃいますよ」

「はい・・・・」


仕方ないよね、優ちゃんの方が大切だもん・・・・

優ちゃんの方が大切?お店より?

陽菜優ちゃんのことを・・・・

どうしてもっと早く気付かなかったんだろう
そうしたらこんな事になってなかったのに
陽菜のせいじゃん


どういうふうに行くのが一番早いか携帯で調べ
財布と携帯だけ持ち家を飛び出した

満月なんて・・・ 16

工事は明日からで
バイトは三日後から

でもこれ、始まったらバイトできない感じじゃん

店の中だから誰もいないと上にあがり放題で
何か取られたりしても分からない・・・

信用してもいいけど、女性の一人暮らしだからやっぱり怖い

階段にドアつけてもらおうかな
そしたら鍵かけて出れるよね?

大工さんに電話をすると明日は無理だけど明後日ならと言われ
それまですることもなく予定もないから家でのんびり

次の日工事が始まったけどまだ出ていくことが出来ないから
テレビを点けっぱなしでニュースを見ていると

優ちゃんのニュースが流れていた


”大島優子入院が長引く模様”


見つからないのかな・・・もしかして陽菜のせいなの?

そんな事を考えていると


「小嶋さん、お客さんが見えてますよ」


大工さんが下から声をかけてくれた


だれだろう・・・優ちゃんかな?

急いで降りていくと
見たことのある顔の三人が立っていた


「えーと・・・あなた達は」

「あのう・・・優子ちゃんどこへ行ったのか知りませんか?」


三人共切羽詰まった顔をしていた


「二階で話しましょうか」


これ以上大工さんに会話を聞かれたら困るから
二階へ上がって貰う事に


「お邪魔します・・・」


今に通すと
一人の子が端に置いてあった物を見つけ


「あのスーツケース優子ちゃんのじゃない?」

「そうだ、優子ちゃんのだ」

「やっぱりここにいるんですか?」

「説明するからとりあえず座って」


三人を落ち着かせ
お茶を入れテーブルに出しながら


「大島さんは荷物を置いたまま出て行ったのよ」

「嘘です!あれはすごく大事にしてるスーツケースだから
他人の家に置いたまま消えるなんてあり得ません」

「そう言われても本当の事だから・・・」

「お姉さんが陽菜さんですよね」

「どうして私の名前を」

「優子ちゃんツアー中ずーと陽菜さんの話をしてました」

「信用できる大人に出会えたって嬉しそうに」

「一度会っただけなのに信用なんて・・・」

「自分は人を見る目があるからって
陽菜さんは絶対にいい人だって毎日私達に言ってたんです」

「料理もすごく美味しくて
いつかお店にみんなを連れて行ってあげるとも言われました」

「その時に大体の場所を聞いていたので・・・」

「あんな嬉しそうで楽しそうな優子ちゃんを見たことなくて」

「私達と居るときあんな顔して笑うことなんてなかったのに・・・」


「でもテレビでは笑顔で楽しそうに・・・・(бвб)」


「あれは演じてるんです
いつかはアイドルじゃなくて女優さんに成るために
演技をしてるんだって言ってました」

「そんな・・・・」

「優子ちゃんは人に甘えるのが苦手みたいで・・・
でも私達には凄く優しくて・・・・・」

「年齢も少し離れてるっていうのもあるんですけど
なにか悩んでる様子でも絶対に言わないし
決して弱味を見せないし弱音を吐かない人だった」


私にはあんなに甘えてきてたのに・・・・・


「連絡が取れなくなった日
私達のグループラインに一言
ごめん、とだけ送られてきて
それっきり連絡が取れなくなりました」

「陽菜さんなら心あたりがあるんじゃないですか?
優子ちゃんが行きそうな場所知ってるんじゃないですか?」

「優ちゃんが行きそうな場所・・・・・・」


女将さんの所かも


「心あたりがあるんですね!
教えてください」

「みんなはお仕事あるんじゃないの?」

「四人揃っての私達なんです
三人でなんて出来ません」

「そう・・・・・でもその場所は他の人に知られたくなさそうだったから・・・」

「でも陽菜さんは知ってるんですよね」


連れて行ってもらったから・・・・とは言わないほうがいいよね


「私が連絡取って探してみるから
みんなは仕事に戻って
優ちゃんは入院してることになってるんでしょ?
あなた達まで仕事を放棄したらおかしくならない?」

「そうですけど・・・・」

「私なりに探してみるから」

「連絡いただけますか?」

「誰に連絡すればいい?」


三人は顔を見合わせ


「さっしーに任せる」

「わかった、私とLINEを交換してください」


さっしーさんとLINEを交換

よろしくおねがいしますと頭を下げ三人は帰っていった



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