Such is life 19 Y

レストランに予約を入れLINEで場所と時間を伝える

誰かと外で食事をするなんていつぶりだろうか・・・
麻里子が結婚する前に二人で出かけた時以来かもしれない

いつもならすぐ眠れるのに中々寝付けないのは何故だろう

色々考えていたらいつの間にな眠っていたみたいで
目覚ましの音で目が覚めた

「う〜ん・・・うんいい天気(-∀-`) 」

身支度を整えリビングへ行く途中

「爺やおはよう、今日の夕食は軽くでいいからね」

「優子様・・・」

「朝から険しい顔をしてどうした(笑)」

「旦那様がお待ちです」

「父さんが?・・・なんでいるの」

「私からはなんとも・・・」

嫌な予感しかない

「コンコン・・・・優子です」

「入れ」

「おはようございます・・・」

入るといきなり大きな声で

「小嶋という女と付き合ってるという噂があるそうだが
どういう事なんだ」


校長のやつ(怒)


「それは・・・仲のいい友達なだけです」

「今日のランチは誰とするんだ」

何故知ってるんだよ(汗)

「・・・・・」

「今日は一歩たりとも家から出るな!」

「そんな事あなたに言われる筋合いはない!」

「親に向かってあなたとはなんだ(怒)」

「親らしいことなんてしてもらった覚えはありません」

「優子様(汗)」

「まだ爺やの方がいつもそばに居てくれるていて父さんみたいだよ」

「煩い!わしがいいというまでは誰とも付き合うな
ましてや女と付き合うなんてもってのほかだ」

「なんでだよ、俺は男だぞ女と付き合って何が悪いんだ」

「お前は今女だ!」

「俺は今も・・・昔も・・これからもずっと男だ!」

「女が抱きたいなら連れてきてやる」

「そんなんじゃない!」

「お前が日本の高校に通いたいというから通わせてやってるんだ
男になりたいんだったらアメリカへ行けと言っただろ」

「っ・・・」

「いいか大学は向こうへ行かせるからそのつもりでいろ
それまで事を荒立てるな
もしまた噂になるようなことがあれば
彼女の身は保証できない」

「なんだよそれ、脅すのかよ」

「脅しじゃない、命令だ」

「くそ・・・」

携帯以外全て取り上げられてしまった

今日はどうしたものか・・・

考えても案は一つだけしかない

仕方ない・・・か

「もしもし・・・」

(ゆっぴーからかけてくるなんて珍しいじゃん
それも電話なんていつぶりだろう
お姉ちゃんは嬉しくて涙がちょちょぎれるくらい
「もういいから」
ひどーい、感動のスピーチしてるのに〜)

「今日暇?」

(なになに?お姉さまと遊びたいのかな(*`ω´) )

はぁ・・・なんでこいつしか頼む奴いないんだよ・・・

「友達とランチの約束してたんだけど行けなくなってさ
代わりに行って欲しいんだけど」

(今からならまだキャンセルできるんじゃないの?)

「いや・・・向こうは多分楽しみにしてるから・・・」

(ほぉ〜・・・・)

「なんだよ(-∀-`;)」

(可愛い可愛い弟ちゃんの為に行ってあげる
で、女の子なんだよね?)

「当たり前だろ、なんで野郎とホテルでランチしないといけないんだよ」

(ほうほう・・・(*`ω´) )

くそーニヤニヤしてるのが手に取るようにわかる

(で、写真かなんかないの?)

「そんなものない」

(じゃー特徴と名前教えて)

それから事細かく特徴を聞いて楽しんでる麻里子

「ただの友達だから余計なこと言うなよ」

(わかってるわよん)

「ご飯食べたら帰していいからな」

(当たり前でしょ、篠田が部屋に連れ込んで何するの(笑))

「だ、誰も部屋なんかに連れ込もうと思ってないし((汗))」

ランチの後はちゃんと図書館へ行こうと思ってた
ほんとだぜ!


麻里子に任せておけば後は心配ないよな



「アメリカか・・・」

あの人は言った事は必ずする人だ

高校へ進学する時は留学するか日本に残るか決めさせてくれた
それは俺がまだ子供だったからだろう

向うへは大島の姓ではなく篠田の姓で留学することになっている
もちろん男としてだけどどっちにしても本名は名乗れない


俺の本当の名前なんて遠の昔に忘れたけどな


Such is life 18

土曜日のバイトを終え電車に揺られていると
LINE通知が来た

「覚えてたんだ・・・」

連絡が来ないから忘れてるのかと思って悦んでたのに・・・

(11時帝〇ホテルのロビーに来て)

・・・ホテル?勉強するのにホテル?

〈無理〉

(約束したでしょ)

〈ホテルは無理〉

(陽菜エッチだね(笑)勉強するだけだよ)

鋭い(汗)

〈そんな事考えてないし、図書館でいいじゃん〉


(ランチ奢るよ)

・・・・・うん、お昼だけ食べて図書館へ誘おう

〈わかった〉

ホテルのランチなら少しいい服着て行かなきゃだよね・・・
二年前の服入るかな

家に帰り出して着てみたらブカブカになっていた

・・・・・そんなに太ってたっけ?・・・

まあ、無料ダイエットが出来てラッキーだと思っておこう(笑)

「それ着て行くの?」

「うん、なんかランチ奢ってくれるらしいんだけど
ちょっといいレストランみたいだからさ」

「ごめんね・・・」

「なんであっちゃんが謝るの」

「パパが居なくなってから新しい服買ってないでしょ
私達のばっかりじゃん」

「それはあっちゃんも双子もまだ成長途中なんだから仕方ないよ
陽菜はもう終わってるから」


「反対に小さくなってない?」

「スタイルよくなったでしょ(笑)」

「・・・・・(∵)」

「あっちゃん?」

「やっぱり私たち「あっちゃん!!」

「っ・・・」

「それ以上言ったら怒るよ」

「でもにゃんにゃんの人生が・・・」

「陽菜、みんなと一緒にいるのが幸せなの
姉妹はバラバラになっちゃダメでしょ」

「にゃんにゃん・・・(涙)」

「あっちゃんに家の事全部させちゃってごめんね」

「ううん、私それくらいしかできないから」

「これからも四人で助け合って生きて行こう」

「うん」

今の幸せを壊したくない、だから陽菜は・・・

噂がホントになっちゃうのかな・・
だってお金貰って体を提供するのって援交でしょ?

明日もしかしたら・・・・

新しい下着あったかな




そして約束の時間

が、過ぎてるのにいっこうに来る気配がないし
連絡も付かないとかあり得ないんだけど(怒)

30分待ったけど来ないから帰ろうとした時

「小嶋陽菜さん?」

名前を呼ばれ振り返ると背の高い女性が立っていた

「そうですけど・・・どなた」

「私は篠田麻里子、大島優子の姉です」

「お姉さん?でも名字が違いますけど」

「あ、結婚して篠田になったから(笑)」

大島さんにお姉さんがいたんだ・・・

「でも似てないですよね、背も高いし顔も全然違う」

「姉弟だからって似てるとは限りませんよ
小嶋さんの所は全員似てるんですか?」

そう言われると・・・全然似てないかも・・・

「大島さんはどうしたんですか?」

「用事が出来ちゃって来れなくなったから
代わりに私が来たの」

代わりにって・・・

「メールかLINEしてくれれば済んだのに」

「ランチの約束してたんでしょ、行こう(*`ω´) 」

陽菜の言葉を無視し腕を掴み歩きだした

「え、ちょっと(汗)」



「大島ですけど」

「大島様お待ちしておりましたどうぞこちらへ」

案内された場所は一番奥のたぶんビップルームというやつ?

「お昼のコースでいい?」

「私・・・払えません(汗)」

「ここの支払いは優子にさせるから大丈夫
私は・・・ワイン飲んじゃおうかな
小嶋さんは未成年だからウーロン茶ね(笑)」

ボーイに注文するとじっと陽菜を見つめ

「ふーん・・・見る目あるじゃん」

「はい?」

「顔もスタイルも篠田よりは劣るけど
中の上だね(*`ω´) 」

「あのう・・・」

「で、この後勉強するはずだったんでしょ?
篠田で良かったら教えてあげるけど」

「け、結構です(汗)
所で大島さんは何の用事だったんですか?
あ・・・・もしかしてバイトが入ったとか?」

マダムから電話が来たとか?
お姉さんバイトの事知ってるのかな・・・

「バイト?・・・・何してるって言ってた?」

知らないなら陽菜の口から言ったらダメだよね(汗)

「内容は聞いてないです」

「そう・・・今日は家の事情かな」

「そうですか・・・」

話してる間に前菜が運ばれてきて目の前に置かれた

えーと・・・テーブルマナーはどうだっけ・・・(汗)

「すいませんお箸頂けるかしら
小嶋さんはどうする?」

「あ、私も下さい」

良かった(бвб) 

初めて食べるフルコース
ランチだけど結構な値段だと思う・・・
三人にも食べさせてあげたかったなー・・・
一人で食べてごめんね

「ご馳走様でした(бвб) 」


お礼を言って帰ろうとしたら


「あ、これ妹さん達にどうぞ」

・・・・・妹居るって言ったっけ?
大島さんにも言ってないし先生以外知らないはずなのになんで・・・

「どうして知ってるんですか」

「妹居るような顔してるからかな(汗)
弟だったらごめんね、あ、もしかして一人っ子?」

誤魔化してる感が半端ないんだけど・・・

でも多分これってケーキだよね・・・・
ここは素直に貰っておくことにしよーと(бвб) 

「ありがとうございます」


席を立とうとしたら

「これからも優子の事よろしお願いします」

「あ、はい・・・・・・失礼します」

凄く真剣な顔をして立ち上がり頭を下げられたから
こっちも深く頭を下げた


Such is life 20 M

ゆっぴーから電話が来る前
爺やから連絡を受けていて事情は把握していた

電話の前に小嶋陽菜さんの事を少し調べさせてもらったら
四姉妹だけで住んでいて
高校へ行きながらバイトで生計を立てているとか・・・

ゆっぴーが興味を持ちお金もつぎ込んでる子がどんな子なのか
会って見たくなってめぐってきたチャンス(笑)


まさか篠田を頼ってくるなんてね
断れば済むものを・・・
それだけ大事な子なのかな?

特徴を根掘り葉掘り聞いてるといい事しか言わないゆっぴー
本人は無意識?

彼女を一目見てすぐにわかったよ(笑)
だって聞いてたままだったから

ゆっぴーが来れないとわかると帰ろうとするから腕を掴み強引に連れて行く

この子磨けばもっと可愛くなるし綺麗にもなると思う
パーティーとかで映えるだろうなー
ゆっぴーの方が負けちゃいそうだ(笑)

ランチはコースを予約していたみたいで
テーブルマナーが苦手そうな雰囲気を醸し出していたから
少し助けてあげた

食事のあいだ学校での話を聞いてみる

「別に普通です・・・」

「優子とはどうやって知りあったの?」

「うーん・・・・裏庭でなんとなく?」

フワッとした話し方で一見おっとりしてるように見えるけど
初対面の時の警戒心と言葉を考えると
しっかり者だと思う

ゆっぴーはどこに魅かれてるのだろうか?

本人は気になると言うだけで
まだ自覚してないみたいだけどね(笑)


お土産を渡すと一瞬顔が曇るのがわかった

しまった、まだそこまで親しくないのか((汗))

すぐ誤魔化したけど大丈夫だったかな・・・



さーてとたまには姉らしい事をしないとね





受付を通り過ぎてエレベーターへ向かおうとしたら

「すいませんどちらへ」

「篠田ですけど社長室へ」

「失礼ですがアポイントはお取りですか?」

見た事のない受付のお嬢さん
新人さんかな?

「秘書の大堀に伝えてもらえばわかりますが」

怪訝そうな顔をして電話を取り次ぎすぐに顔色が変わった

「申し訳ございませんでしたどうぞ((汗))」

「ありがとう(*`ω´)」

社長室に入ると第一秘書であるめーたんが立って待っていた

「10分だけだとおっしゃられてます」

「それだけあれば十分、ありがとね」

奥の部屋の扉を開け中に入る

「なんだ」

「優希の事で」

「その名前を口にするな(怒)」

「高校までで開放してあげてください」

「まだ駄目だ!せめて成人するまではわしが守ってやらないと・・」

「もう十分大人ですよ大丈夫です」

「だめだ!まだダメだ!卒業後は予定通り篠田の名前で留学させる
ちゃんとしたお披露目は帰って来てからだ!」

「あの子も我慢の限界に来てます
これ以上縛り付けるとどうなるかわかりませんよ
もし留学させるにしても何故女性として生活させていたのかを教えてあげて下さい」

「煩い!大島を捨てたお前にとやかく言われる筋合いはない出て行け!」

「私は大島を捨てた覚えはありません
ただ愛した人と結婚して名前が変わっただけ
優希の姉でありお父様の娘である事に変わりはありませんから」

それだけ言って部屋を出た

「麻里子様・・・」

「めーたんお父様をよろしくね(*`ω´)」


お母様と同い年で仲の良かっためーたん

二人共秘書として会社に入社し
その当時副社長だったお父様に見染められたのがお母様

三年後おじいさまの反対を押し切り結婚した二人
すぐに私が生まれ中々後継ぎが生まれない中
やっと生まれたのがゆっぴーだった

凄く嬉しそうなお父様に連れられ病院へ一緒に行った事は
鮮明に覚えている

二人の退院の日、仕事で迎えに行けず車だけを向かわせたお父様
その事を今でもずっと後悔し自分を攻めている


そうあの日・・・

Such is life 17

「にゃんにゃん、明日なんだけど」

「あ・・・・ごめん、明日友達と約束しちゃってて
出かけなきゃいけなくなってたんだった」

「にゃんにゃんが友達と遊ぶなんて珍しい
て言うか初めてじゃ無い?」

「そうかな・・・・」

「そうだよ、毎週家にいるじゃん」

「そんな事無いし、公園行ったり買い物行ったりしてるじゃん」

「それは私達とでしょ」

「そうだけど・・・」

「だれ?彼氏?」

「違うよ、女の子!
先生に勉強教えて貰いなさいって言われたから
仕方なく教えて貰うの」

「仕方なくって(笑)
そう言えばテストもうすぐだもんね」

「うん」

「テスト中ぐらいバイト休んでよ」

「無理!テストだと午前中に終わるんだから
時間にしたら一日4・5時間増えるんだよ
お金で計算すると「わかったから(∵)」

「どこでするの?」

「たぶん・・・図書館」

そう言えばまだメールが来ない

「じゃーお昼ご飯外で食べるんだよね」

「そっか・・・どうだろう図書館に
お弁当持って行くとかおかしいもんね」

「もしかしてお弁当の人?」

「うん(бвб)」

「お金も持ってて頭もいいとか凄いね
もしかして顔も可愛いとか?」

「顔は・・・・」

笑窪が出るし・・・八重歯もあるし・・・
目も大きいし・・・可愛いのかな?

「まあまあかな、でも背は低いよ」

「へぇーたかみなみたい」

「たかみなは男なのに小さすぎ!
あんなのでいいの?」

「あいつはあいつでいい所沢山あるからね」

あっちゃんもたかみなもお互い好きどうしなのに
一歩踏み出せないのはこの生活のせいかもしれない・・・

陽菜が早く結婚して双子を引き取れば
あっちゃんもたかみなと遊んだり付き合ったりできるのかな

そうなると・・・いくつ上の人と結婚しなくちゃいけないの?
地位もあってお金もあってしっかりしてる人で
双子の面倒も見てくれるような人どこかにいないかな・・・

Such is life 16

陽菜ってすごく体が丈夫なんだと思う
いくら疲れていても倒れたこと無いし
風邪だってこじらせる前に治っちゃうんだもん

今日だって薬を飲んで午前中寝ていたら体調もだいぶ戻り
お弁当もたいらげた

「ご馳走様でした♪
さーてもう一眠りしようかな(бвб)」

「何言ってるの体調がいいなら教室へ戻りなさい」

「・・・・・(бвб)」

しまった、お弁当完食してまだ辛いは通用しないよね(汗)

「一緒に戻ろう(´-∀-)」

そうだ日曜日どうしよう・・・
バイトは休みだけど大島さんと勉強とかあり得ない
馬鹿がバレちゃうじゃん
まあ図書館とかだったら襲われる心配はないけどさ

ん?襲ってくれるの待ってるの?

・・・・違う違う!あり得ない(汗)

首をブンブン振っていると

「首の体操か何かしてるの(笑)」

馬鹿にしたように話しかけてくる

「ずっと寝てたから動かしてるだけ」

「ふーん・・・・私は自分の教室へ戻るからじゃーね」

バイバイと手をフリ歩いて行ってしまった

はぁ・・・今日は教室へ来たくなかったな

仕方なくドアを開けると

みんな一斉にこっちを見るから
もう一度ドアを締めそうになったけど
ぐっと我慢し平常心で自分の席へ

座って授業の準備をしていると
誰かが机を囲んで立った

顔をあげると・・・
いつも聞こえるように悪口言ったり
多分雨を降らせた人達

また何か言いに来たのかと思ったら

「昨日はごめん
汚れてる所に水をかけようと思ったら
間違ってかけちゃっただけだから・・・」

間違って個室に上からホースが出るの?
て思ったけど
謝って来たし、もともと喧嘩するつもりはなかったから

「いいよ、誰にでも間違えはあるんだから気にしないで」

そう言うとホッとした顔をして

「これ午前中の授業の黒板の写しだからあげる」

ノートを破って書いてくれた見たいで
授業毎に字が違うから
手分けして書いてくれたんだと思う

陽菜普段からあんまりノート取ってないから要らなかったんだけど
そこは大人だから

「ありがとう、助かる(бвб)」

ふっと微笑みながら受け取ると

「・・・小嶋さんいつも笑ってれば可愛いのに」

「え?」

「同じクラスになってから笑った顔見た事無いよ」

「そう・・かな・・・」

「いつも寝てるかムスってしてるもん」

眠いのが勝ってて機嫌悪いからかな(汗)

「なんか、ごめんね」

「ううん、私達も悪かったから」



その日から変な噂とかは一切されなくなり
虐めてた人達が話しかけてくれるようになった

そして

高校生になって初めてクラスメイトが出来た日にもなった


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