ゆっぴーから電話が来る前
爺やから連絡を受けていて事情は把握していた

電話の前に小嶋陽菜さんの事を少し調べさせてもらったら
四姉妹だけで住んでいて
高校へ行きながらバイトで生計を立てているとか・・・

ゆっぴーが興味を持ちお金もつぎ込んでる子がどんな子なのか
会って見たくなってめぐってきたチャンス(笑)


まさか篠田を頼ってくるなんてね
断れば済むものを・・・
それだけ大事な子なのかな?

特徴を根掘り葉掘り聞いてるといい事しか言わないゆっぴー
本人は無意識?

彼女を一目見てすぐにわかったよ(笑)
だって聞いてたままだったから

ゆっぴーが来れないとわかると帰ろうとするから腕を掴み強引に連れて行く

この子磨けばもっと可愛くなるし綺麗にもなると思う
パーティーとかで映えるだろうなー
ゆっぴーの方が負けちゃいそうだ(笑)

ランチはコースを予約していたみたいで
テーブルマナーが苦手そうな雰囲気を醸し出していたから
少し助けてあげた

食事のあいだ学校での話を聞いてみる

「別に普通です・・・」

「優子とはどうやって知りあったの?」

「うーん・・・・裏庭でなんとなく?」

フワッとした話し方で一見おっとりしてるように見えるけど
初対面の時の警戒心と言葉を考えると
しっかり者だと思う

ゆっぴーはどこに魅かれてるのだろうか?

本人は気になると言うだけで
まだ自覚してないみたいだけどね(笑)


お土産を渡すと一瞬顔が曇るのがわかった

しまった、まだそこまで親しくないのか((汗))

すぐ誤魔化したけど大丈夫だったかな・・・



さーてとたまには姉らしい事をしないとね





受付を通り過ぎてエレベーターへ向かおうとしたら

「すいませんどちらへ」

「篠田ですけど社長室へ」

「失礼ですがアポイントはお取りですか?」

見た事のない受付のお嬢さん
新人さんかな?

「秘書の大堀に伝えてもらえばわかりますが」

怪訝そうな顔をして電話を取り次ぎすぐに顔色が変わった

「申し訳ございませんでしたどうぞ((汗))」

「ありがとう(*`ω´)」

社長室に入ると第一秘書であるめーたんが立って待っていた

「10分だけだとおっしゃられてます」

「それだけあれば十分、ありがとね」

奥の部屋の扉を開け中に入る

「なんだ」

「優希の事で」

「その名前を口にするな(怒)」

「高校までで開放してあげてください」

「まだ駄目だ!せめて成人するまではわしが守ってやらないと・・」

「もう十分大人ですよ大丈夫です」

「だめだ!まだダメだ!卒業後は予定通り篠田の名前で留学させる
ちゃんとしたお披露目は帰って来てからだ!」

「あの子も我慢の限界に来てます
これ以上縛り付けるとどうなるかわかりませんよ
もし留学させるにしても何故女性として生活させていたのかを教えてあげて下さい」

「煩い!大島を捨てたお前にとやかく言われる筋合いはない出て行け!」

「私は大島を捨てた覚えはありません
ただ愛した人と結婚して名前が変わっただけ
優希の姉でありお父様の娘である事に変わりはありませんから」

それだけ言って部屋を出た

「麻里子様・・・」

「めーたんお父様をよろしくね(*`ω´)」


お母様と同い年で仲の良かっためーたん

二人共秘書として会社に入社し
その当時副社長だったお父様に見染められたのがお母様

三年後おじいさまの反対を押し切り結婚した二人
すぐに私が生まれ中々後継ぎが生まれない中
やっと生まれたのがゆっぴーだった

凄く嬉しそうなお父様に連れられ病院へ一緒に行った事は
鮮明に覚えている

二人の退院の日、仕事で迎えに行けず車だけを向かわせたお父様
その事を今でもずっと後悔し自分を攻めている


そうあの日・・・