記憶の中に   29

「ママ?」

「私達はねあなたの幸せだけを願って育ててきたの
それを忘れないでね」

「うん・・・・」

なんだろう、急に真剣になる両親に戸惑いながら
パパを待っていると本のようなものを抱えて入ってきた

「それ何?」

「お前のアルバムだよ、一人っ子なのに
少ないと思った事は無いか?」

そう言われると少ないように思うけど
小さい頃の思い出があんまりないって言うのは
ほったらかしにされてたからだって思ってたから
違和感はなかった

「パパもママも忙しくてどこにも行ってないからじゃないの?」

「これを見てみろ」

一枚めくるとそこには写真が貼ってあって・・・
どうやらすべてアルバムみたい

まさか隠し子がいて今更私と姉弟だとか言ってこないよね(汗)

恐る恐る写真に目を落としていくと・・・

「これって・・・私?」

おそらく生まれたての病院での写真
そこには三歳くらいの子供が赤ちゃんを抱っこして
ベットに寝ている私と3ん人で写っていた

ドンドンめくって行くと

「これ野呂さん?凄く若いや(笑)」

危なげに立っている私の後ろには少し大きな子がいて
前にはしゃがんで手をたたいてる子供
その周りには笑いながら見守る三組の夫婦

父親に抱かれ、寝ている三人の子供・・・

そんな写真がぎっしりと詰まっていた

私の成長につれて後の二人も大きくなって行ってる
当たり前なんだけど・・・常に一緒に居るって言う感じがした

「一番大きい子は野呂さんの子供?
もう一人の男の人は私見た事ない・・・て言うか覚えてないや
でも、誰かに似ているような・・・・?」

最後のアルバムの最後の写真の下に

”優子5歳の誕生日を最高の仲間たちと”

ケーキを前に真ん中の私を両側から頬にキスしている写真

髪の長い可愛い子とショートカットの少しお姉さん

「ねえ、これ何?合成写真?私全然覚えてない
なんでこんなに知らない写真があるの?
私が持ってる写真には誰も写ってないよ」

「優子、落ち着いて聞いてね」

ママがそう言うとパパがゆっくり話し始めた

記憶の中に   28

パパとママが旅行から帰ってくるのを待って実家に帰った

「あら、優子が帰ってくるなんて珍しいわね
ママが恋しくなったのかしら(笑)」

「そんなわけないでしょ」

「昔はママ!ママ!て泣いてたのにねぇ、あなた♪」

「そうだぞ、小さい時はパパ好き!て飛びついてきて
チュッチュッしてくれたのに今はちっともしてくれないし(怒)」

「当たり前じゃん(汗)いつの話をしてるんだよ
私何歳か知ってるでしょ」

「いくつになっても私達の子供に変わりはないんだぞ優子!」

「そうだけど・・・」

「小さい頃はだれかれかまわず抱き付いてキスしてたから
大人になった時に変質者にならないか心配してたけど
今はまじめすぎて面白くないわね」

「これが普通だと思うんだけど(汗)」

「私達の子供ならもう少し弾けてくれないとなぁママ♪」

「そうよ人前でだってこんな事できるのよ」

そういうと二人で抱き合いキスしだす

「ちょっと!子供の前でするのはやめてよ(怒)」

「仕方ないわね・・・ところで何しに来たの?」

「そうだ!忘れるところだった(汗)
パパ!小嶋陽菜って知ってるでしょ」

「誰だそれ?」

「・・・パパが作ったショムニ課のかわいい女の子」

「その子美人なのか♪」

「美人なんてもんじゃないよ、出てる所は出てるし
かわいいし、声も甘くて守ってあげたくなるっていうか
・・・・ハッ!(汗)」

ニヤニヤしながらこっちを見てる二人・・・

「あなた、優子が恋をしてますよ」

「これでやっと孫の顔が見れるな」

「ちょっと、私何も言ってないでしょ
ていうかまだ付き合ってもいないし・・・」

「何やってるんだ私の子供とあろうものがそんなに
奥手でどうする(怒)
パパなんかママと出会ったその日に押し倒して
次の日にはプロポーズしてたぞ!」

そんなドヤ顔されても・・・
それに普通逆じゃない?付き合ってから押し倒せよ

「パパ、かっこよかったわぁー」

初めて知った親の出会いに少しのショックを受けながら
また本題からずれていることに気づき

「だ・か・ら、小嶋陽菜!」

「いい名前だな♪」

「そうなの、陽菜って顔とあってるっていうか・・・・
ちがーう!パパは知ってるんでしょ」

「優子も知ってるぞ」

「私は会社であってるから知ってるだけで」

「忘れてるだけなのよ」

「・・・忘れてるってどういうこと?
麻里ちゃんもそんな事言ってた」

「篠田君か・・・そうか・・・逢ってもまだ思い出せないのか?」

「だから聞きに来たんじゃん」

「わかった少し待っていなさい」

そう言って部屋から出ていった

あなたに出会えて<新しい未来へ> 16

陽菜

公演の生中継で優ちゃんへの日本でのオファーが殺到し
アメリカと日本の二重生活になって最近忙しすぎて大変

「ねえ、もうすぐ優陽小学生になるけど
どっちの学校にする?」

「陽菜はどうしたいの?」

「陽菜は・・・・」

「日本がいいんでしょ 」

「うん・・・ママたちも年いってきてるし
陽菜の仕事は日本だし・・・ごめんね(汗)」

「なんで謝るの?陽菜にとって大切な家族なんだし
近くにいてあげたいのは当たり前だと思うよ」

「優ちゃんも大切な家族だよ 」

「うん、わかってる(´-∀-)
私も日本に拠点を置いてこっちのマンションは
引き払おうかと思ってたから」

「アメリカで仕事があるときはどうするの?」

「一人だからこんな大きなマンションいらない
短いときはホテルでいいし
長いときはアパートでも借りようかな」

「陽菜も仕事ないときはついてくるからね」

「ダメだよ 優陽が寂しがるじゃん」

「ママたちがいるから大丈夫だし!
優ちゃんの方が寂しがりやでしょ(笑)」

「そうだけど・・・私はもう、大人だから我慢できるもん!」

「そうかなー・・・この前陽菜が仕事で日本に一週間
帰ってた時優陽を抱きしめながら泣いてたのはだーれだ 」

「なっ(汗) 誰がそんな事言ったの(汗)泣くわけないじゃん 」

「優陽がね、ママが優陽の事ギューて抱きしめて
鼻ずるずる言わせるから優陽夜寝れないの
なーな、早く帰ってきてね、 てメールくれた(笑)」

「バレてたんだね(汗) だって優陽から陽菜の匂いがするから
寂しくなっちゃって・・・」

「えー優ちゃんの匂いがするよ(бвб) 」

「そう?二人の子供だから両方の匂いがするんじゃないかな(´-∀-)」

「そうかもね、でも、陽菜は優ちゃんの匂いが一番好き 」

「私だってにゃんにゃんの匂いが一番好きだもん(´-∀-)」

そう言って陽菜の胸に顔を埋める優ちゃん(笑)

「優ちゃんは匂いより胸の方が好きなんじゃないの(笑)」

「違うよ!胸も匂いも好きだけど、陽菜のすべてが好き!
拗ねた顔も、怒った顔も、エッチな顔も!」

「むう・・・最後の顔は余計だし(怒) 」

陽菜だって優ちゃんのすべてが好き
陽菜に鳴かされてる時の顔も、変態な顔も
ハの字眉毛な顔も全部好きだからね(бвб)

可愛い恋人 U   43

陽菜

次の日の夜 (全員OKだよ(-∀-`) ) 優子からのメール

さすがすることが早い(笑)

その次の日の朝

「かしわげちゃんおはよう(бвб) 」

「小嶋さんおはようございます・・・
何度も言いますが私柏木なんですけど・・・ 」

「6月8日空いてる?」

「スルーなんですね・・・
その日は雨が降らないように部屋にこもります 」

「じゃー二時にここの前に迎えに来るから待っててね(бвб) 」

「あのー私の話聞いてます? 」

「陽菜の話聞いてるぅ 」

「小嶋さん でも、雨降ったら困るでしょ 」

「大丈夫!陽菜も麻里ちゃんもあっちゃんも晴れ女だから(бвб) 」

「私、最強ですよ 」

「うっ・・・その時は帰ってもらう・・・」

「チケット持ってませんけど・・・」

「大丈夫!紛れ込むから(бвб) 」

「そんなことできるわけないじゃないですか(汗)」

「スペシャルチケットがあるからいいの!」

「でも・・・スタジオ行って大雨で中止になったら
私立ち直れないかも・・・ 」

「それは・・・自分で何とかして(бвб) 」

「小嶋さーん 」

あと一週間、週間天気予報は雨・・・

大丈夫!きっと大丈夫!なはず・・・・・

撮影の合間、光る携帯を見ると

(リス完成 今日の帰りにでも見に来てね)

(珠理奈も連れて行こうか?)

(お願い!助かる(*`ω´) )

4時に終わったから保育園に二人を迎えに行き
麻里ちゃんの会社へ

「こんばんわー(бвб) 」

「陽菜さんいらっしゃい あれ??」

「あっ!ニャロ、優子ちゃんを連れてきてくれて
ありがとう」

「えっ!あっ・・・うん 」

「そっちの部屋に置いてあるから三人とも入って」

中に入るとマネキンに飾られた4着の着ぐるみ・・・

4着?はい!?

「麻里ちゃん、こっちの大きいコスチュームは何かな 」

「ニャロと篠田の分に決まってるじゃん 」

「ハァ あり得ないし 」

「まあ、そう言わずにせっかく作ったんだし
着て見てよ、ニャロ可愛いよきっと(*`ω´) 」

「嫌だし・・・こんなの着てたら目立って陽菜だってばれちゃうじゃん(怒)」

「人気上昇するかもよ(*`ω´) 」

「コスプレでしたくない 」

「えぇー優子喜ぶと思うけどなー
こんなの好きそうじゃん 」

「優子は喜ぶと思うけど・・・絶対いや!着ないから 」

まあまあ、なんて言いながら優ちゃんと珠理奈に着せて行き
自分も着替えてる・・・

「ゆっぴーもじゅり坊も可愛いよ 」

「ロリコン・・・ 」

「ママこれ何?」

「じゅり坊はシマウマでママはパンダ(*`ω´) 」

「にゃんにゃんは着ないの?」

「陽菜は・・・」

「着てよ、ねっ!みんないっちょがいい!」

ニヤニヤしてる麻里子は腹が立つけど
優ちゃんにお願いされると嫌って言えない陽菜・・・

「にゃんにゃん可愛い(´-∀-)
ちょれうちゃぎちゃんだー」

「でしょ!篠田のセンスの良さが光ってるね(*`ω´) 」

「優子たんのコンチャートみんなで着ようね(´-∀-)」

「・・・・・・(бвб) 」

「もちろんこれ着てヘビロテ歌おうねゆっぴー(*`ω´) 」

「うん!ヘビーローテーチョン てやる(´-∀-)」

「あっそうそう、席なんだけどね事情があって
来賓席になったから」

「どんなとこ?」

「後ろは部屋になっててバルコニーに椅子がある!
みたいな感じだって」

「おぉーそれは好都合じゃん
部屋の中で踊れるしばれないんじゃない?」

「かしわげちゃんも来るの」

「ゆきりん?そういえば誰かのファンだって言ってたね」

「佐江ちゃんだって」

「後一週間でゆきりんの分作れるかな」

「えぇっ!かしわげちゃんの分も作る気 」

「みんな一緒がいいよねゆっぴー(*`ω´) 」

「はい(´-∀-)」

結局着るはめになったウサギのコスチューム・・・
これで写真集だしたらファン増えるかな?

少しだけわがままな女神    12

優子

私の手を握り肩に頭を乗せてゆっくりと話し始めるこじぱ

「まず陽菜の生い立ちから聞いてね(бвб) 」

「うん」

「陽菜の家はね、凄いお金持ちなの
パパで三代目なんだけどおじいちゃんの代で
少し会社が傾きかけた時
会社の利益のためだけにママと結婚させられたみたい」

「政略結婚?」

「うん、パパもママも他に好きな人がいたのに
無理やり一緒にさせられて・・・
そんな夫婦上手くいくはずないじゃん
でも後継ぎ産まなきゃいけないからって陽菜が産まれて・・・
残念な事に一人しか出来なかったみたい」

「・・・・・」

「好きでもない人の子供が可愛いわけないじゃんね
小さいころからほったらかしで愛情なんてかけてもらった覚えない
子供の頃は陽菜が悪い子だからなんだって思ってて
凄く頑張ってた・・・でも中学生の時二人が言い争ってるのを聞いて
なーんだ、陽菜望まれて生まれて来たんじゃないんだ
て思ったらもうどうでもよくなって・・・今に至るんだけど・・・
ちょっと優ちゃん泣きすぎだし(笑)」

「だっで・・・こじぱが、がわいぞう(泣)」

「ありがとう優ちゃん(бвб) 」

肩を引き寄せて抱きしめるとギュッと抱き付いて来た

「でもね世の中悪い事ばかりじゃなくて・・・
陽菜の家には執事がいて代々仕えてくれてて
名前は指原って言うんだけど親の代わりに
学校行事には必ず来てくれて誕生日も一人じゃ寂しいだろうって
子供や孫を連れて来てくれてたの
指原がいたから陽菜ぐれずにいれたのかもしれない」

「ありがたいね(涙)」

「うん、今はもう引退して息子さんが継いでるんだけど
今日はね指原の80回目の誕生日だったの(бвб) 」

「・・・・・」

「もうわかった?」

「指原さんのお誕生日会に行ってた・・・」

「そうだよ、じゃー送ってきてくれたのは?」

「お孫さん?」

「ピンポーン!正解(бвб) 」

「ううぅぅっ・・・ごめんなさい(涙)」

「ううん、言わなかった陽菜も悪いから」

そう言うと肩を持って体から離され見つめ合いながら

「陽菜ね、優ちゃんが思ってるより優ちゃんの事が好きだよ」

「私の方が好きだもん・・・」

「優ちゃんを好きになってパパとママの気持ちが
わかったような気がする」

どういう事かわからず首をかしげると

「今優ちゃんと引き離されて他の人と結婚させられても
その人を愛せないしもし子供が出来ても・・・
自分の子だから可愛いだろうけど相手に似ていると
見ていたくないかも・・・」

「こじぱはどっちに似てるの?」

「目や耳はお父さんで鼻と口はお母さんかな・・・」

「・・・・・」

「だからね陽菜人を愛するってどうしたらいいのか
分かんなかったんだけど、優ちゃんに出会って
あったかい家族に触れて
陽菜にもこんな家庭が作れるのかなって考えるようになって
でも、そこには優ちゃんが必要で
優ちゃんのいない将来なんて考えられなくなったの(бвб) 」

「私もこじぱのいない将来なんていらない」

「ふふ・・・ありがとう♪
最後にもう一つだけ大事な話があるの」

今までとは違う真剣な顔で語り始めた
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