優子

私の手を握り肩に頭を乗せてゆっくりと話し始めるこじぱ

「まず陽菜の生い立ちから聞いてね(бвб) 」

「うん」

「陽菜の家はね、凄いお金持ちなの
パパで三代目なんだけどおじいちゃんの代で
少し会社が傾きかけた時
会社の利益のためだけにママと結婚させられたみたい」

「政略結婚?」

「うん、パパもママも他に好きな人がいたのに
無理やり一緒にさせられて・・・
そんな夫婦上手くいくはずないじゃん
でも後継ぎ産まなきゃいけないからって陽菜が産まれて・・・
残念な事に一人しか出来なかったみたい」

「・・・・・」

「好きでもない人の子供が可愛いわけないじゃんね
小さいころからほったらかしで愛情なんてかけてもらった覚えない
子供の頃は陽菜が悪い子だからなんだって思ってて
凄く頑張ってた・・・でも中学生の時二人が言い争ってるのを聞いて
なーんだ、陽菜望まれて生まれて来たんじゃないんだ
て思ったらもうどうでもよくなって・・・今に至るんだけど・・・
ちょっと優ちゃん泣きすぎだし(笑)」

「だっで・・・こじぱが、がわいぞう(泣)」

「ありがとう優ちゃん(бвб) 」

肩を引き寄せて抱きしめるとギュッと抱き付いて来た

「でもね世の中悪い事ばかりじゃなくて・・・
陽菜の家には執事がいて代々仕えてくれてて
名前は指原って言うんだけど親の代わりに
学校行事には必ず来てくれて誕生日も一人じゃ寂しいだろうって
子供や孫を連れて来てくれてたの
指原がいたから陽菜ぐれずにいれたのかもしれない」

「ありがたいね(涙)」

「うん、今はもう引退して息子さんが継いでるんだけど
今日はね指原の80回目の誕生日だったの(бвб) 」

「・・・・・」

「もうわかった?」

「指原さんのお誕生日会に行ってた・・・」

「そうだよ、じゃー送ってきてくれたのは?」

「お孫さん?」

「ピンポーン!正解(бвб) 」

「ううぅぅっ・・・ごめんなさい(涙)」

「ううん、言わなかった陽菜も悪いから」

そう言うと肩を持って体から離され見つめ合いながら

「陽菜ね、優ちゃんが思ってるより優ちゃんの事が好きだよ」

「私の方が好きだもん・・・」

「優ちゃんを好きになってパパとママの気持ちが
わかったような気がする」

どういう事かわからず首をかしげると

「今優ちゃんと引き離されて他の人と結婚させられても
その人を愛せないしもし子供が出来ても・・・
自分の子だから可愛いだろうけど相手に似ていると
見ていたくないかも・・・」

「こじぱはどっちに似てるの?」

「目や耳はお父さんで鼻と口はお母さんかな・・・」

「・・・・・」

「だからね陽菜人を愛するってどうしたらいいのか
分かんなかったんだけど、優ちゃんに出会って
あったかい家族に触れて
陽菜にもこんな家庭が作れるのかなって考えるようになって
でも、そこには優ちゃんが必要で
優ちゃんのいない将来なんて考えられなくなったの(бвб) 」

「私もこじぱのいない将来なんていらない」

「ふふ・・・ありがとう♪
最後にもう一つだけ大事な話があるの」

今までとは違う真剣な顔で語り始めた