そばにいて 9

コンコン

「どうぞ」

「ただいま戻りました」

「早かったね、もっとゆっくりしてくればよかったのに」

なんかカチンときた

「いきなり面接もなしに入ってきて社長秘書、
それも専属になった人を簡単に受け入れてくれるわけないでしょ(怒)」

「そうかな、秘書のみんな良い子ばかりだよ」

「そうだけど・・・」

確かに嫌な事は言われてない
当たり前のことを言われただけ

「何か言われた?」

「・・・別に・・・」

「なに?私隠し事とかされるの一番嫌なんだよね」

「優子は後継ぎじゃないの?」

「ん・・・どうかな、私にもわからない」

「なんで?社長してるじゃん」

「社長だからって後継ぎとは限らないでしょ?」

「そうだけど・・・」

「例えば陽菜の所の会社だって
このままリクさんが見つからなかったら
陽菜が後を継がなきゃいけなくなるでしょ」

「・・・やだ!あり得ない、て言うか陽菜絶対に無理だし
会社つぶしちゃう(汗)」

「アハッ(-∀-`) 自覚あるんだ(笑)」

「むぅ・・・どう言う事かな(怒)」

「私には兄がいて私は二番目だって事」

「お兄さんは仕事してないの?」

「うーん・・・家族の事はあまり言いたくないかな」

「ごめん・・・」

まさか後を継ぐのが嫌で逃げちゃったとか?
それで今は優子が後を継ぐようになってるけど
見つかったらお兄さんが後継ぎになるの?

それじゃ優子が可愛そうじゃん(怒)

「今日はもう帰っていいよ」

「え?まだ三時ですよ」

「私も今日は帰るから」

やったー♪こういう日もあるんだね(бвб) 
ショッピングして帰ろうかな

腕時計を見て

「先に出るから、また明日ね」

「お疲れ様でした(бвб)」

慌てて出て行く社長をエレベーターまで見送り
部屋に戻ってうっくり帰り支度をしていると

勢いよくドアが開いた

「優子!・・・・あれ?優子はどこへ行ったんだ
君は・・・小嶋の娘じゃないか
こんな所で何をしているんだ」

入って来たのは確か副社長の・・大島さん

「今日から社長秘書になりました」

「なんだと?渡辺はどうしたんだ」

「私は社長専属秘書だそうです」

「なんだそれは、
それより結婚がダメになったって言うのは本当なのか」

「ダメになったというか・・・
大島社長が断りに父の会社へ直接来られたそうです」

これは嘘じゃないもん

「せっかくいい縁談だったのにあいつは何を考えてるんだ(怒)」

この縁談に一番乗り気だったのは副社長だとパパが言ってたっけ

「いつまでもフラフラ男遊びばかりしやがって(怒)」

男遊び・・・
そんなにしてるようには見えなかったけど(бвб) 

「今どこにいるんだ」

「先ほど副社長と入れ違いでお帰りになられましたが」

「なんだと!もう帰ったのか、あいつ・・・
ワシが戻ってくる時間を知ってて逃げやがったな(怒)」

なるほど、そういう事か

「この分だと家にも帰らないだろう・・・
まあいい、明日会社で問い詰めてやる」

すごい剣幕のまま部屋を出て行った

家に帰らないのならどこへ行ったんだろう・・・
友達少なそうだし・・・

なんとなく気になり唯一知ってる場所へ足を向けた

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わんわん警察 Y-5

今日はいつもの仕事場じゃなくて
昔訓練してた所に連れてこられた

「捜せ!」

誰だお前?俺に命令していいのはにゃんにゃんだけなんだぞ(怒)

さっきからなんか言ってるけど無視してたら
にゃんにゃんが近寄ってきて捜せって言うから
張り切って見つけて褒めてもらおうと思って
近寄ると何故か困った顔をしてるにゃんにゃんがいた

家に帰ってもいつものにゃんにゃんじゃなくて・・・

でもちゃんとご飯もお風呂も入れてくれて
ソファーに座っていたにゃんにゃんが

さっきからため息ばっかりついてるから
慰めようと足にすり寄って行くと

「優ちゃん・・・・」

ワウン?(なんだ?)

「なんでそんなに優秀なの・・・」

それはにゃんにゃんの為に・・・・

「粉の匂いだけ嗅ぎ分けてればよかったのに」

クゥーン(今日見つけちゃいけなかったのか?
      人を嗅ぎ分けちゃいけなかったんだ・・・
     俺はなんてことをしちまったんだぁー(涙))

そっか・・・俺のせいでにゃんにゃんは元気がなかったのか・・・
俺の失敗のせいで・・・

今日は反省するために一緒に寝ないぜ!
辛いけど罰を受けるぜ(涙)

いくら呼ばれても行かなかった・・・俺えらい?(泣)

俺は粉の匂いだけでいいんだ
他は見つけるな!

そう言い聞かせながら寝たら粉に追いかけられる夢を見て
スゲーのどが渇いて水を飲んでたらにゃんにゃんが起きてきた

「わん!(-∀-`) 」(おはよう)

「ん」

・・・まだ怒ってるのかな・・・
でも大丈夫ぜ、もう粉以外の匂いは嗅ぎ分けないぜ(-∀-`)

朝ごはんを食べたら麻里子が迎えに来て
その車に乗り長い時間揺られて到着したところは・・・・

ここどこ?家が・・・歩くところない(汗)

にゃんにゃんの横でキョロキョロしてたら

「この犬災害救助犬スペシャリストの敦子
普段はおっとりしてるけど仕事は凄いんだよ(*`ω´)」

同じシェパードで俺より少し大きい・・・雌・・・

「ゆっぴーは敦子を見習って沢山捜すんだよ」

「あっちゃんこんにちは、陽菜と優子ですよろしくね(бвб)」

「ワン(∵)」

うおー・・・声は・・可愛いぞ(-∀-`)

「ほら優ちゃんも挨拶して」

ワオン(-∀-`)
(俺優子、にゃんにゃんは俺のだからとっちゃだめだぜ♪)

わん(興味ないし・・・)

ワウワウ(なんだと!この良さがわかんないなんてまだまだだな)

わーん(ばーか、ベェー)

ワンワンワンワン(女でも俺は許さないぞ(怒))

「アハハハもう仲良くなってるじゃん(*`ω´)」

わうん(麻里子は犬の気持ちわかってない)

ワフン(お、そこは意見あったな(-∀-`) )

わんわん(優子もそう思う?)

ワンワン(思う思う、わかったフリするからいつも悪口言ってやってる)

わうん(なんか気が合いそうじゃん)

ワン(そうだな、お前良い奴だな)

「良いお友達が出来て良かったね優ちゃん(бвб)」

ワオン♪

(私の後についてきて、人の匂いがしたらそこで吠えて
パートナーが来たら潜れるようなら潜って行っているか確認するんだよ)

(ダメだぜ、俺は人を見つけたらいけないんだぜ(汗))

(見つけるために来たんでしょ?)

(でも見つけたらにゃんにゃんが悲しむんだぜ)

(・・・・怒られるのは優子だから別にいいけど・・・
じゃー人がいたら私に知らせて)

(わかったぜ(-∀-`) )

最初は嫌な奴かと思ったけどいいやつで良かったぜ(-∀-`)

そばにいて 8

お昼を食べ終わり
美味しいケーキ屋さんがあると言って連れて行かれ
会社に戻って来たのは二時間後

・・・・こんなに仕事が楽でいいの?

しわ寄せがいつか降りかかってくるんじゃ(汗)

それと、これはとても大事なことだから聞いとかないといけない(бвб) 




「私は何時までいればいいですか?」

今までは9時5時だった

残業するほどの仕事はしてないから
私に残業代払うのは勿体無いというパパの言い分に
ママもそうね、なんていうから
5時になったらちゃっちゃと帰ってやった

ここではどうなんだろう・・・
もう一人秘書がいるならそんなに仕事もないだろうし
5時に帰れるかな

「私が終わるまで」

「えーと、もう一度お願いします」

「だから、私が仕事終わって帰るまでここにいること」

「・・・・何時に終わるんですか?」

「その日によって違うかな
今日は早く終わりそうだけどね」

「10時まで仕事だったら10時までここにいろって事ですか?」

「そうなるね(-∀-`)」

嘘でしょ・・・遊びの予定組めないじゃん(汗)
遊ぶ人そんなにいないけど・・・


「朝は・・・」

「もちろん九時からだよ、朝礼があるからね」

「社長が居ない時は定時で帰ってもいいですか?」

「いない時なんてないよ、常に一緒に行動するんだから(-∀-`)」

・・・・何、笑いながらおかしなこと言ってるの?

常に一緒って・・・

コンコン

「どうぞ」

「失礼します」

「あ、丁度良かったこちらは社長秘書の渡辺さん
こっちは今朝言った私専属秘書の小嶋さん」

「初めまして渡辺麻友です」

「小嶋陽菜です」

「小嶋さんに一応私のスケジュールを教えておいてあげて」

「かしこまりました」

「あと、私の好みもね(-∀-`) 」

「時間が空きましたら秘書室へ来ていただけますか?」

「今から伺ってもいいですか?」

「私は構いませんが・・・・」

優子の方をちらっと見る渡辺さん

「いいよ、行っておいで
あ、秘書課のみんなにお土産買って来たから
一休みして食べて(-∀-`) 」

「いつもありがとうございます
では小嶋さんついて来て下さい」

優子に一礼して部屋を出て行く渡辺さんに
お土産の箱を持ちついて行く

エレベーターで1つ下のフロアーへ

降りてすぐのドアには秘書課と書いてあった

「このフロアーには副社長室、常務室、専務室と秘書課があるの」

「上は社長室ともう一つの部屋は何ですか?」

「社長はお忙しい時は帰らず仕事をされるので
寝食が出来るお部屋になってるの」

え・・・帰らない日があるって事は・・・
まさかねぇ・・・そこまで拘束しないよね(汗)

部屋へ入ると机が規則正しく置かれていて
そこに座っているのは綺麗な女性ばかり・・・ん?

「みなさん、こちらが今日から社長専属秘書になられた
小嶋陽菜さんです」

「小嶋陽菜です、よろしくお願いします」

「確か、小嶋商事の秘書をされていた方ですよね」

そう言えばあの人見た事あるかも・・・

「私、副社長秘書の柏木です
以前お伺いした時にお会いしましたよね」

そう言えば結婚の話を持ってきたときに
付いて来てた人だ

「そうですね、その節はどうも」

「私は、専務秘書の河西智美です」

「常務秘書の松井玲奈です」

正面の一番奥に座っていたのは

「秘書課総取締役の大堀です」

「大堀さんは前社長秘書をされていて
今の社長を子供の頃から知っている方なの」

渡辺さんが小さな声でそう教えてくれた

小さなころからって・・・今何歳なんだろう(汗)

前社長と言う事は優子のお父さんだよね?
そう言えば今どこにいるんだろう
なんで若い優子が社長になったんだろう・・・

陽菜何も知らないじゃん(汗)

「社長から差し入れのケーキをいただきましたので
休憩していただきましょう」

「あ、、これ表参道のケーキ屋さんのだわ」

「あそこの美味しいのよね♪」

「小嶋さんは何飲まれますか」

「私は食べて来たので皆さんで食べて下さい」

「数はあるみたいだから食べれば?」

「お腹いっぱいなので良ければどなたか食べて下さい」

「そう・・・せっかくだからコーヒー淹れるわね」

「ありがとうございます」

みんな端にあるソファーに移動して食べ始めた

いきなり入ってきて社長室に一人だけいる
私の事なんとも思わないのかな・・・

「あのう・・・」

「何かしら」

「秘書は五人だけですか?」

「そうよ、でも私は誰にもついてないから
実質は四人だったんけど今日から小嶋さんを入れて5人ね」

「私もこの部屋に来た方がいいですよね」

「今朝社長からデスクを社長室へ運ぶように電話がかかってきて
わけがわからず用意していると
他の重役の方達が何事かと騒いでいらしたの
社長は10時前位に会社に来られて
皆さんと社長室へ入られて5分
皆さん納得したような顔をして出てこられて
それぞれの部屋へ戻って行かれたわ」

「渡辺さん以外には何の説明もなかったけどね」

「・・・・・(бвб) 」

「私達は私達の仕事をするだけだから
小嶋さんが何処に居ようと何をしようと
関係ないので気にしないで」

そう言いながらも冷たいまなざし・・・

「社長のお父さん、前社長はどうされたんですか?」

「何も知らないで秘書になったの?」

「・・・・・」

だっていきなりだったんだもん
て、言うか好きでここへ来たんじゃないし(怒)
言えないけど・・・

「前社長は今海外にいらっしゃるのよ
そこでお仕事をされてるの」

凄い!会社、海外にもあるんだ(бвб) 

「お兄さんがいらっしゃるって聞いてたんですが
何故女性である大島さんが後継ぎなんですか?」

「後継ぎなのかな・・・」

「え?社長ですよね」

「河西さん(怒)」

「すいません・・・」

「そう言う話は直接社長にお聞きください
私達の口からはお答えできません」

何かありそう・・・でもなんて聞けばいいんだろう(汗)

そばにいて 7

必死に顔と名前を覚えていたら

”ぐぅ”・・・・・

しまった、朝、小さいおにぎりしか食べてないからお腹なっちゃったじゃん
聞こえてないよね(汗)

ゆっくり顔を上げ優子の方を見ると

したを向いて書類に目を通してるけど
肩が小刻みに揺れていた

思いっきり聞こえてるじゃん(汗)

「ん〜んもうすぐもうお昼か
何食べようかなー陽菜は何食べたい?」

わざとらしく伸びをして話しかけてくる優子

「社員食堂ある?」

「それもいいけど今日は奇跡的に暇だから外へ食べに行こうか」

「二人だけだと何か言われない?」

「秘書だから良いんじゃない?」

秘書だから一緒にいくのはおかしいと思うんだけど
カバン持ちならぬスマホ持ちだから良いのかな?

「あっさり系がいいかも」

「じゃ〜和食かな
私の行きつけの店でいい?」

「どこでも良い」

内線で出かけることを何処かへ連絡してる

下へ降りていくと入り口には黒のベンツが止まっていて
運転手がドアを開けて待っていた

「お先にどうぞ」

「社長がどうぞ」

「そうか、そうだね」

笑いながら乗り込み陽菜もその後へ続く

「表参道の店へ」

「かしこまりました」

「それだけで分かるんですか?」

「知り合いのお店なんだ」



車が停車してドアが開く

「どうぞ」

「ありがとうございます」

優子が降りてくると

「また連絡するから」

「かしこまりました」

そう言うと私達がお店に入るまで見送っていた

綺麗な外観でまだ新しそう
和食のお店と言うか料亭?
少し高そうなお店っぽいけど・・・
お昼やってるんだね


「いらっしゃいませ」

「大島様、今日はテーブルのほうがよろしいですか?」

陽菜を見てそういう店員さん

「いや、いつもの場所で」

「どうぞこちらへ」

案内されたのはオープンキッチンのカウンター

「いらっ・・・何だ優子か」

「何だはないだろ、お客様だよ」

「最近忙しかったの?一ヶ月ぶりじゃん」

「ちょっとね」

「それよりその綺麗な女性は誰?」

「ん?恋人の陽菜(-∀-`)」

「しゃ、社長(汗)違います秘書です秘書の小嶋です(汗)」

「表向きだけだけどね」

「裏なんてありません」

「相変わらずだな、今日は何にする」

「あっさり系の定食二つ」

「何だそれ(笑)お刺身定食で良いか」

「陽菜もそれで良い?」

「はい」

優子と呼ぶ板前さん?は
彫刻みたいなはっきりした顔をしてるけど多分女性だよね

「あのう・・・知り合いなんですか?」

「あぁーこいつ、才加とは高校が同じでさ
頭良かったのに料理の世界へ進みたいって言って
大学いか行かずに見習いから修行して
去年やっとここに店を出したんだ」

「いつも一人で来るのに
人を連れてきたのは・・小嶋さんだっけ
君が初めてだよ」

「せっかくの息抜きを邪魔されたくないからね」

「私、来ても良かったんですか?」

「陽菜は良いんだよスマホ持ちだから(笑)
今の時代スマホ無かったら困るだろ」

「自分で持てばいいじゃないですか
今まではそうしてたんだから」

「今までと今日からは違うから」


「お待たせ」


定食と言っても料亭
豪華なお刺身と小鉢3つと汁物とご飯

「いただきます・・・ん・・・新鮮」

「さっきまで泳いでいた魚ばかりだからね」

そういって指さされた方を見ると
大きな水槽があり魚が優雅に泳いでいた

「これも美味しい♪」

「ありがとうございます
素直な感想で嬉しいよ
いい人捕まえたな優子」

「当たり前だろ」

「そう言えば結婚するって言ってなかったっけ」

「あぁーそれならやめたんだ
でもそのおかげで陽菜と出会えたんだけどね」

「なんだか意味深だな・・・」

「ほらオーダー入ってるぞ」

「わかってるよ、また今度聞かせてもらうから
いつでも誘ってくれ」

そう言うとまた忙しく包丁を動かし始めた


メリークリスマス

と言うことで
拍手文のワンワン警察特別編として
クリスマスバージョン載せました

良かったら読んで下さい

ぷーな
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