ユウコ 才加 エピローグ

二人が飛び降りたところを巡回して捜したが
見つかることはなかった

あとで聞いたが手錠の鍵は彼女が持っていたらしい

きっと二人の事だ生き延びて幸せに暮らしているんだろう


ロシアのスパイを一網打尽にし
アメリカを救ったのがユウコだと判明したのは
それから半年後のことだった

優子は一躍有名になりスーパーヒロインとしてもてはやされたが

それも一年ほどで収まり人々の記憶の中から
優子という存在が薄れていった



あれから二年か・・・
どこにいるんだか・・・・
生きてるならハガキの一枚でも送ってこいっていうんだ

あの時逃したと疑われ危なかったんだからな


私はと言うとテロ対策課から刑事課へ移動願いを出し
日夜犯罪を追っている




「待てー」

真昼の発砲事件の犯人を追いかける

相手は銃を持っているから速く捕まえなければ
第二第三の被害者が出てしまう

その時前を歩いていた小学生くらいの姉妹

「危ない!」

そう思った瞬間
背の高い女性が姉妹を守り
小さい方の女性が犯人の腕を取り投げ飛ばし銃を奪った

背の高い女性は子供の頭を撫で
小さい女性は銃をこっちに向け蹴る

帽子を深くかぶっていたが一瞬見えた八重歯とえくぼ

「優子!?」

そう叫ぶと二人は手を取り走って行ってしまった

こんなこと出来る女性は世の中であいつらしか居ない

そっか、日本に居たんだ
それもこんな近くに・・・・

「なんだよ・・・・そっか・・・・」

「警部!彼女たちは?」

「格闘技でもやってるのかもな」

「追いかけますか」

「いや、またいつか会えるだろう
この世に犯罪がなくならない限り」


私達を守ってくれているのだから




fin



http://mblg.tv/puna/entry/2013/?cur=category&val=45
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ユウコ 10

私は指名手配中のスパイ

佐江は日本のテロ対策本部の新鋭

みんなは佐江の言葉を信じ私を捕まえる

「大丈夫ですか、顔がガラスで切れてますね
手当するので座って下さい」

地上に上がり椅子に座り治療をして貰っている佐江


「防弾チョッキを着ていたのか」

「・・・・・・」

私は手錠をかけられ連行される

座る佐江の手に光るものが見えた

こいつのせいで陽菜は・・・・

向こうが動くよりも早く首に手錠の鎖を回し・・・・・



更にボコボコになったけど陽菜の痛みに比べたらどうて事ない


外にはFBIと書かれたヘリが待機していて
才加の姿もあった

もちろんアメリカ人ばかりだから日本語で話していても何も問題ない

「佐江を何故殺した」

「あいつもスパイだった」

「そんな事信じると思ってるのか」

「それは才加次第だろ」

「・・・・・なぜロシアの大統領を殺さなかった」

「私は・・・静かに暮らしたかった
陽菜さえいれば何もいらなかったのに
すべてを捨てても良かった

だから計画を遂行するふりをして
他の計画を止めにいった」

「それが核爆弾か」

「そうだ、大統領が意識を取り戻せば真相は明らかになるだろう」

「生きているが体と頭を相当強く打ち付けられているらしいから
いつ戻るかわからないぞ」

「それでもいつかは・・・」

「それまでにお前が生きていられればの話だがな」

「・・・・・・」

「これだけの騒ぎを起こしたんだ
すぐ処刑されなくても
ロシアからの刺客に狙われるかもな」

「この計画に関わっていた奴らは私が殺した」

「やはり優子だったのか
現場から指紋が出たと連絡が入っていた」

「逃してくれ、二度と目の前には現れないから」

「ダメだと言ったら」

「ヘリを墜落させる」

「そんなに生きたいのか」

「私は・・・陽菜ともう一度会いたい」

「はぁ・・・・女のためか」

「陽菜はただの女じゃない!陽菜が居なかったら
今頃アメリカは核弾頭の餌食になっていたんだからな」

「確かにそうだな、優子の気持ちを変えたのは彼女が居たからか」

「だから逃してくれ」

その時


「優子」

ヘリの音にかき消されてもおかしくないような小さな声
でもこの声を私が聞き逃すはずがない

「陽菜?」

操縦席の隣の人物が後ろにやってきて
ヘルメットとメガネを取る

「なんで・・・」

もちろんジャンパーにはFBIの文字

「君はFBIだったのか」

才加が叫ぶ

「黙っててごめんね
でももう逃げなくていいよ
私が証明してあげるから」

「・・・嘘だったのか、今までの事全部嘘だったのか」

「違う!嘘じゃない
今までも今もこれからもずっと愛してる」

「・・・・・・」

「信じられない・・・よね・・・」

「来て」

手錠がかかった腕を伸ばすとその間にはいってきた陽菜

「このまま私と死んで」

「いいよ、優子となら怖くない」

「何を言ってるんだ(汗)」

「才加最後のお願い、ドアを開けて」

「私には出来ない」

「ここで陽菜を殺してもいいの」

「クッ・・・・」

抱きつく陽菜の耳元で

「愛してるよ」

と呟く

「私も」

ドアが開くと同時に陽菜を抱いたまま海に飛び降りた

ユウコ 9

将校に変装して言われた場所に来ると
将校の格好をした人が待っていた

「よく来たな」

「何をすればいい?」

「何も・・・俺と一緒にいればいいだけさ」

今日は大統領官邸でのパーティがあって
そこに二人で乗り込むだけらしい

カクテルを飲みながら階段横に立っていると

「そろそろだな」

「何がだ?」

「大統領がお出ましだ」

「そう言えばSPが増えたな」

「お前は作戦には入っていないから向こうへいけ」

そう言って投げ飛ばされた

「何をす・・・・」

そいつはどこから出してきたのか爆弾を掲げ
何やら叫ぶと火を付けた

やばい(汗)

とっさに陰に入り伏せると同時に爆発

官邸で起きたテロ事件

大統領はきっと地下の対策室へ行くはず

煙が立ち込めるなか変装を取り服も脱ぎ捨て後を追う

厳重な扉が閉まる前になんとか中へ入り込むことが出来た

しかし武器が何もないし
見張り番があちこちに居る

「仕方ない素手で一人ずつ片付けていくか」

もちろん殺さない、しかし深手は負わせないといけない

徐々に中へ近づき透明のガラス越しに中が見えた

・・・・・・佐江?

さえ以外の人間は倒れていて・・・死んでるのか?

目と目が合う
声が聞こえなくても口で読み取れる

「さえもスパイだったのか」

「そう」

「訓練所には居なかったが」

「佐江は二つ下のクラスにいたからね」


年齢を偽ってたのか


「仲間だろ中で見届けさせてよ」

「・・・・ちょっと待って今開ける」

待っていると佐江の動きが止まった

ん?佐江が見ている画面を見ると

”ロシアの大統領が生きていました”

大々的にニュースで流れていた

ゆっくり目を合わす佐江

「やっぱり裏切ってたんだ」

「違う!あれも作戦の内だ」

「試させてよかったよ」

「まさか・・・マリコを差し向けたのは佐江なのか?」

「彼女を拉致するように言ったのも私だよ」

ニヤリと笑うとパソコンを操作しだす

「何をするんだ」

「爆弾を落とすのさ、そうしたら各国はアメリカに報復してくるだろ
アメリカは終わりさ」

「そんな事させない」

「そんなとこから意気がってても無理だよ(笑)」

奪った銃でガラスを撃っても防弾ガラスになっていて割れない

なんとか中にはいらないと・・・・

壁を撃ち隠されている配線を見つけドアをこじ開ける

「佐江とは戦いたくなかった」

「裏切ったのはユウコだろ」

「私は・・・・」

「あんな女に腑抜けにされやがって
まあ今頃男どもの餌食になってると思うけどね(笑)」

「うるさぁぁい!」

飛びかかり殴り合う

”発射まで50秒”

何度もパソコンに手を伸ばすが阻まれる

”発射まで30秒”

その時特殊部隊が突撃してきた

「動くな!」

二人共動きを止める

”発射まで10秒”

だめだ間に合わない(汗)

動くと同時に銃声がして背中に痛みが走った

それでもなんとかコードを引きちぎりカウントダウンは止まった

ユウコ 8 陽菜

夕食の準備をしながら昼食を食べていると
玄関で物音がした

「優子?どうしたの何か忘れ物?」

その時うさが吠えたから身構えながら振り向くと同時に頭を殴られた

「イッタァー・・・・」

急所は外れたと思うけど生暖かいものが流れてるのが感じられたから
血が出てるんだと思う

「あら、案外反射神経いいんだ
そのせいで怪我したんだけどさ(笑)」

「だれ?」

「誰でもいいでしょあんたには一緒に来てもらう」

「行くわけ無いじゃん」

「ほう、この状況で怖がらず言い返すなんて・・・・
あんた何者?」

「さぁ」

「まあ、私達の足元にも及ばないけどね」

そう言うと男が後ろから三人入ってきた

四人も相手できるわけがない
これ以上けがをするのは賢くないから捕まることにした

「この子を殺さないで」

「私も犬は好きだから殺さないよ」

よかった

「うさ・・・元気でね」

もう逢えないかもしれない


きっと使いみちがなくなったら殺されるから

だから隠れ家に着いてからの事は我慢できたのかな
ううん、何度も舌を噛み死のうと思ったけど

でも、もう一度優子に会いたい
会ってから死のう

その思いだけで生き繋いできた

なのに優子が来た時襲われている最中で
あんな姿を見られたくなかったしその時の
優子の無表情な顔が頭にこびりついて
その後のことはあまり覚えていなかった

男が満足して少し横になっているとまたすぐ呼ばれた

いつもこの部屋に来るのに呼ばれるなんておかしいと思っていると
そこにはマリコと呼ばれているボスの女と優子が居て・・・

私にシャワーをあびるように命じる優子

話の内容から三人でするんだと思った

せっかく会えたのに・・・

涙が次々に出てきて止まらないけど
シャワーを浴びててよかった

ここに来てから初めてのシャワー・・・

出来るだけ綺麗にして最後の陽菜を優子に見てもらいたい
先に優子に抱いてもらって舌を噛み切ろう

そう思っていたのに

シャワーから出るとマリコは横たわっていて・・死んでいた

優子が殺したの?仲間を裏切るの?

武装したと思ったら後ろから離れるなといい部屋を出て
次々に殺していく

そのまま優子の隠れ家へ



こんな所ずっと借りてたんだ・・・全然知らなかった
一緒に暮らしていたのに
この陽菜が何も気づかなかったんだから
凄いスパイなんだと思うだって・・・




朝方まで愛し合い
静かに出ていった優子

陽菜は陽菜の仕事をしなければいけない
出来ればしたくなかったのに・・・
あのまま幸せに暮らしていたかったのに・・・・

でも今はもう少し眠ろう
優子が少しでも遠くへ行けるように

ユウコ 7

「ここは?」

「私はCIAでありロシアとの二重スパイなの」

「うそ」

「騙しててごめん
でも陽菜を愛してからはロシアのスパイをやめるつもりだった」

「じゃーなんで」

「あそこに女ボスがいたでしょ」

「優子が部屋で殺した人?」

「そう、マリコが日本にやってきて私をロシアのスパイだとバラしに来た」

「なんで?そんなことしたら・・・」

「おそらく私の忠誠心を疑って仕事をちゃんとしないと思ったんだろうね
まあ、その通りだったんだけど」

「仕事って何だったの?」

「ロシアの大統領暗殺」

「優子・・・・したの?そんなことしたらロシアから命を狙われるじゃん」

「どうなんだろう、最終的にはロシアのためになることが起こるはずなんだけどさ
それが何かは知らされていないからわからない」

「最後の仕事ってなに?」

「それもわからない、人と会うだけなんだ」

「行かないで」

「だめだよ、行かないと何があるのかわからないし
止められない」

「だってロシアだけじゃなくアメリカにも日本にも狙われてるんだよ」

「私なら大丈夫そういう訓練を受けてきてるから」

「嫌だ!優子を失いたくない」

「私は必ず戻ってくるから・・ね」

「ここで待ってればいいの?」

「ここも危ないと思ういつかは足がつくから」

「じゃーどこで・・・」

「どこに居ても私が探し出すから陽菜の行きたいところへ」

「・・・・最後に抱いて」

首を横に振ると

「大勢の男に抱かれた陽菜は汚い?」

「違うよ、陽菜が嫌でしょ?ずっとそういうことされてたのに」

「優子は違うもん、次いつ会えるかわからないのに
このまま別れるなんてヤダ」

「いいの?」

コクンと頷く陽菜をベットに連れて行く

「終わんないかもしれないよ(笑)」

「優子ならいい」

その夜寝る間も惜しみ今までにないくらい愛し合った

朝、横で眠る陽菜のおでこにキスをし
静かに準備をして部屋を出た

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