スクープ H 8

年始に入っていたイヤイヤ行った応援隊仕事
だってまだ3日だよ、一般の人はお休みだよ

でも少しだけいい事があった

まさかあんなところで会えるなんて
思ってもいなかったから
寝坊せずに行ってよかった

本人は隠れてるつもりみたいだったけど
隠れながら写真を撮れるわけがないじゃん
凄く怪しいから(笑)

一応気づいていないふりをして
終わってからすぐLINEを送った


「今日の仕事終わりだよね」

「何言ってるんや、そんなわけないやん」

「そうだよ、まだ取材が二つと
ジャケット撮りがあるって
昨日のLINEに書いてあったでしょ」


そう言えば長々と書いてたけど
朝一の仕事の所しかちゃんと読んでなかったわ(бвб) 


「取材は二人でいけるよね」

「写真撮りもあるからあかんて」

「むぅ・・・・何時からなの」

「この後早めの昼食食べて1時半から」


早めってまだ11時じゃん・・・・


「場所LINEしといて陽菜トイレ行ってくる」

「トイレ行くだけやのにLINEする必要ないやろ」

「もしかしたら迷って遅くなって
放って行かれるかもしれないでしょ
つべこべ言わずにLINEして」


それだけ言って楽屋を出ようとしたら


「うちも行く」


たかみなが付いてこようとするから


「変態(бвб)」

「な、なんでや(汗)」

「狭いところに押し込んで変な事する気でしょ」

「そんな事せんわ」

「・・・・・・・・・」

「そんな目でみんなや(汗)」

「一人で行ってくるから来ないで(怒)」

「はぁ・・・いい出したら聞かないから諦めよ
1時過ぎには絶対に来てよ、
じゃないと今度から自由にさせないから」

「さすがみーちゃん陽菜のことわかってる♪」


二人は3つ年下だから
多分強く言えないんだと思う
だからいつも最後は二人が折れる形になる


で、マネージャーの目をかすめなんとか出てきたのに
車の中で気持ちよく寝てるからちょっとムカついた

時間無いからマンションへ戻ってる暇はない
という事は・・・・・・・ホテルしかないよね


見つかりにくくて口が固く融通のきくホテルを指定

時間外だけどカードの色とお得意様・・・・
と言うことですぐ鍵をくれた


(1017号室)


先にエレベーターで上がり中で待っていると
チャイムが鳴り確認してからドアを開け中に引き入れる


「部屋番見て声を上げそうになったよ(-∀-`)」

「どうして?」

「だって私の誕生日なんだもん」


そうだったんだ・・・・覚えて・・・・
は無理だから写メ撮っておかなきゃ


「時間がないの」

「そうなんだ・・・・」

「・・・・・・・早く脱いで」

「え、えぇぇぇ(;´-∀-)」


ホテルまで着いてきて驚く意味がわかんない


「それとも脱がされたい?」

「時間無いなら話だけとか・・・(;´-∀-)」

「はぁ?無理だし(怒)」

「まだお昼だよ」

「時間なんて関係ないの!
今そう言う気分なんだからするだけ」

「小嶋さんてそう言うキャラだっけ?」

「これが本当の陽菜なの!
みんなが知ってるのはパブリックイメージの陽菜」


もちろん学生時代はこんな性格じゃ無かった
大島さんが覚えてないくらい地味だったんだから

でもね高校生で芸能界に入って
何もわからず言われるがまましていたら
いつの間にか陽菜の初めては無くなってた
それも初めて顔を見るおじさんに無理やり・・・

その時芸能界なんてやめようと思った
でもメジャーデビューの話が来て
大好きだったアイドルに自分がなって見たくて思いとどまった

それから軌道に乗るまで何人と寝させられただろう
おじさんだけじゃなくおばさんもいたっけ・・・
もちろんあの二人は何も知らない
きっと綺麗なままなんだろうなー

だから強くならなきゃ生きていけなかった

でも売れるって凄いよね
嫌だって言えるようになるんだから
させるならやめるから!てね

それからそういうことはなくなったんだけど
俳優さんや同じアイドルから誘われたりするわけで・・・

ストレス解消を含めて寝たりしていた
もちろん誰でもいいわけじゃなく
陽菜の好みでね(бвб) でも全然満たされなくて
やっぱり陽菜は・・・・


それも最近はご無沙汰
毎日忙しくて寝不足なのにちゃんと眠れない日が続き

クリスマスだってもちろん仕事

特定の相手がいない陽菜は一人で過ごすはずだった

なのに偶然・・・と言うのかな
恐らく張り込んでいた大島さんと出会い
学生時代の淡い恋心が心を揺さぶり家に招き入れ
そして酔った勢いで一線を越えた

あんなに声を出したのも何度も絶頂を迎えたのも初めてで
いつの間にかぐっすり眠っていて・・・・
目覚めた時はムカついただって居ないんだもん

大島さんの事なんて忘れていたのに
火をつけたのは大島さんの方だから責任取ってよね(怒)

年末年始はママと弾丸でハワイにいってたしそれ以外は仕事

連絡を交換したものの時間がなかったけど
年始のお仕事で会えるなんてこれって運命だよね?



スクープ Y 7

結局これといった決め手の証拠写真は取れてなくて

次の日の朝


「使えねえな(怒)これだから女は」


そう吐き捨て部屋を出ていった編集長


「・・・・・くそ」

「一年坊主に撮れたら
俺らのほうが何してたんだよって感じだから
気にすんな」


そう言って慰めてくれてるのは50過ぎのベテランカメラマン


「ここんところ雑誌の売上が減ってて
カリカリしてるから仕方ないよ」


優しい人達ももちろんいる


「誰か一人を狙ったほうがいいぞ」


実はこじはると友達なんですけど・・・
それにそのこじはると寝ました


なーんて言い出せるわけもなく


「そうですね、そうしてみます」


としか言えなかった



それから一週間、年末年始でカメラマンが足りないからと
他の部所へ借り出され

今日は某洋画のお披露目会へ来てるんだけど
その映画の応援隊として
アイドルの三人組がサプライズで登場


「まじかよぉ(;´-∀-)」


大きい人の影に隠れ
なるべく向こうから見えないように写真を撮る


ふぅ・・・・危なかったよ
マスクしてるし気づかれてないよね(-∀-`)


なのにLINEが来て画面を見ると


(この後オフだから裏口近くのトイレで待ってて)


見つかってるじゃん(;´-∀-)
と言うか、裏口へなんて行けるわけ無いでしょ

だから


(そこへ入れないしまだ仕事中だから)


そう返すと


(マネージャーに今日来てた
雑誌社の人に襲われたって訴えるよ)


それって脅迫ですよこじはるさん
アイドルが脅迫していいんですか(;´-∀-)


(西側にあるコインパーキングに車置いてあるから)

(わかったそこへ行くから待ってて)


ねえ、周りに沢山カメラマンがいるんだよ
撮られたらどうするの?
私顔出たらクビだよ?

でもまだスクープカメラマンだとはバレてないってことかな
普通のカメラマンだと思ってくれてるんだったら
こっちもやりやすい

だってカメラを持ち歩いていても変に思われないでしょ?


とりあえず車へ戻り待つこと30分・・・

コンコン・・・・ドンドン!


窓を叩く音にびっくりして目を開けると
帽子にマスクとサングラスの人が覗いていた


「めちゃくちゃ怪しいじゃん(笑)」


鍵を開けると後部座席に乗り込んできて


「寝てるなんてありえないんだけど(怒)」


いきなり怒鳴られた

いや、30分も待たされてたら寝ちゃうでしょ(;´-∀-)

なんて言えず


「ごめん・・・・」


何故かシートに寝そべり外から見えなくして


「早く行って二人とマネージャーを撒いてきたから」


おそらくユニットの二人のことだろう


「いいの?」

「いいから行って」


とりあえず車をスタートさせてから


「マンションへ送ればいい?」

「優ちゃんの部屋」

「それは無理かな、私実家住まいだから」


うそだけど


「じゃーホテルでいい」

「小嶋さん?(;´-∀-)」


ホテルでいいってどう受け取めたらいいんだろうか(;´-∀-)


「ラブホは嫌だからプリンスかロイヤル」

「でも、私今日持ち合わせがなくて(汗)」


何受け入れてるの私(;´-∀-)


「陽菜カード持ってるから気にしないで」


ホテルへ行くということは・・・・

昨日のことが頭を駆け巡る

まさかねぇ・・・・部屋でおしゃべりするとか?
いい大人が昼間っからホテルでそんな事しないか


でもその服装で大丈夫なの?

とりあえず地下駐車場に車を入れる


「先にチェックインして部屋番号教えるから
直接来て」

「わかった」

「このダウン借りてく」

私の上着を羽織り
車から降りて先に上がっていく小嶋さん


よし・・・・・今日こそは何か情報を聞き出して
そいつを狙ってスクープ撮ってやるんだからな!

スクープ H 6

目が冷めたら隣に誰もいなくて
夢だったのかなと思ったけど

何も身に着けず寝ていたんだからそういうことだと思う


「どこの雑誌社だろう・・・」


大島さんは多分週刊誌のカメラマン
それもスクープ担当の・・・

そうじゃ無かったらあんな所に隠れてないし
このマンション周辺をうろうろなんてしないと思う

それに立派なカメラ持ってたし・・・・


実はあの時坂口君に部屋に誘われていた

もちろん別々に帰ってきたのはホント


前々からしつこく誘われていた

でも向こうは人気の俳優さんだし
アイドルで忙しい陽菜となかなか時間が合わず
有耶無耶にしてたんだけど

たまたま昨日は会っちゃって
どうやって逃げようか考えてた所へ
まさかの大島さんが飛び出してきたから
これを逃す手はないと思った


別に寝てあげてもいいんだけど・・・

同じマンションだし後々しつこく誘われたら嫌だから避けてたの

だって男は陽菜の体だけが目当てなんだから

それに比べて大島さんは優しかったなー・・・

あんなに気持ちいいのは初めてだった
終わった後寝ちゃうなんて今まであり得なかったから


にしても、せっかく会えたのに・・・・
次はいつ会えるだろうか


その前にあの動画が出たら
アイドルを辞めなきゃいけないだろうけど
年齢的にしんどくなってきていたから丁度いいのかもしれない
十分すぎるほどアイドルを演じてきたし
お金にも困らないほどは溜まったしね


マネージャーから後10分程で着くとLINEが来たから
30分待っててと送り返しお風呂へ入った


まさか大島さんがまたウロウロしてるなんて思ってもいなくて
すぐ捕まえてLINE交換したよね♪



「おまたせ(бвб)」

「お待たせじゃないわよ、入りの時間に間に合わないじゃないの(怒)」

「二人が先に入ってるならいいじゃん」

「あなた達は三人でひとつなのよ」


陽菜が抜けたらどうなるんだろう・・・
解散かな・・・・


二人はまだ若いからペアでデビューしなおせば大丈夫だよね?


「これから年始にかけてカメラマンがそこら変に張り込んでるから
スキャンダルだけは撮られないように気をつけてよ」

「(бвб)」


もう撮られちゃいました
それも自分からお願いして・・・・とは言えない



「遊びすぎないでよ・・・」


「はーい(бвб)」


陽菜の夜遊びを知っているマネージャー
始めは煩いほど注意されたけど
もう大人なんだしいいじゃん
ダメなんだったらやめる!て
一度言い返したらあまり言わなくなった


アイドルだってハメを外したいし癒やされたい

そう思うのはいけないことなのかな?



スクープ Y 5

朝目が覚めると隣には女神・・・じゃなくて

こじはるがスヤスヤと気持ちよさそうに寝ていた、もちろん裸で

自分のしでかした事の大きさに恐れをなし
私はその場から逃げた



「お前昨日何処へ行ってたんだ」


会社へ戻って編集長に言われた一言目


「ちょっと体調が悪くなって・・・・」

「それならそう連絡しろよ
どこを探してもいないって山崎が怒ってたぞ」

「すみません・・・あのう」

「なんだ」

「配属先を替えて頂きたいんですが」

「何を生意気な事を言ってるんだ
仕事もろくにできないくせに
そういう事はスクープの一つでも撮って来てから言え(怒)」

「・・・・・・・」


日本を揺るがす大スクープ・・・・
アイドルのこじはるが実は女が好きだった・・・

証拠の動画もある

その相手は・・・・私


ダメダメ!全然スクープになんない(;´-∀-)

いや、もしかしたら撮れてないかも?


自分のデスクへ戻り音を消して確認する


鮮明に顔まで映ってる・・・・こんな顔してたんだ
無我夢中で覚えてないや
それにこじはるの豊満な肉体・・・・


「大島!」

「ひゃあっ(;´-∀-)」


山崎さんが出社してきて
いきなり後ろから怒鳴り声を上げてきたから
びっくりしてカメラを投げ出しそうになった


「なんて声出してるんだ、
お前昨日何処にいたんだよ(怒)」

「すみません気分悪くなって帰って寝てました」

「はぁ?連絡くらいしていくのが常識だろ
て言うか帰ったんなら何で同じ服着てんだよ」


しまった、家に帰ってる時間無かったから
同じ服で来たんだった(;´-∀-)


「家に帰るまで持たなくて
近くの友達の家に泊めてもらったので(;´-∀-)」

「一応女んだから着替えて来いよ」


家に帰る暇があるなら24時間張りこんどけ!とか言うくせに
これだから男は嫌なんだよ

・・・・ん?

いや違う、女が好きとかじゃなくて(汗)

てか誰に言い訳してるんだよ私


「何ブツブツ言ってるんだ
それより出てすぐ何人か帰って来てただろ
車からは遠くてわからなかったけど
近くにいたんだから一人くらいは撮れたんだろうな」


「いや、それが・・・・降りてすぐ気持ち悪くなって・・・
食あたりかなアハッ(;´-∀-)」


この動画はまだ出せない、
出すなら編集して私の所を誰だかわからないようにカットしないと


「だったらもう一度行って来い
出入りするやつが絶対にいるはずだ」

「わかりました行ってきます(;´-∀-)」


道路を挟んでカフェがあるんだけど
そこからエントランスも駐車場の入り口も見えないようになっていて
近くに行かないと写真が取れないから
カメラをカバンに隠し
手に持ったリモコンで撮れるようにしておく


誰かが出て来るまで何往復もして通行人を装う事二時間

一人ずつ出て来るけどさすがに一緒には出てこないから
このマンションに住んでるなら当たり前だし
誰が住んでるかわからないからなかなかスクープできないでいた

とりあえず陰に入りとった画像を確認する


「はぁ・・・だめだ・・・」

「何がダメなの?」

「うわぁっ(;´-∀-)」


いつの間に後ろに来てたんだ?


「何も言わずにいなくなるとか最低」

「いや、仕事の時間だったし良く寝てたから(;´-∀-)」

「ふーん・・・ねえアドレス教えてよ」

「私の?」

「他に誰かいる?」

「いいえいません」


酔っていて昨日の出来事は覚えてないのかな・・・

でもこれはチャンスだよね
また会えると言う事は
シャッターチャンスも増えると言う事だし
今度こそ他の芸能人の情報を聞き出さないと(;´-∀-)


LINEアドレスを交換してたら


「あ、車来たから行くね」

「う、うん」


何事もなかったようにバイバイって手を振りながら行ってしまった

やっぱり何もなかったのかも・・・・・

いやいや、ちゃんと動画が残ってるじゃん

とりあえずこれを家のパソコンに落として本体から削除しなきゃ
誰かに見られたら大変だ


いったん家に帰って夜また張り込むと会社に連絡を入れ
自分のアパートへ戻った

スクープ H 4

大島さんは学校のアイドルで

足が速くて一年生なのに陸上部のエース

勉強も出来てそれでいて凄く優しいから
人気者だった


陽菜はその正反対

勉強も運動も出来ない落ちこぼれ
目が凄く悪くて牛乳瓶の底みたいな眼鏡をかけていて
友達も少なかった

でもその頃からアイドルが好きで
同じアイドル好きの友達と雑誌を見ていると


「おいおいブスがアイドルの写真見てるぜ」

「やば、自分にない物を求めてんじゃね(笑)」


男子にからかわれ泣きそうになってたら


「やめなよ、そういうあんたらの方がスゲーださい」

「そうそう、男のくせに女の子を虐めるとか最低」

「いじめてるんじゃなくて本当の事言ってるだけだ(汗)」

「小嶋さんはあんた達なんかよりずっと綺麗な心を持ってるんだよ」

「ちょっと人気があるとおもって良いカッコすんなよな(怒)」

「私達も本当の事を言ってるだけ」


その言葉にほかの子達も加勢して
男子は黙りそれから二度といじられることはなくなった


「ありがとう」


友達はすぐにお礼を言ってたけど
引っ込み思案だった陽菜はお礼も言えなくてずっと俯いてた


それからかな大島さんを目で追うようになったのは
いろんな表情を持っていて見てるだけで楽しかった

だから気づいたんだと思う

見つからないようにカメラを持ってきていて
休み時間とか昼休みに屋上や非常階段へ行き
写真を撮ってたのを

いつかファインダー越しでいいから
陽菜を見てもらいたいと思ってた

でもお父さんの転勤で引っ越す事になり
大島さんとはそれっきりに・・・

新しい土地で
メガネからコンタクトに替え髪も降ろしたらスカウトされて
大好きだったアイドルになった陽菜

あの陽菜が人気者になるなんて誰も予想できなかったよね(笑)

華やかに見えるアイドル
と言うか芸能界の裏をすぐに見ることになって
今日までだましだましやって来た

アイドルが好きだし歌う事も好きだから頑張って来れたんだと思う

でも何か違うなって、全然満たされないなって思ってた


そして


大島さんと出会ってやっとわかった

だから酔ったふりをして誘ったの
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