結局これといった決め手の証拠写真は取れてなくて
次の日の朝
「使えねえな(怒)これだから女は」
そう吐き捨て部屋を出ていった編集長
「・・・・・くそ」
「一年坊主に撮れたら
俺らのほうが何してたんだよって感じだから
気にすんな」
そう言って慰めてくれてるのは50過ぎのベテランカメラマン
「ここんところ雑誌の売上が減ってて
カリカリしてるから仕方ないよ」
優しい人達ももちろんいる
「誰か一人を狙ったほうがいいぞ」
実はこじはると友達なんですけど・・・
それにそのこじはると寝ました
なーんて言い出せるわけもなく
「そうですね、そうしてみます」
としか言えなかった
それから一週間、年末年始でカメラマンが足りないからと
他の部所へ借り出され
今日は某洋画のお披露目会へ来てるんだけど
その映画の応援隊として
アイドルの三人組がサプライズで登場
「まじかよぉ(;´-∀-)」
大きい人の影に隠れ
なるべく向こうから見えないように写真を撮る
ふぅ・・・・危なかったよ
マスクしてるし気づかれてないよね(-∀-`)
なのにLINEが来て画面を見ると
(この後オフだから裏口近くのトイレで待ってて)
見つかってるじゃん(;´-∀-)
と言うか、裏口へなんて行けるわけ無いでしょ
だから
(そこへ入れないしまだ仕事中だから)
そう返すと
(マネージャーに今日来てた
雑誌社の人に襲われたって訴えるよ)
それって脅迫ですよこじはるさん
アイドルが脅迫していいんですか(;´-∀-)
(西側にあるコインパーキングに車置いてあるから)
(わかったそこへ行くから待ってて)
ねえ、周りに沢山カメラマンがいるんだよ
撮られたらどうするの?
私顔出たらクビだよ?
でもまだスクープカメラマンだとはバレてないってことかな
普通のカメラマンだと思ってくれてるんだったら
こっちもやりやすい
だってカメラを持ち歩いていても変に思われないでしょ?
とりあえず車へ戻り待つこと30分・・・
コンコン・・・・ドンドン!
窓を叩く音にびっくりして目を開けると
帽子にマスクとサングラスの人が覗いていた
「めちゃくちゃ怪しいじゃん(笑)」
鍵を開けると後部座席に乗り込んできて
「寝てるなんてありえないんだけど(怒)」
いきなり怒鳴られた
いや、30分も待たされてたら寝ちゃうでしょ(;´-∀-)
なんて言えず
「ごめん・・・・」
何故かシートに寝そべり外から見えなくして
「早く行って二人とマネージャーを撒いてきたから」
おそらくユニットの二人のことだろう
「いいの?」
「いいから行って」
とりあえず車をスタートさせてから
「マンションへ送ればいい?」
「優ちゃんの部屋」
「それは無理かな、私実家住まいだから」
うそだけど
「じゃーホテルでいい」
「小嶋さん?(;´-∀-)」
ホテルでいいってどう受け取めたらいいんだろうか(;´-∀-)
「ラブホは嫌だからプリンスかロイヤル」
「でも、私今日持ち合わせがなくて(汗)」
何受け入れてるの私(;´-∀-)
「陽菜カード持ってるから気にしないで」
ホテルへ行くということは・・・・
昨日のことが頭を駆け巡る
まさかねぇ・・・・部屋でおしゃべりするとか?
いい大人が昼間っからホテルでそんな事しないか
でもその服装で大丈夫なの?
とりあえず地下駐車場に車を入れる
「先にチェックインして部屋番号教えるから
直接来て」
「わかった」
「このダウン借りてく」
私の上着を羽織り
車から降りて先に上がっていく小嶋さん
よし・・・・・今日こそは何か情報を聞き出して
そいつを狙ってスクープ撮ってやるんだからな!