陽菜
朝、玄関を開けるといつもにもまして満面の笑みで
立っていた優子・・・
「おはよう♪」
「んっ」
何時ものように返事をする
歩いているとしつこい位に俺に顔を見せようと覗き込んでくる
きっと、何か言ってほしいんだろうけど言うわけないのに・・・
普段は全く何もしないから唇が潤ってるのがすぐにわかった
可愛い!て思ったけど言わないしそんなそぶりも見せてやらない
すぐ調子に乗るからな優子は・・・(笑)
教室に入って席に着くとすぐ前の席の椅子に座り
話しかけてくる
「ねえ、今日ちょっとだけ違うと思わない?」
しびれを切らせて自分からアピールしてきたな(笑)
仕方ないから
「口に油ついてる(бвб)」
「ちょっ、ひどい(汗)油じゃないよ、グロスだよグ・ロ・ス!
しってる?」
「テカテカ(笑)」
「もう、陽菜最低(怒)みーちゃーん(泣)」
拗ねて峯岸の所へ寄って行くと何やら訴えていて
頭を撫でられてる・・・むぅ、なんかむかつく(怒)
「ニャロおはよう!て、何すねてんの?」
毎朝前田の所へ行ってる麻里子が帰って来た
「あ、篠田君昨日はご馳走様でした(-∀-`) 」
「・・・・一緒だったのか?」
「敦子とクレープ食べに行ったらたまたま会ったんだよ」
「ふーん・・・(бвб)」
峯岸と一緒に近づいてきて
「篠田君こんなに細いのに凄く強いんだよ(-∀-`) 」
「え?どういうこと?」
「あ〜・・・・ニャロ達この前絡まれたんだろ?
そいつらがまたちょっかい出してきてたみたいでさ
たまたま通りかかったから追い払っただけ(*`ω´)」
「何かされたのか?」
「まだされる前だったみたいだけど危なかったよね
峯岸そっちのけでゆっぴーを取り合ってたからさ(*`ω´)」
「・・・・・」
「そうだよ、こんな可愛いみーちゃんをほったらかして
優子にばっかり!私傷ついたんだから」
あいつら今度会ったらボコボコにしてやる(怒)
顔覚えてねえけどな・・・・
「これでわかっただろ、もう子供じゃないんだから
男に喧嘩吹っかけんなよ(怒)」
「わかってるもん・・・」
それでなくても普通より小さいんだから抱きかかえられたら
あっという間に連れていかれっちまうのに・・・
本当にわかってんのかよ!て言いたい(бвб)
「ニャロも心配が絶えないね(*`ω´)」
「・・・・・」
「ゆっぴーて自分の可愛さわかってないとこがいいよね」
みんなに聞こえないように俺の耳元で囁いてくる麻里子
「小っちゃくてチョロチョロしてて小動物みたいでさ
でも目はクリクリキラキラでにかって笑った時に出来る笑窪を
見た日には、俺が守ってやるんだーて篠田でさえ思うよ(*`ω´)」
「・・・・・(бвб)」
「まあ、本人は一人の男しか見えて無いようだから心配ないか(笑)」
一番危ないのは麻里子かもしれない・・・
絶対に二人で買い物には行くなって釘を刺しとかないと(汗)
守るのは俺だけでいいんだよ、そのために強くなったんだから(бвб)
優子
今すごい楽しい(-∀-`)
人間て凄いよね大きい人にだって負けないし
頑張ったら頑張っただけ結果がついてくる♪
リスの時はにゃんにゃんに勝てるのは木登りだけで
かけっこもジャンプも力も全部負けてたから・・・
バスケットは小さくても相手をかわせばシュートだって入るし
足の速さも負けないしボールだって遠くに投げれるし・・・
人間最高!(-∀-`) (´-∀-)
でも・・・
なんでも出来るせいでにゃんにゃんと
一緒に居れる時間が減っちゃってるのが
今最大の悩み(汗)
だから試合を見に来てほしい!てお願いしてるのに
行くのだるいし煩いからやだ!て言われちゃった・・・(涙)
それと、この頃にゃんにゃんが不機嫌で・・・
私が引っ付いて行こうとするとかわされたり
睨まれたりするんだ・・・なんでだろう・・・(シュン)
スポーツをしだしてから先輩や後輩に呼び出されることが多くなった
「好きなんです、付き合ってください!」
「ごめんね、私にゃんにゃんが好きだから」
全員にそう言って断ってるのに
呼び出されるのが後を絶たない・・・?
ある日後輩に
「一度だけでいいのでデートして下さい(涙)」
て、泣きながら言われてどうしたらいいかわかんなくて
にゃんにゃんに聞きに行ったら
凄い不機嫌な顔をして、してあげたらいいじゃん!て、言われた・・・
「一度だけだよ」
て答えるともっと泣きながら
「ありがとうございます」て腕を握られブンブン振られちゃった(汗)
その週の土曜日
駅の有名な犬の銅像の前で待ち合わせ
凄い人だけど私の事見えるかな(汗)
キョロキョロあたりを見渡していると向こうから歩いてきた
「渡辺さんおはよう(-∀-`) 」
「優子先輩おはようございます」
「今日どうする?映画でも行く?」
「動物園に行きたいんですけどダメですか?」
「いいよ!えーとどこがいいかな・・・」
スマホで調べようとしたら
「私のお勧めでもいいですか?」
「いいよ(-∀-`) 案内してくれる?」
「はい!♪行きましょう♪」
そう言って手を握られた
優子
「男が三人もよってか弱い女の子を
いじめてるのはいただけないね〜
あっ・・と言ってもこの二人はか弱くないけどね(笑)」
この声と話し方は・・・・
「はい、携帯返してもらうよ」
「イテッ離せよ(汗)」
「はい、ゆっぴーどうぞ、なにもされなかった?」
「うん」
「優子、みーちゃん大丈夫?」
「あっちゃん(涙)」
「てめーカッコつけてんじゃねえぞ
男一人で俺ら三人に勝てるとでも思ってんのか(怒)」
「ゆっぴーこの人達知ってるの?」
「この前絡まれて陽菜がやっつけた・・・」
「そうなんだ、
ニャロが一人で勝てたんなら篠田も勝てるよ(*`ω´) 」
「大ぼら拭いてんじゃねえぞ」
「二人とも習い事しててさ、ニャロとは悔しいけど互角なんだ
勿論文系じゃないよ(笑)」
「うそ・・・知らなかった(汗)」
「ゆっぴーにはバレない様にしてたからね・・
あっ、ばらした事内緒ね(笑)」
「無視してんじゃねえぞこのやろう!」
「ぐえっ・・・・」
「だから言ったのに〜怪我しないうちに帰りな
あぁーそれともうこの辺来ない方がいいよ
この子の彼氏に今度会ったら怪我じゃすまないかもね(笑)」
「くそー・・・覚えてろ(汗)」
そう吐き捨てて逃げて行った・・・
「まあ、ニャロが顔を覚えてたらの話だけどね(笑)」
「篠田君ありがとう」
「敦子のおかげだよ、敦子がクレープ食べたいって
言わなかったら来てなかったからね(*`ω´) 」
「あっちゃんありがとう(-∀-`) 」
「たまたまだけど良かったよ、
それよりお腹減ったから早く行こう!」
「私達も行くところだったんだ、一緒に行こう!」
「行こう行こう!麻里子五人前よろしく」
「えっ?4人だよ?」
「敦子は二人分(*`ω´) 」
「なるほどー・・・納得(笑)」
篠田君には助けてもらったのに
クレープまで奢ってもらっちゃって助かっちゃった(-∀-`)
その後二人にも付いて来てもらいグロスだけ買った
次の日さっそくグロスを塗り陽菜を待つ
「おはよう(-∀-`) 」
「んっ・・・」
「えへへ(-∀-`) 」
「・・・・?」
「えーと・・・おはよう・・」
「さっきも言った・・・(бвб) 」
何度も陽菜の前に回り込み顔を見せてるのに何も言ってこない・・・
「おまえ」
「え、なに♪」
「歩きにくい」
「ぶぅー・・・」
全然気づいてくれないし・・(怒)
そりゃー何事にも興味を示さない陽菜だけど
恋人の変化ぐらい気づいくれてもいいじゃん・・・
「遅れる」
そう言うといつものんびりなくせにスタスタと歩いていく
お母さんでさえ気づいてくれて
可愛いって言ってくれたから朝からテンション上がってたのに
はあ・・・テンションだだ下がりだよ
陽菜
次の日優陽を学校へ送り出し
ママを交えて三人でティータイム
「ねえママ(бвб) 」
「なに?」
「パパも後2年で定年でしょ」
「そうね、早いわよね」
「あっ君にはまだ言ってないんだけど
ずっと一緒にすまない?」
「老後を見てくれるって言う事?」
「そうなるかな、跡取りはあっ君だけど
嫁と住むより娘と住んだ方が気が楽でしょ(бвб) 」
「そうだけど・・・優子ちゃんはいいの?」
「この話はね優子からしてきたんだよ
ママたちと一緒に住みたいって」
「えっと・・・お母さん達が嫌じゃなかったら
一緒に住みたいなって(´-∀-)」
「嫌なわけないでしょ、パパにも聞いて見ないといけないけど
私は嬉しいわ」
「でもね、優陽も大きくなってくると部屋がいるし
ママ達も段差のない生活がいいと思うの
だから家を建てようと思う(бвб) 」
「建て替えるって事?」
「建て替えてもいいけどここだと少し狭いかな
車も一台じゃ足らないし・・・
別の所に土地を買って建てようと思う(бвб) 」
「お母さん達が長年住んできた場所を
離れるのは抵抗があると思うけど考えてほしい」
「そう、今夜パパと相談してみるわね」
「急いでないからゆっくり考えて」
「わかったわ、一応どの辺で考えてるの?」
「優陽の為にも学校は変わりたくないから
校区内で探す」
「そう、その方がママは嬉しいわ」
「あっ君には陽菜から言うから」
「喧嘩しないでよ」
「大丈夫(笑)」
「ところであなた達今日の予定は?」
「二人とも仕事お休みだけどもう少ししたら出かける」
「夕飯はどうする?」
「帰ってくるからお願い(бвб) 」
「はいはい(笑)リクエストはある?」
「和食なら何でもいい(´-∀-)」
「フフフ、分かったわなるべく早く帰ってらっしゃい
みんなで食べた方が美味しいんだから」
「「うん!」」
一緒に住むと家事はサボれるから楽かもね(笑)(бвб)
優子
何とか言いくるめて狭いお風呂へ三人で入り
今は優陽を真ん中にベッドで川の字に寝ている
ずーと空ちゃん海ちゃん陸君の話
「優陽、他にお友達いないの?」
「いるけど三人と遊んでる時が一番楽しいの♪ 」
「ママとなーなといるときよりも?」
すこし意地悪な質問をしてみると
「えぇー・・・うーん・・・ん〜・・・」
必死に考えている顔もわが子ながら可愛い(-∀-`)
だけどちょっと複雑
だってすぐに、ママとなーなだよ!て返ってくると思ってたから
子供はいつか手を離れていくんだなーて
思わされた瞬間でもあった
「明日学校なんだからもう寝なさい
なーな達今年はずっと日本にいるんだから」
「ほんとに? やったー いっぱいいっぱい遊ぼうね♪ 」
「うん、いっぱい遊ぼう(-∀-`) 」
「わーい楽しみ 何して遊ぼうかなぁー♪ 」
「もう、また興奮して寝なくなったいじゃん(怒)」
「あぅ・・・にゃんにゃんごめん
優陽が寝てくれないとママに怒られるからねよう」
「しかたないなぁー寝てあげるぅー」
「アハッ(´-∀-)なんか陽菜が二人いるみたいだ」
「むぅ・・・陽菜は一人だし」
「そっそうだよね(汗) あっ、なんか眠くなってきちゃった
おやすみ」
優陽の頬にキスをして陽菜を見るとすねた顔
くいくいと手招きをして優陽の目を手で覆い
顔の上でキスをすると満足した顔をして
優陽の頬にキスをする陽菜
「優ちゃん優陽おやすみなさい(бвб)」
「ママ、なーなおやすみなさい」
「おやすみ陽菜、優陽(-∀-`) 」
いつまでも続いてほしい幸せをかみしめながら
久しぶりの三人で眠りについた