記憶喪失? 23

おかしい・・・

LINEしても既読が付かないし
電話をかけると電源が入ってないコール


ゆっぴーがいなくなって遅刻する事が増えたけど
連絡が取れない事は一度も無かった


今日は作戦の二段階目を決行する日なのにどうしたんだろう


そんな事を考えてたら会社の電話が鳴った


「ありがとうございます、株式会社○○でございます
・・・・はい・・・はい・・・小嶋は当社の人間ですが
・・・・・少々お待ちください、
課長警察から電話で
小嶋さんが通勤途中で事故に会ったみたいです」

「代わる、何番だ」

「二番です」

「お電話代わりました、わたくし課長の・・・・・」



「ねえ、陽菜が事故ったってどう言う事?」

「駅の階段から落ちて頭を打ったみたいで
意識がなく病院に運ばれていま検査中だそうです」

「どうして会社に?」

「携帯は壊れてたらしいんですが名刺があったので
連絡してきたみたいですよ」


うそでしょ・・・・意識がないって(汗)


「今から病院へ行ってくるから誰か私の代わりに・・」

「課長!」

「篠田どうした?」

「私が病院へ行ってきてもいいですか」

「そうか・・・確か昔、小嶋の指導員してたな」

「はい」

「急ぎの仕事は無いのか?」

「はい」

「怪我もしていて入院になるそうだから
準備とかも頼んでいいか」

「大丈夫です」


仲間LINEに打ち込み会社を出た


先に病院へ行って様子を見るか

教えられた病院へタクシーで向かう
これは会社の経費で出るから
使っていいよって言われたんだよね(*`ω´) 

携帯を開くと凄いコメント数


(今病院に向かってるから
容体がわかり次第またLINEする)

それだけ打ち込み電源を落とす

だって煩いんだもん



受付で教えてもらった病室へ入ると白衣を着た女性と
看護師が立っていた


「あのう・・・容体はどうですか?」

「あなたは?」

「会社の上司で友達の篠田と申します」

「連絡取れたんですね」

「はい、で大丈夫なんでしょうか?」

「いま検査が終わったばかりなのでなんとも言えませんが
意識はまだ戻っていません・・・」

「怪我は?」

「擦り傷と身体全体の打撲
それに右手首の骨折、きっと咄嗟に手が出たんでしょうね」


頭にも包帯が巻いてある


「頭は?」

「結構激しくぶつけたみたいです」

「まさか頭がい骨骨折(汗)」

「いいえ、少し裂けたみたいで
頭だから出血が多かっただけですよ」


よかった


「ご家族の方に連絡は」

「両親とはそのう・・・(汗)」

「入院承諾書など書いていただかないといけないのですが
成人されているので本人の意識が戻ってからにしましょう」

「意識戻るんですか?」

「詳しい結果待ちですが脳に異常は認められないので」

「でも意識が戻ってないって」

「麻酔が効いているので戻ってないという意味ですが?」


紛らわしいんだよ(怒)


いや、ちょっと待ってこれチャンスじゃない?

篠田良いこと思いついちゃったもんね(*`ω´) ♪


ピッピッピッ・・・・これで良し


「送信!!」


さーてといつ来るかな(*`ω´)

記憶喪失? 22

消息がつかめないまま半年が過ぎた

でも陽菜はまだあのマンションにいる

だって優ちゃんが約束?
通り半分お金を振り込んでくれてるから

蜘蛛の糸じゃないけどそれが途切れたら
優ちゃんとのつながりが全部切れちゃうでしょ?

半年も経つのにまだ優ちゃんを忘れられない陽菜・・・


「そろそろ新しい恋人でも作ったら(*`ω´)」

「まだ切れたわけじゃないし(怒)」

「でもさ、毎月決まった日に入ってるんでしょ?」

「うん・・・・」

「にゃろが引っ越したら止まるのかな?」

「そうだと思う」

「引っ越したってどうやって知るの?」

「・・・・・・(бвб) 」

「引っ越してるかどうかも分からないのに
ずっと振り込んできてるって事は
何処かで見てるか・・・・」

「誰かが連絡を取ってるか・・・か(бвб) 」

「そういう事(*`ω´) 」

「一番怪しいのは佐江ちゃんかな」

「もしくは才加」

「そうかも・・・
だって佐江ちゃんいはゆきりんがいるし
二人だとバレる確率高くなるもんね」

「だーね」


優ちゃんが出て行ってからみんなで集まらなくなったから
全然気づかなかった

そうだよね、仕事を辞めたのに実家にも帰ってなくて
何処かで暮らしてるんだとして
そこの家賃とここの家賃両方払ってたら
いくら働いても全部消えちゃうよね?


才加が一番怪しいじゃん


もしかしたら佐江ちゃんが知らないだけで
まだ会社で働いてるのかもしれない・・・・


「ねえ」

「久しぶりに集合かけちゃう?(*`ω´)」

「お願い」


久しぶりに動いたグループLINE
もちろん優ちゃんは退会していない


麻(にゃろが新しい恋に踏み出したお祝いに
みんな集まるよ)

佐(そっか、こじぱおめでとう)

由(良かったです)

陽(心配かけてごめんね)

敦(どこで集まる?)

麻(ひとり身の才加の部屋がいいんじゃない?)


既読は全員付いてるのに返事がない才加


麻(もしもーし・・・才加どこー)

才(今親が上京してきてるから無理かな)


上京て・・・確か実家千葉だったよね?


麻(いつまでいるの?帰ってからでもいいけど)

佐(来週でもいいよん)

才(・・・・・・・
夫婦喧嘩したみたいで少しの間いるらしいから(汗))

麻(だったら仕方ないねにゃろの部屋でする?)

陽(引っ越しの準備で散らかってるから無理)

佐(え、こじぱ引っ越すの?)

陽(彼の家で一緒に住むことにしたの)

佐(いつ?)

陽(今週末)

由(急ですね(汗))

陽(ここは思い出がありすぎるから)


少しの沈黙


麻(だったら外にしようか)

佐(それが良いかも)

敦(美味しいとこ頼むね麻里子)

麻(敦子が好きな食べ物がたくさんある所にする)

陽(同じ部屋にいるのにLINEでイチャつかないで)

麻(はいはい、では日時と場所は追って連絡しまーす)

全(よろしく)


「ほら、怪しいでしょ(*`ω´) 」

「うん(бвб) 」

「あの間はダメだな才加(∵)」


同じ部屋にいるのは二人じゃなく三人で
陽菜が麻里ちゃんちにお邪魔してる


「才加も嘘付ける人間じゃないからね」

「顔見て話したらもっとヤバいんじゃない?」

「バレバレの様な気がする」

「でもこれで家賃振り込んで来なかったら
90%怪しい」


いつも振り込んでくるのは月末の30日

だからわざとその前の週に引っ越すと書いた

本当は引っ越さないけどね


「でももし見に来たらバレるんじゃない?」

「見つかる可能性があるのに来ないでしょ」

「一日中見張ってるわけにもいかないし」

「そっか、そうだよね」

「三日後にまた仕掛けるから敦子頼むよ」

「任せといて」


こういう事を考えさせたらピカイチの麻里子

もしかしたらもう一度優ちゃんに会えるかもしれない
そう思うだけで何故かやる気が出てきてる陽菜は
やっぱり優ちゃんじゃないとダメなんだと思う

でもその作戦が進む事は無かったんだけどね

記憶喪失? 21

記憶喪失? 20

最後の夜なんだって思うと食欲も出なくて

野菜ジュースだけで夕飯を済ませお風呂に入り
隅々まで綺麗に磨く


もしかして陽菜の裸を見て抱いたら
気持ちが変わるかもしれないでしょ

記憶がなくったって陽菜を好きだったんだから
戻ってるならなおさら・・・・


優ちゃんの好きだったコロンも付けて準備万端で待ってるのに
なかなか連絡が来ない

本当に来るの?


もしかしたら寝ちゃってるのかもだから
待ってる、とだけ送っておいた


「はぁ・・・・」


こんなに待ったことあったっけ?
どちらかというと待たすのは陽菜の方で
待つのは優子だった

いつもこんな気持ちで待ってたんだろうか・・・・
今更だけど申し訳なく思う

もう来ないのかもしれないと思ったとたんに
LINEが来た

(あと10分ほどで着きます)


「十分か・・・・」

身だしなみを整え別に待ってなかったよ
と思わせるように机にお菓子と飲み物を乱雑に置いた

「ふぅ・・・・・」

意味もなく何度も深呼吸をする陽菜は
別れるというのを受け止めかけてるのかもしれない

本当は嫌だけど、記憶の無いふりをしてまで別れたいなら
無理強いは出来ない

大人になったね陽菜


ピンポン!

下のインターフォンが鳴りカギを開ける
少しすると部屋の玄関のインターフォンが鳴り
少し空いてから鍵を開ける

本当はずっとドアの前で待ってたのにね



「いらっしゃい(бвб)」

「こんばんは、遅くなってすみません」

「大丈夫、どうぞ」

「お邪魔します」



よそよそしい挨拶でもうダメなんだって感じた
とても演技だとは思えないから
だから本当にこれが最後・・・・・


「私はお風呂入ってきましたけどどうされますか
直ぐでもいいですけど」



淡々と事務的に話す優子を見ていると自然と出てきた涙


「嫌なら帰りますが」

「嫌じゃない・・・・
でももう少し優しくしてくれてもいいんじゃん
最後なのに・・・(涙)」


陽菜から一瞬だけ目をそらしたけどすぐに目を見て


「ごめんなさい・・・・・わかりました
お風呂に入られますか?」

「もう入った」

「ではベッドへ行きましょう」

「それと最後くらい恋人のフリしてよ(泣)」

「ふりでいいなら・・・・
行こう、陽菜」


恋人のフリとしか言ってないのに
名前で呼ぶんだ

こういう時はにゃんにゃんと呼ばずに
陽菜って言ってたもんね・・・

それに優ちゃんの声で陽菜って言わないでよ(泣)
優ちゃんだけど・・・・
余計に辛くなる(涙)

あとね、中学生がこんなこと言わないよ馬鹿優子


差し出された陽菜より小さな手

それをギュッと握ると一瞬動いた眉

でもハの字にならない眉が
もう陽菜の優ちゃんじゃないんだって物語るから
次は胸が苦しくなった


ベッドの前まで来ると


「自分で脱ぐ?」


そう言う事聞くかな・・・・


「脱がせて(бвб)」


出来うるかぎり色っぽく誘うように囁くと

コクンと頷き服に手をかけてきたから脱がしやすいように
手伝いながら優子の服も脱がせベッドへ

少しの間見つめあいどちらからともなく唇を合わせた

24時間テレビ(こじゆう)

「連絡来た?」

「来たよ」

「出るよね」

「その日撮影が入っててわかんないんだよね」

「えぇ〜・・・・・」

「神セブンが出演で行こうと思っていますって
言われたんだけどほら・・・もう揃わないでしょ」

「あぁ・・・・」

「だから出ない方がいいかなとも思ってる」

「そうだよね・・・・
じゃー陽菜も出ない(бвб) 」

「だめだよ、陽菜は出ないと(;´-∀-)」

「歌覚えなおすの面倒だもん」

「そこ?(笑)」

「それだけじゃないし(怒)
優ちゃん居ないとつまんないの」

「にゃんにゃん(-∀-`) 」

「それに一期生だけ出たら
優ちゃんがなんか言われちゃいそうだし」

「はぁ・・・・もう好き(-∀-`) 」

「陽菜も(бвб) 」

「陽菜も!じゃないでしょ
そこは大事なんだからちゃんと言って!」

「優ちゃんが好き(бвб) 」

「あぁぁぁぁ!!好き好き好き
会いたい会いたい会いたい!」

「だめ〜撮影に迷惑かけたら嫌でしょ」

「陽菜が大人な事を言う」

「大人なんですぅ~」

「体は昔から大人(-∀-`) 」

「変態さんとはもう話しませーん」

「そこが好きなくせに(-∀-`) 」

「バレてた?(бвб) 」

「・・・・・だぁぁぁ!!もこれ以上デレないで(;´-∀-)」

「じゃーもう切るね」

「え、うそうそ、もっとデレて(;´-∀-)」

「ふふふ(бвб) 」

「くそー転がされてる」

「小さいから転がりやすいね」

「煩いやい(怒)」

「撮影終わったら泊まりに来てね」

「・・・・・・・・」

「もしもし?」

「今全力で頷いてた(-∀-`) 」

「見えないんだからわかんないし(笑)」

「だよね・・・・そう言えばどうして電話なの?」

「ん?今外に出てるから」

「そうなの?ごめんもう切るね」

「うん、じゃーねまた、ぁ・・・・・ブチ」

「え?なに最後聞こえなかったんだけど・・・」


最後なんて言ったんだろう

はぁ・・・早く会いたいな


ピンポーン


「はいはい、こんな時間に宅配ですか・・・え、うそ」

「早く開けて」

「なんで・・・・・」

「会いたくなったから来ちゃった(бвб) 」

「いやいや、大人な発言は?」

「なにそれ知らないし(бвб) 」



甘い夜を過ごしたのは言うまでもない



おしまい



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