事故から三日間、目覚めなかった優ちゃん
昨日の夜中に目が覚めたと朝方連絡が入り
すぐに行きたかったけど仕事があるから泣く泣く会社へ行き
定時に会社を飛び出し病院へ駆けつけて
検査の結果を先生から説明を受けショックを受けながら
恐る恐る入った病室


そこには窓から差し込む夕日の光を背にした
陽菜の可愛い天使がいた

「優ちゃん・・・」

「・・・・・」

「私の事覚えてる?」

「え〜と・・ごめんなさいわかりません(汗)」

眉毛をこれでもかっていうくらいハの字に下げ
申し訳なさそうに謝る優ちゃん

「信じられないかもしれないけど
私達付き合ってるの」

「うそ・・・私がお姉さんと!?」


顔を真っ赤にして照れてるように見えるのは夕日のせいかな


「お姉さんじゃないよ、同い年だもん」

「えぇ!!お姉さん中学生なの」


そっか、中学生までの記憶しかないって言ってたっけ


「私も優ちゃんも今年29歳だよ」

「うそ・・・・いつの間に(汗)」


嘘でしょ、高校生活とか大学生活楽しみにしてたのにぃ
クラブバンバンやって優勝したりバイトしてお金溜めて
好きな子と温泉行ったり
いい会社入って海外旅行したりしたかったのにぃー


一人でブツブツ呟いてるけどそれ全部やったし
今もやってるから・・・


「検査も終わったし怪我も擦り傷程度で大事ないから
もう退院していいって言われたんだけどどうする?」

「どうするって、どういうことですか?」

「え〜と・・・私達一緒に暮らしてるんだよね・・・」

「・・・・・・(-∀-`) 」


また見る見る顔が赤くなって手で顔を覆ってしまった


「いやなら実家に電話して迎えに来て貰おうか?」


私達の仲をよく思っていない優ちゃんの両親
だから怪我の事はまだ知らせていなかった

「お姉さん・・・じゃなかった(汗)
あのう・・なんて呼べばいいですか?」

そうだよね覚えてないんだもん呼び方も分かんないか・・


「優ちゃん・・・自分の名前は憶えてるよね」

「はい」

「優ちゃんは私の事を・・・」


どうしよう、甘えてくるときとかはにゃんにゃんだし
カッコつける時は陽菜って呼んでたんだけど
どっちを教えた方がいいのかな

どうしようか悩んでいると


「どうかしましたか?」


首を傾けて覗き込んでくる仕草が可愛くて


「にゃんにゃんて呼んでた」

「にゃん・・・にゃん?」

「話し方とか声が甘ったるいからって」

「なるほど!にゃんにゃんかぁー可愛いですね(-∀-`) 」

「あと、その敬語止めない?同い年だから・・・」

「にゃんにゃんがいいなら・・・
それと一度一緒に住んでる家を見たい(-∀-`) 」

「わかった、一緒に帰ろう(бвб)」


よかった、実家に帰るって言われたらどうしようかと思った
もし記憶が戻らなかったら二度と陽菜のもとへ
帰って来ないかもしれないから・・・

少ない荷物をまとめお金を支払いタクシーでわが家へ


「マンションなんだ(-∀-`) 」


ドアを開けると子供がはしゃぐように中へ入って行き


「凄い広いし綺麗だね」

「二人とも働いていてこの年だし結構もらってるから
少しでも長く一緒に居られるように
お互いの会社から近いここへ
去年引っ越してきたばっかりなんだよ」

「私達ラブラブなんだね(-∀-`) 」

「・・・・・」


でも今日からはどうなんだろう・・・
赤の他人になっちゃうの?


「こっちの部屋は何かなぁー」


ドアと言うドアを開けて中を見る優ちゃんは本当に子供みたい
あ、記憶は中学生止まりだった・・・


「お風呂も広ーい(-∀-`) 」


二人で入るのに広い方がいいってこだわったのは優ちゃんなんだよ


「うわっ、トイレにお花がいっぱいだ」

「造花だけどね」


それは陽菜の趣味
トイレであっても殺風景は嫌だもん


「ここは・・・・ダブルベット・・・・(汗)」

「寝室」

「どっちの?」

「二人の」

「はぅ・・・(汗)」


いちいち赤くなって可愛いけど
あんな事やこんな事してくるのは優ちゃんの方が多いんだからね


(どうしよう私の初めてをこんな綺麗なお姉さんに(-∀-`) )


独り言の声、相変わらず大きい・・・
それに初めてじゃ無いし・・・
二人共男経験済みって言ったら落ち込むかな(笑)

ぎゅるぎゅるぎゅる〜(-∀-`)


「ごめんね、お腹すいたよね今何か作るね」


料理は・・・て言うか家事担当は優ちゃんだった
陽菜は洗濯と、月5回ほど夕飯を作るだけ(優ちゃんが残業の時だけ)


「どうぞ」

「うわぁ〜オムライスだ私、大好物♪」


知ってるよ、だから陽菜の得意料理の一つになったんだから


「ほら溢してる」


食べ方は全然変わらないね


「おぅ・・・ごめんなさい(汗)」

「食べ終わったらお風呂入る?」


意識なくて寝た切りで体は拭いてくれていたけど
お風呂は入ってないもんね


「あ、うん・・・着替えとかあるかな」

「ふふふ一緒に住んでるんだから何でもあるよ
一緒に入ろうか?」

「ブハッ!?」

「ちょっと汚い(汗)」

「きょ、今日は結構です(汗)」


結構始めからグイグイ来てたから
こういう反応は貴重で動画に残しておきたい衝動にかられる


「ご馳走様でした、美味しかった(-∀-`) 」


食べ終わると食器を持って行こうとするから


「一緒に片付けるから置いておいて
着替えも、後から持って行ってあげるから
ゆっくり入って来て」

「ありがとう(-∀-`) 」


そう言ってリビングを出ていった