お前百までわしゃ九十九まで 18

「とうとう二人になっちゃったね」

「うん・・・」


愛し合って結婚したわけじゃなかった
条件付きで将来の為にした結婚だったけど

どんどん好きになっていって
無くてはならない人になっていたんだなーて
亡くなる時に気づかされた


「どうする?」

「どうしようか・・・」


二人だとこの家は大きすぎるし
年寄りには階段の上り下りがキツイし危ない


「二部屋あれば十分だよね」

「そうだね、引っ越す?」

「ここには沢山の思い出が詰まってるけど仕方ないか」

「思い出は陽菜達の中にあるよ」

「アハッいい事言うじゃん(-∀-`) 」



家を売ったお金で中古のマンションを買い
暮らしやすいようにリフォームし

残りは子供達二人に分けてあげた

生活は大丈夫なのかって?

もちろん年金だけでやって行けるわけがなく
他にちゃんとした収入があるわけで・・・

実は私達名義の貯金は子供達に言えないくらいある

機械に強く勘のいい陽菜の才能のおかげだよって
優ちゃんは褒めてくれる


「あぁぁ・・・今日は50円も下がってる(怒)」

「そろそろ売り時じゃないの?」

「今はダメ、絶対にもう一度上がるときが来るから
それまで置いておく」


という会話が毎日飛び交う私達

株をしてる事を才加や佐江は知らないでいた

だって二人の寝室でしていたから(笑)


「もうすぐ金婚式だよね」


もちろん正式にじゃないけど
あの日誓い合ったから
四人の結婚式は三組の結婚記念日でもある


「ねえ船で世界一周しない?」

「あそこのポスターでしょ(笑)」

「そう、優ちゃんも見てたの?」

「行ったところもあるけど
船でゆっくり出来るし、記念日だし
何よりこれ以上年を取ると海外旅行は辛くなるから
今が丁度いいかなって思ってみてたんだ(-∀-`) 」

「思う事は同じだね(бвб) 」

「出発は半年後だし才加の49日も終わってるから
文句も言われないだろうし・・・思い切って決めよう」

「うん、部屋はどのランクにする?」

「スイートにしちゃう?」

「うーん・・・・スイートは広すぎる
どうせいつも引っ付いてるんだし普通でいい
でもバルコニーは欲しいから真ん中あたりにしよう」

「その差額でオプション沢山(-∀-`) 」

「うん、それがいい(бвб) 」


早期割引で全額振り込んだら20%OFFでさらにお金が浮いた
流石にそれは使わないけどね(笑)

それでも結構減っちゃったから行くまでにしっかり稼がなきゃ(笑)




「あ、そうそう私と陽菜来週から4ヶ月ほどいないから
たまには空気入れ替えに来といてね」

「4ヶ月って・・・どこか行くのか?」

「飛鳥に乗って世界一周してくるんだよ(-∀-`)」

「はぁ?俺聞いてないぞお前聞いてたのか」

「私だって聞いてないわよ(汗)」

「そりゃそうだ誰にも言ってなかったんだから
知ってたらびっくりだよねにゃんにゃん(-∀-`)」

「うん(бвб)」


優輝くんが電話してすぐ飛んできた陸


「何考えてるんだよおふくろ」

「え、私達が私達のお金で旅行したら駄目なの?」

「いいけど限度というものがあるだろ」

「限度って何?10万はいいけど100万は駄目なの?」

「お義母さんこの人はそんなに使って
これからの生活に支障をきたさないのかって言いたいんですよ」

「それだったら大丈夫
息子に面倒見てもらおうなんて思ってないから、ねぇ優ちゃん」

「ああ、金銭的な面では絶対に迷惑はかけないから」

「でも船の上でもしものことがあったら
俺達すぐ行けないんだぞ」

「心配してくれてありがとう
でもちゃんとお医者さんも居るし
陽菜達まだまだ元気だからもしもは無いよ」

「あなた良いじゃありませんか
お義母さま達の人生なんですから
好きにさせてあげましょうよ」

「でもだな・・・(汗)」

「いい嫁を貰ったよ(-∀-`)」

「わかった・・・・でも、少しでも体調崩したりしたら連絡してこいよ」

「ありがとう(бвб)」



なんとか事なきを得て出発


「まさかあんなに反対されると思わなかったね」

「それだけ愛されてるってことだよ(-∀-`)」

「優ちゃんたまにはいいこと言う(笑)」

「たまにはってなんだよ(怒)」

「ふふ、二人共愛されててよかったね」

「だーね(-∀-`)」



そしてクルーズは最高の思い出になった

お前百までわしゃ九十九まで 17

死の間際

佐江ちゃんから優子を返すねと言われた時
涙で声が出なくて頷くことしか出来なかった

優ちゃんは喪主を立派に務め
お葬式が終わるまで一切涙を見せなかったのに

久しぶりに二人でベッドに入った時

無言で陽菜に抱きついてきて声を殺して泣くから


思いっきり泣いていいんだよって言うと
息ができなくなるくらい泣く様子に
陽菜まで釣られて泣いてしまい

朝起きた時陽菜たちの顔を見て才加が一瞬驚いた顔をしたから
相当目が腫れてたんだと思う


佐江ちゃんがいなくなってからの優ちゃんは
赤ちゃん返りじゃないけどすごく甘えてくるようになった
いつも陽菜に引っ付いていて
何も言わず傍から離れると
慌てて探し回る姿を見て苦笑いする才加

でもそんな優ちゃんが愛おしいから何も言わず
されるがままで居た

優ちゃんにひ孫が生まれたのはそれから4か月後の春
元気な男の子でそれはそれは可愛かった

陽菜のひ孫が生まれたのは三か月後の夏
可愛い女の子だった


「やっと・・・やっとだねにゃんにゃん(。-∀-)」

「そうだね、これで結婚してくれたら
陽菜と優ちゃんは本当に親戚(бвб) 」

「絶対にさせる!
いいかこの二人は今日から許嫁だからな」

「強制はダメだよ(笑)」

「いいの!私の権限により許嫁に決定!!」


この二人が大きくなって結婚する頃には
多分私達は居ない

だからかな、子供達はだれも文句を言わずに笑ってる

それでも、待ち望んでいた男の子と女の子に
期待をせずにはいられなかった



「ねえにゃんにゃんこいつ先に生まれてしかも男なのに小さくない?」


二歳になったひ孫二人は私達によくなついていたから
自分達が遊びに行きたい時はすぐ預けに来る孫達
まあ、可愛いから良いんだけどね


「血筋かな(笑)うちは才加も陽菜も大きい方だから
みんな大きいもん、ねえ才加」

「う、うん・・・・」

「どうしたの?」

「なんか調子悪いんだよな」

「もう80歳になるのに鍛えすぎなんじゃないの(笑)」

「そうかもな、少し控えたほうがいいのかな・・・」


退職してからトレーニングに目覚めた才加は
毎日ジムに通いだし、陽菜達もそれに巻き込まれていた

そのおかげでこんなに元気なんだけどね(笑)

もちろん陽菜と優ちゃんは毎日は行かないけど
週に三日は通ってヨガや有酸素運動をしてた

でもひ孫が生まれてから
共働きの息子夫婦や孫たちに替わり
保育園の送り迎えや病気になった時の
面倒を見ないといけなくなり
行けない週もあったりして
会費が勿体ないからやめようかって話をしてる所だったから


「家にもトレーニング器具あるんだし
そろそろいいんじゃない
朝とかにランニングすればいいし
浮いたお金はこの子達に使ってあげようよ(бвб) 」

「そうだな・・・体はどこででも鍛えれるしな」

「そうだよ、その方がもっと沢山一緒にいれるよ」

「そ、そうだな(汗)」

「何でてれるぅ(笑)」

「そうだそうだ!勘違いすんなよ〜(´-∀-)」

「してねえわ(汗)」

「アハハハハ爺さんが一番うぶだよな」

「優ちゃんの方がオッサンだもんね(бвб) 」

「そんな優子さんが好きなくせに(-∀-`) 」

「好きだよ(бвб) 」

「・・・・・(-∀-`) 」

「優子も照れてるじゃないか(笑)」

「いくつになってもこの女は・・・くぅ・・・」


本当のことを言ってるだけなのに変な優ちゃん(бвб) 


「お茶入れたけど飲む?」

「ありが・・と・う」


はいって渡すと

「あっ・・」


持ちそこなったのか床へ全部こぼれてしまった

「ごめん(汗)」

「ううん陽菜こそちゃんと持ってないのに離してごめんね
かからなかった?」

「う、うん・・・」


タオルを持っていき床を拭いていたら


「ごめん今日は・・・もう・・寝る」

「大丈夫?病院行く」

「寝れば・・・大丈・夫だろ」


そう言ってリビングから出て行った才加


「大丈夫かな、才加があんな事するの珍しいし心配(;´-∀-)」

「寝る前に様子見に行ってみる」

「その方がいいかも」


陽菜より仲がいいんじゃないかってくらい才加とは気が合うのに
決して陽菜と才加の寝室へは入らない優ちゃん

陽菜だって同じで佐江ちゃんとの寝室へは入らなかった
佐江ちゃんが最後息を引き取る日までは・・

それは暗黙の了解というか・・・
そこでの二人を想像したくないからかな


ガタン・・・


「今物音しなかった?」

「上からしたよね才加の部屋かな」

「様子見てくる(汗)」


階段から落ちないように急いで上がりドアを開けると
頭を押さえ苦しそうにもがいてる才加


「才加(汗)」

「頭が・・・」

「優ちゃん・・・優ちゃん来て(汗)」

「どうしたの・・て才加大丈夫(汗)」

「頭が痛いって言うのどうしよう(汗)」

「救急車・・・私が救急車を呼ぶから
陽菜は杏奈と李奈に電話してあの子達を迎えに来て貰って」

「わかった」


救急車がなかなか来なくて
その間も苦しそうに唸り顔がドンドン青白くなっていくのを見ていて


「才加死なないでよ」

「はる・・な・・・くっ・・・
いままで・・ありがとう」

「やめてよまだ死なないからぁ(涙)」

「うぅぅ・・・痛い・・・あぁっ・・」


救急車よりも孫たちの方が早く着き


「私達が病院へ連れて行こうか?」

「その間に死んじゃったらダメだから救急車をまとう
救急車の中の方が安心だし」

「そうだよね」


息子達と同時に救急車も来て
久しぶりに家が人であふれかえっていた

救急車には陽菜と優ちゃんが乗り込み
みんなは病院が決まり次第付いてくる準備は出来ているのに


「おそらく脳梗塞ですね」

「何とかしてください」


中々受け入れの病院が決まらなくて
どんどん弱って行く才加


「才加、ヤダ頑張ってよ」

「まだやりたい事あるんだろ死ぬなよ(。-∀-)」

「優子・・・陽菜をたのむ」

「ヤダヤダ、三人で暮らしていくの!」

「陽菜・・幸せだったよ・・・ありがと・・・」

「さやかぁ(泣)」


『K病院へ行きます』


酸素マスクをつけられ心臓マッサージをしながら
病院へ


でも才加が目を開ける事は二度と無かった






お前百までわしゃ九十九まで 16

優子



検査の結果はやっぱりガン、それも末期
一番見つかりにくく治療しにくいすい臓がんだった


「俺、手術はしない」

「どうしてそんな事言うの(怒)」

「どうせ治らないんだったら最後まで優子と一緒に居たい
自宅療養・・・ダメかな・・・」

「でも私は一日でも長く生きて欲しい(。-∀-)」

「優子がそんな事を言ってくれるなんて
思っても見なかったから嬉しいよ」

「バカ、こんなに愛情表現してるのに気づけよ(怒)」

「そうだよな・・・だから一緒に居たいんだ
才加や陽菜ちゃんとも一緒にいたい
俺の生きてきた証だから」

「うぅぅ・・・わかった・・・(。-∀-)」


自宅でホスピスをすることになったんだけど
痛みを和らげる注射や薬のおかげで
本当は病気じゃなかったんじゃないかって思えるほど元気で
今までと同じように暮らしていた

あ、一つだけ変わったことがある

それは夜、佐江と寝るようになったこと

若い頃はつい朝方まで寝ちゃうことはあっても
必ず私と陽菜のベッドに戻り
朝一番におはようというのは陽菜だったけど

自宅療養しだしてからはいつ体調が変わるかわからないし
すぐ対処できるように陽菜と話し合い佐江と寝るようになった

佐江は大丈夫だよって言ってくれたし
才加も俺が寝ようかって言ってくれたけど
夫婦なのは私だから


そんなある日陽菜の孫の一人が結婚すると報告しに来た


「まだ早いんじゃないの?」

「相手の人は4つ歳上なの」

「そうか・・・・杏奈が幸せなら陽菜は嬉しいから」

「にゃんにゃんもきっと好きになるよあの人のこと」

「今度連れておいで、私達が面接してあげるから(-∀-`)」

「え〜やめてよ、優ちゃんたちにかかったら
人間の奥深くまで見透かされそうで怖いもん」

「一生を添い遂げるんだから
変な人だったら根性叩き直してあげる(-∀-`)」

「お手柔らかにお願いします・・・・(汗)」


それから二ヶ月も経たないうちに今度は
うちの孫がやってきて


「ママたちにはまだ言ってないんだけど
出来ちゃったみたいなの(汗)」

「なんだって!」

「優子落ち着け(汗)」

「でかした!さすがりっちゃん私の孫だ(-∀-`)」

「・・・・・・でかした?」

「だってやっと陽菜に勝てるんだよ
こんなに嬉しいことはない♪」

「もう、子供の誕生は勝ち負けじゃないんだから(怒)」

「なんでも先がいいの!」

「あのう・・・・おばあちゃん?」

「ん?今なんか言った」

「な、何も言ってない(汗)
優ちゃんからママに言ってくれる?」

「まかせなさい!」


「いいのか李奈はまだ学生なんだぞ」

「相手は誰?」

「同じサークルの4年の先輩で
卒業したら結婚しようって言ってくれてる」

「そいつをここへ連れておいで」

「実は一緒に行くって言われたんだけど
とりあえず李奈が一人で行ってくるって言って
外でまたしてあるの」

「へぇーなかなか見どころがあるじゃないの
呼んでおいで」


入ってきたのは


「佐江・・・・」

「何だ?」

「違う!出会った頃の佐江に似てる」

「そうかな、俺はもっと王子様だったぞ」

「アハッ、チャラチャラしてたからね」

「仕方ないだろまだ高校生だったんだから」

「あのう・・・・この度は本当に申し訳ありません」


そう言いながら私達の前に土下座するから


「いい!李奈を泣かせたら四人で呪って出てやるから」

「一生懸命働いて絶対に幸せにします(汗)」

「優ちゃんあまりいじめないであげて(汗)」

「いい子じゃん」

「そうでしょ♪」

「ひ孫を見るまで死ねないね(-∀-`)」

「そうだな」


俺が一番に抱くからなって言ってたくせに
半年後佐江は旅立っていった

才加に向こうで待ってるから早く来てくれよと言い

陽菜には優子を返すねと

そして私には一言


ありがとう


と言い残し静かに眠るように息を引き取った

お前百までわしゃ九十九まで 15

同級生の私達は同じ年に還暦を迎える
一人一人の誕生日の度にお祝いするのは大変だから
陽菜と優ちゃんの間にあたる才加の誕生日に
子供達が集まってお祝いしてくれた


「父さん母さん還暦おめでとう」

「ありがとう」

「それにしても若いよな
60歳になんて見えないぞ」

「当たり前でしょ、気持ちはいつも15歳(-∀-`) 」

「俺達より若いじゃんか、て言うかそれは詐欺だよ詐欺(笑)」


「ふふふふ、確かに小さいから遠くから見たら見えるかも(бвб)」

「ちょっとそれ酷い、ほらしっかり見て
こんな近くても若く見えるでしょ」


そう言って陽菜の膝の上に乗り顔を近づけてくる優ちゃん


「お母さん達は相変わらずなんだな(笑)」

「当たり前、これが若くいれる秘訣だから(-∀-`) 」

「それに比べてオヤジ達は老けたよな爺さんだ(笑)」

「・・・・・むさ苦しい男どもは帰れ!
金輪際この家には女しか入ったらダメー(怒)」


老けたと言われて不貞腐れる佐江ちゃん


「お義父さん達もお若いですよ
お義父さんもお義母さんもいつもお元気で
私達も見習わなきゃねって話してるんですから」

「くぅ・・・なんていい嫁なんだ
お前には勿体ない」

「まーま、お腹すいた」

「お腹すいたよね、ご飯にしようか」

「うん♪」


孫も二人ずつでき
初孫は・・・・・なんと同じ日に生まれた

でも、今度も陽菜の孫の方が午前中に生まれ
優ちゃんの孫は夜の11時過ぎに生まれたから

また負けたじゃんかよー(。-∀-)て悔しがってた

優ちゃんが産んだわけじゃないのにね(笑)

でも四人共女の子で・・・・


「私達ってそう言う縁は無いのかな・・・・・」


なーんて悲しそうにつぶやく優ちゃんに
いつかは繋がるよって言うと

にゃんにゃんは気が長いねって笑われた


沢山働いてくれた二人
定年退職を迎え5年間は業務委託で働いていた二人も
今は家でのんびり・・・とはいかず
趣味を満喫している

年に一度の海外旅行と国内旅行を四人でするのが今の楽しみ

夏休みや冬休みは孫たちだけで泊まりに来るから
四人を連れ八人で遊園地や動物園
映画を見に行ったりもしたけど

孫達も大きくなり
だんだん来る回数が減り全員が揃うのは
盆と正月だけになってしまっていた

それでもそれぞれひょこっと現れては
1時間ほど話して帰って行く
たぶん陽菜たちの安否確認(笑)

自分達はまだまだ元気だと思っていても
あの子達から見れば
立派なおじいちゃんとおばあちゃんなんだろうなと思う


そして


「え?佐江ちゃんが・・・・うそ・・」

「最近調子悪そうにしてたから
病院へ行けって言ってたのに全然行かなくて
しびれを切らして引きずって連れて行ったら
検査入院することになったんだけどたぶん末期だって言われた(泣)」

「本人には?」

「私たちね約束してたの
何があっても嘘はつかないでいようねって
だから一緒に聞いた・・・」

「そう・・・・辛かったね」

「っうん・・・佐江が死んじゃう(泣)」


声を出して泣く優子をしっかり抱きしめ
背中を撫でてあげる事しか出来なくて・・・

一緒に聞いてた才加は声を殺して泣いていた

お前百までわしゃ九十九まで 14

「また4人の生活に戻っちゃったね(бвб) 」

「そうだね・・・・でもちゃんと生活していけるのか心配」

「こんなに早く結婚して出ていくとは思ってもなかった」

「ほんとそれ、それもひと月違いで結婚式するなんてびっくり」

「会社の人はいいけど学生時代の友達が可愛そう(笑)」

「一ヶ月も経たないうちにお祝い二回も出さなきゃいけないからね(笑)」

「陽菜達みたいに合同ですればよかったのに」

「それはムリでしょ(;´-∀-)」

「そうかな(бвб)」


「でもさいつか私達がおばあちゃんになる日が来るのかな」

「来るでしょ、来て貰わないと困る
だって孫同士に結婚してもらって
優ちゃんと親戚になりたいもん」

「そうだよね・・・ねぇ、神社にお参りに行こうか」

「神頼み?」

「もうそれしかないでしょ(笑)」


アハッて笑う優ちゃんの頬に出来た笑窪を撫でながら


「歳とっても笑窪はなくならないんだね」

「無くなったら困るよ、私のトレードマーク(笑)」

「陽菜には何もなくなっちゃった・・・・」

「何言ってるの?こんなに綺麗で可愛い人が
もうすぐ還暦を迎えようとしてるなんて誰も思わないよ」

「ちょっとまだ5年あるし(怒)
それにそう見えるのは優ちゃんの欲目(笑)」

「そんな事無い!にゃんにゃんはいつまでたっても
私の最愛の人なんだから私が綺麗と言ったら綺麗なの!」

「ふふふ、ありがと
優ちゃんもずっと可愛いままだよ(бвб) 」

「でしょ〜私もそう思う〜(-∀-`) 」

「なにそれ〜(笑)」


陽菜達は全然変わらない
ずっとあの時の・・学生の時のままだ

だからずっとずっと優ちゃんに恋をしていて
飽きられないように綺麗でいようと努力してるんだから(бвб) 




「お帰りなさい(бвб) 」

「あれ?今日は陽菜だけ?」

「うん、優ちゃんと佐江ちゃんは優輝君に呼び出されて家に行った」

「そうなの?俺聞いてないぞ」

「昨日の夜電話かかって来ていて
佐江ちゃんが今日早い日だからって外で待ち合わせて行ったよ」

「そっか・・・・・なんか二人だけって久しぶりだから照れるな(汗)」

「そう言えばいつぶりだろう・・・
ずっと誰かは居たもんね・・・もしかしたら無いんじゃない?」

「そうかもな・・・誰か居るのが当たり前だったから
いないとなんか寂しいよ」

「だよね・・・・あ、すぐご飯にするから着替えてきて」

「おう」


こうやって夫婦?水入らずなんて初めてかも


「うん、美味い♪」

「今日はね陽菜一人で作ったの」

「そうか・・・・うん・・・・メチャクチャ美味しいよ」

「ふふ、ありがとう(бвб)」


もし優ちゃんと出会ってなかったら
才加だけを愛する人生だったんだろうか・・・・


初めて抱かれた時は嫌悪感しかなかった

でも才加の誠実さと優しさに触れていくうちに
本当に愛おしくなっていって・・・

優ちゃんとは違う愛情が芽生えたから
今もずっと一緒に居れるんだと思う

そこに優ちゃんが居なかったらどうなってた?


そんなことを考えても答えなんて出ない

だって優ちゃんは陽菜の隣りにいて
ずっと一緒に生きているんだから


でも


「才加ありがとう」

「な、なんだよ改まって(汗)
もしかして・・・・・・・
今更別れるとか言わないでくれよ(汗)」

「そんな事言わないよ(笑)
感謝してもしきれないくらいなのに別れたいわけないでしょ
そうだ、何かして欲しいこととか欲しいものとかあったら言ってね」

「そんなもの無いよ
おれは十分なくらい陽菜から幸せを貰ってるからさ」

「・・・・・・・・・(涙)」

「お、おい泣かないでくれよ(汗)」


カチャッ


「にゃんにゃん聞いてー・・・・てお前何泣かせてんだよ(怒)」


「いや俺は(汗)」


優ちゃんが走って来て才加の胸ぐらを掴んだのを
佐江ちゃんが必死に止めてる


「優子落ち着け(汗)」

「違うの優ちゃん・・・・・幸せ過ぎて泣いてるだけだから」

「本当に?」

「うん・・・・それよりなにかいいことあったの?」

「あ、そうそう息子の時は才加に負けたけど
孫は私の所が先みたい(-∀-`)」


何事も無かったかのように腕を離し
陽菜に話しかけてくる優ちゃん


「それはまだわかんないよ(бвб)」

「どうして?」

「陸から子供出来たってLINEきてたから」

「え?俺聞いてない(汗)」

「あぁぁ・・・・ごめんね、言うの忘れてた(бвб)
だって御飯作ってるときに来たんだもん
忘れるよね」

「そんなぁ〜」

「アハハハにゃんにゃんらしくて好き(-∀-`)」

「エヘ(бвб)」

「おいよいよいじゃー俺達また同じ時期に
今度はおじいちゃんとおばあちゃんになるのか(汗)」

「そういう事だね(бвб)」


絶対におばあちゃんて呼ばせないぞ!
て張り切る優ちゃんを愛おしく見ていたら


「やっぱり勝てないか」

「え?なに(бвб)」

「なんでもない」


そう言って少し悲しそうに微笑む才加の肩を
佐江ちゃんがポンポンと叩いていた
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