「とうとう二人になっちゃったね」
「うん・・・」
愛し合って結婚したわけじゃなかった
条件付きで将来の為にした結婚だったけど
どんどん好きになっていって
無くてはならない人になっていたんだなーて
亡くなる時に気づかされた
「どうする?」
「どうしようか・・・」
二人だとこの家は大きすぎるし
年寄りには階段の上り下りがキツイし危ない
「二部屋あれば十分だよね」
「そうだね、引っ越す?」
「ここには沢山の思い出が詰まってるけど仕方ないか」
「思い出は陽菜達の中にあるよ」
「アハッいい事言うじゃん(-∀-`) 」
家を売ったお金で中古のマンションを買い
暮らしやすいようにリフォームし
残りは子供達二人に分けてあげた
生活は大丈夫なのかって?
もちろん年金だけでやって行けるわけがなく
他にちゃんとした収入があるわけで・・・
実は私達名義の貯金は子供達に言えないくらいある
機械に強く勘のいい陽菜の才能のおかげだよって
優ちゃんは褒めてくれる
「あぁぁ・・・今日は50円も下がってる(怒)」
「そろそろ売り時じゃないの?」
「今はダメ、絶対にもう一度上がるときが来るから
それまで置いておく」
という会話が毎日飛び交う私達
株をしてる事を才加や佐江は知らないでいた
だって二人の寝室でしていたから(笑)
「もうすぐ金婚式だよね」
もちろん正式にじゃないけど
あの日誓い合ったから
四人の結婚式は三組の結婚記念日でもある
「ねえ船で世界一周しない?」
「あそこのポスターでしょ(笑)」
「そう、優ちゃんも見てたの?」
「行ったところもあるけど
船でゆっくり出来るし、記念日だし
何よりこれ以上年を取ると海外旅行は辛くなるから
今が丁度いいかなって思ってみてたんだ(-∀-`) 」
「思う事は同じだね(бвб) 」
「出発は半年後だし才加の49日も終わってるから
文句も言われないだろうし・・・思い切って決めよう」
「うん、部屋はどのランクにする?」
「スイートにしちゃう?」
「うーん・・・・スイートは広すぎる
どうせいつも引っ付いてるんだし普通でいい
でもバルコニーは欲しいから真ん中あたりにしよう」
「その差額でオプション沢山(-∀-`) 」
「うん、それがいい(бвб) 」
早期割引で全額振り込んだら20%OFFでさらにお金が浮いた
流石にそれは使わないけどね(笑)
それでも結構減っちゃったから行くまでにしっかり稼がなきゃ(笑)
「あ、そうそう私と陽菜来週から4ヶ月ほどいないから
たまには空気入れ替えに来といてね」
「4ヶ月って・・・どこか行くのか?」
「飛鳥に乗って世界一周してくるんだよ(-∀-`)」
「はぁ?俺聞いてないぞお前聞いてたのか」
「私だって聞いてないわよ(汗)」
「そりゃそうだ誰にも言ってなかったんだから
知ってたらびっくりだよねにゃんにゃん(-∀-`)」
「うん(бвб)」
優輝くんが電話してすぐ飛んできた陸
「何考えてるんだよおふくろ」
「え、私達が私達のお金で旅行したら駄目なの?」
「いいけど限度というものがあるだろ」
「限度って何?10万はいいけど100万は駄目なの?」
「お義母さんこの人はそんなに使って
これからの生活に支障をきたさないのかって言いたいんですよ」
「それだったら大丈夫
息子に面倒見てもらおうなんて思ってないから、ねぇ優ちゃん」
「ああ、金銭的な面では絶対に迷惑はかけないから」
「でも船の上でもしものことがあったら
俺達すぐ行けないんだぞ」
「心配してくれてありがとう
でもちゃんとお医者さんも居るし
陽菜達まだまだ元気だからもしもは無いよ」
「あなた良いじゃありませんか
お義母さま達の人生なんですから
好きにさせてあげましょうよ」
「でもだな・・・(汗)」
「いい嫁を貰ったよ(-∀-`)」
「わかった・・・・でも、少しでも体調崩したりしたら連絡してこいよ」
「ありがとう(бвб)」
なんとか事なきを得て出発
「まさかあんなに反対されると思わなかったね」
「それだけ愛されてるってことだよ(-∀-`)」
「優ちゃんたまにはいいこと言う(笑)」
「たまにはってなんだよ(怒)」
「ふふ、二人共愛されててよかったね」
「だーね(-∀-`)」
そしてクルーズは最高の思い出になった