優子
検査の結果はやっぱりガン、それも末期
一番見つかりにくく治療しにくいすい臓がんだった
「俺、手術はしない」
「どうしてそんな事言うの(怒)」
「どうせ治らないんだったら最後まで優子と一緒に居たい
自宅療養・・・ダメかな・・・」
「でも私は一日でも長く生きて欲しい(。-∀-)」
「優子がそんな事を言ってくれるなんて
思っても見なかったから嬉しいよ」
「バカ、こんなに愛情表現してるのに気づけよ(怒)」
「そうだよな・・・だから一緒に居たいんだ
才加や陽菜ちゃんとも一緒にいたい
俺の生きてきた証だから」
「うぅぅ・・・わかった・・・(。-∀-)」
自宅でホスピスをすることになったんだけど
痛みを和らげる注射や薬のおかげで
本当は病気じゃなかったんじゃないかって思えるほど元気で
今までと同じように暮らしていた
あ、一つだけ変わったことがある
それは夜、佐江と寝るようになったこと
若い頃はつい朝方まで寝ちゃうことはあっても
必ず私と陽菜のベッドに戻り
朝一番におはようというのは陽菜だったけど
自宅療養しだしてからはいつ体調が変わるかわからないし
すぐ対処できるように陽菜と話し合い佐江と寝るようになった
佐江は大丈夫だよって言ってくれたし
才加も俺が寝ようかって言ってくれたけど
夫婦なのは私だから
そんなある日陽菜の孫の一人が結婚すると報告しに来た
「まだ早いんじゃないの?」
「相手の人は4つ歳上なの」
「そうか・・・・杏奈が幸せなら陽菜は嬉しいから」
「にゃんにゃんもきっと好きになるよあの人のこと」
「今度連れておいで、私達が面接してあげるから(-∀-`)」
「え〜やめてよ、優ちゃんたちにかかったら
人間の奥深くまで見透かされそうで怖いもん」
「一生を添い遂げるんだから
変な人だったら根性叩き直してあげる(-∀-`)」
「お手柔らかにお願いします・・・・(汗)」
それから二ヶ月も経たないうちに今度は
うちの孫がやってきて
「ママたちにはまだ言ってないんだけど
出来ちゃったみたいなの(汗)」
「なんだって!」
「優子落ち着け(汗)」
「でかした!さすがりっちゃん私の孫だ(-∀-`)」
「・・・・・・でかした?」
「だってやっと陽菜に勝てるんだよ
こんなに嬉しいことはない♪」
「もう、子供の誕生は勝ち負けじゃないんだから(怒)」
「なんでも先がいいの!」
「あのう・・・・おばあちゃん?」
「ん?今なんか言った」
「な、何も言ってない(汗)
優ちゃんからママに言ってくれる?」
「まかせなさい!」
「いいのか李奈はまだ学生なんだぞ」
「相手は誰?」
「同じサークルの4年の先輩で
卒業したら結婚しようって言ってくれてる」
「そいつをここへ連れておいで」
「実は一緒に行くって言われたんだけど
とりあえず李奈が一人で行ってくるって言って
外でまたしてあるの」
「へぇーなかなか見どころがあるじゃないの
呼んでおいで」
入ってきたのは
「佐江・・・・」
「何だ?」
「違う!出会った頃の佐江に似てる」
「そうかな、俺はもっと王子様だったぞ」
「アハッ、チャラチャラしてたからね」
「仕方ないだろまだ高校生だったんだから」
「あのう・・・・この度は本当に申し訳ありません」
そう言いながら私達の前に土下座するから
「いい!李奈を泣かせたら四人で呪って出てやるから」
「一生懸命働いて絶対に幸せにします(汗)」
「優ちゃんあまりいじめないであげて(汗)」
「いい子じゃん」
「そうでしょ♪」
「ひ孫を見るまで死ねないね(-∀-`)」
「そうだな」
俺が一番に抱くからなって言ってたくせに
半年後佐江は旅立っていった
才加に向こうで待ってるから早く来てくれよと言い
陽菜には優子を返すねと
そして私には一言
ありがとう
と言い残し静かに眠るように息を引き取った