「あのう・・・・小嶋さんは大丈夫ですか?」

「あなたは?」

「三組の秋元です」

「彼女の恋人かしら」

「あ、はい(汗)」


いつの間にか寝てしまってたみたいで
話し声で目が冷めた


「喧嘩でもしたの?」

「いえ、自分とはそんな事してません」

「彼女泣いてたみたいよ今は眠ってるけど」

「・・・・・そうですか・・・・」

「秋元くん・・・」

「あ、小嶋さん(汗)大丈夫?」

「うん、授業終ったの?」

「ホームルームも終わって教室へ行ったら居なくて
佐江に聞いて来たんだ」


佐江って優ちゃんが言ってた佐江?


「宮澤君と友達なの?」

「ああ、心友なんだ」

「そう・・・・・クラブは?」

「行くけど小嶋さんが心配だったから・・・
あ、カバン持ってきたから」

「ありがとう」

「あなた達カーテン越しに話さず開けたら(笑)」

「いえ、俺もう行くんで・・・
ここにカバンおいておくから」

「うん」

「それと、大島教室に戻ってこなくて
ここに居るのかと思ってカバン持ってきたんだけど
居ないようだから教室に戻しておくな」


優ちゃんあれから戻らなかったの?


「秋元君はクラブへ行って
陽菜が戻しておくから」

「そうね、早く行ったほうがいいわよ
空手部時間に厳しいんでしょ」

「じゃーお願いしようかな、無理するなよ」

「うん、クラブ頑張ってね」

「ああ」


すぐにドアの閉まる音がして出ていったのを確認して
カーテンを開けて出ていくと


「大丈夫?」

「はい・・・・・」

「悩みがあるなら相談にのるわよ」

「いえ・・・・さようなら」


カバンを2つ持ち保健室を出て探そうと思ったけど
優ちゃんがどこに居るのか見当もつかない


「どうしよう・・・」


もしかしたらそのままクラブへ行くかもだよね

で、部室ってどこ?


陽菜とは全く縁のない運動クラブの部室が
どこにあるのかなんて知るわけがない


キョロキョロしながら歩いていたら
項垂れながらトボトボ歩いてくる小さい子発見


「優ちゃん!」


陽菜の声に驚き顔を上げて目が合った瞬間
逆を向いて走り出そうとするから


「行ったら絶交する!」


こんなに大きな声を出したのはいつぶりだろう


その言葉に足を止め手を握りしめ下を見つめてる優ちゃんに近づき


「はい、カバン」

「・・・・・・ありがとう・・・」


陽菜を見ずにカバンを受け取りお礼を言うから


ちゃんと顔を見て言うのが礼儀でしょ
て言うと


ゆっくり顔をあげ陽菜を見つめる目がうるうるしていて
かわいいって思っちゃった


「まぶた腫れてるよ(笑)」

「にゃんにゃんだって・・・・・」

「さっきはゴメンね(бвб)」

「ううん、私の方こそ
なんか興奮しちゃって思ってもないこと言っちゃってごめん」

「それは陽菜の方だよ
優ちゃんがそんないい加減な人じゃないって知ってるから
陽菜のせいだよね、陽菜が秋元くんと付き合うって言ったから
宮澤君と付き合ったんだよね?」

「そんな事無いけど・・・・
にゃんにゃんが幸せなら私も幸せだから(-∀-`)」

「そんな眉毛をハの字に下げて言われても
信用するわけ無いでしょ」

「本当は私が幸せにしてあげたかったけど
無理だもんね私女だし(笑)
だからにゃんにゃんの幸せが私の幸せなの」

「陽菜の幸せは・・・・
優ちゃんがそばにいないと幸せじゃない」

「にゃんにゃん?」

「好きとかそう言うのはわかんないけど
優ちゃんがそばにいないと楽しくないし
優ちゃんが迎えに来てくれないと朝遅刻するもん
陽菜今月入ってから先生に沢山怒られたの優ちゃんのせいだからね(怒)」

「でも才加と付き合うって・・・・」

「断るから優ちゃんが迎えに来てよ」

「いいの?私にゃんにゃんの事が好きなんだよ?
気持ち悪くないの?」

「陽菜だってたぶん好きだもん」

「たぶんか・・・・今はそれで十分(-∀-`)
めちゃくちゃ好きにさせてやるから覚悟してて」

「陽菜だって今よりもっともっと好きにさせちゃうんだから!」


二人で手を握り合いふふふお笑いあった


「ねえ、どうして才加って呼び捨てなの?
秋元君も優子って呼び捨てだったし・・
優ちゃんの方が恋人同士みたいじゃん」

「今クラス一緒でさ、て言うか一年から一緒だったんだけど
私はずっとにゃんにゃんと一緒だったから
男子とはあまり話してなかったんだ
でも二年になって席が隣でさ
似た者同士で勉強とか運動とか競い合う仲なんだ」

「そうだったんだ・・・・
これから気まずくならない?」

「そんな奴じゃないから大丈夫
本当にいいやつなんだよ
でもにゃんにゃんは譲れないけどさ(-∀-`) 」


そう言って笑う優ちゃんの頬に出来る笑窪が好きだなーて思う

なーんだ、陽菜ちゃんと優ちゃんが好きなんじゃん(бвб) 



次の日にお互い断ろうねって約束して優ちゃんはクラブへ走って行った