「おそくなってごめ・・・・・ふふ可愛い(бвб)」


陽菜のベッドで子猫のように丸まって寝てる
スーパーアイドル

このまま甘えて一緒に住まわせて貰ってもいいのかな
もし世間にバレたら困るのは優ちゃん・・・

このままここに住めないこともないし
やっぱり断ろう

そう心に決め


「優ちゃん終わったよ」

「ん・・・・・・・んん〜ん・・・・気持ちぃ・・・」

「熟睡してた(笑)」

「このベッド良い匂いするし寝心地抜群」

「そうなの?毎日寝てるからわかんない」

「ふあぁぁぁぁ・・・・お腹空いた」

「もうお昼過ぎちゃった、待たせてゴメンね」

「いい睡眠できたからいいよ(-∀-`)
何食べに行く?」

「外で食べるのはダメなんだじゃない?」

「どうして?」

「騒がれたらダメでしょ、温泉街でもバレそうになったんだから
東京はもっとダメだよ」

「バレても陽菜は女の子なんだから
友達か何かだって思うし問題ない」

「そっちじゃなくてファンの子に見つかったら騒がれるでしょ」

「だったらどうせ今日から住むんだし私のマンションで作ってよ」

「あぁ・・・その事なんだけど
工事中も住めないことなさそうだし
ここにいようかなって・・・・」

「何でだよ!来るって言ったじゃんか(怒)」

「ごめんなさい、やっぱり無理だよ」


平凡な陽菜がスーパーアイドルと一緒には暮らせない


「じゃー私もここに住む!」

「ダメ!」

「・・・・・だ」

「え?」

「大人はいつもそうやって嘘をつく
私を喜ばせておいて奈落の底へ突き落すんだ」

「そんな事・・・・ちょっと優ちゃん(汗)」


言い終わらないうちに部屋を飛び出し階段を下りていく足音


「優ちゃん待って(汗)」


陽菜が下へ降りて行った時には優ちゃんの姿はどこにも見当たらなかった


「これで良かったんだよね・・・・出会う前に戻っただけ・・・
さーてと、お金の工面しなきゃ」


誰もいないのに少し大きな声で独り言を言い
自分に言い聞かせた


次の日新聞のテレビ欄に優ちゃんのグループの名前を見つけ
あまり見ない歌番組だったけど
やっぱり気になってたからチャンネルを合わせ見ていると
四人組なのに三人しか出てこなくて・・・
優ちゃんの姿が無かった

司会者の人が急病で入院中だと言っていて
重病じゃないけど念のために入院しているだけだとも言っていた


「昨日は元気だったのに・・・大丈夫なのかな」


陽菜が心配したってどうする事も出来ないと気づき
考えないことにした

だって、もう、関係ない人だから
荷物は置いたままだけどまた新しものを買うよね?
だってお金持ちだもん・・・


さーてと工事中の間短期バイト捜さなきゃ


その日持って来た見積もりの金額に少し戸惑い
でもやっぱりお店をつぶしたくないからお願いすることに

スマホで求人バイトを探し面接の予約を入れた

2日後の面接の日玄関を出ようとしたら
見知らぬ人が立っていて声をかけて来た


「ここのお店はやってないんですか?」


お客さんかと思って


「すみません改装工事をするのでふた月ほど休ませていただいてます」

「そうですか・・・あなたはここの方ですか?」

「はい」

「失礼ですが大島優子を知っていますか?」


いきなりの質問に動揺してしまったけど
嘘をつく筋合いはないから


「はい、アイドルの大島さんですよね」

「そうです、優子がここへ来たと思うんですが
今もいますか?」

「来たことはありますがもうここには居ません
というか入院してるんですよね?」

「いつここを出て行ったんですか?」

「え、2日前ですけど」

「そうですか・・・・ありがとうございました」


そう言って帰って行こうとするからつい


「優ちゃんいないんですか?」

「優ちゃん・・・・そんな親しい仲なのですか?」

「いえ・・・二度ほど会っただけです」


嘘じゃない

難しい顔をして


「・・・・・この件は内密にお願いします」


それだけ言うと帰って行った