幸せになってもいいですか? 10

秋の学祭で私たちに与えられた時間は三分ずつ


「三分で一曲なんて出来ねえよ(怒)」

「全員が短縮バージョンだな」

「先輩達はフル演奏なんやで」

「仕方ないよ四回生は最後なんだから」


せっかく練習してきたのを
短縮バージョンで覚えなおさないといけない

そしてもうすぐ夏休みに突入
大学の夏休みは長い(бвб) 


「俺夏休みは結構ガッツリバイト入れちゃってるんだ」

「俺はりんちゃんと遊ぶ♪」

「全員で合わせるのは数回しか出来そうにないね」

「そうだな、後は個人個人でしっかりやって来いよな」

「そう言う才加が一番大変なんじゃん
ドラムどうすんだよ」

「ドラムに見立てて鍋のふたとか
座布団とかを叩いてる」

「笑う(-∀-`) 」

「何でだよ、苦肉の策なんだからな!」

「私は中古だけどベース買ったからいつでも練習できる
陽菜も家にピアノあるんだよね?」

「うん」

「じゃー一緒に練習しよう」

「うん」



あれからキスは相変わらずしてる
でもその先へ行こうとは決してしない優ちゃん



「それって生殺しだよ
そう思わない友」

「思う思う、私だったら耐えられない」

「友は見た目に似合わず肉食系だもんね(笑)」

「ともーみが可愛すぎるんだよ」


優ちゃんとのキス事件から少しして
声をかけて来た板野さんと河西さん

二人は高校からの付き合いで恋人同士

陽菜と同じ学部で同じ講義を取っていて
仲間かもって声をかけたんだって

で、今は仲良くなって優ちゃんのいない時はカフェでお茶したり
ランチをしたりしてる


「あんまり拒否してると捨てられちゃうよ」

「そうなの?」

「やっぱり好きならその人に触れたいって思うじゃん」

「でもキスはしてるし・・・」

「キスだけじゃ物足りなくなるの!」

「もう、友はガツガツし過ぎ」

「そこが好きなくせに♪」


二人はすぐにいちゃつき出すから困る

でも大学では絶対にキスはしないし
手も繋がないらしい

仲のいい友達と思われてる方がいいからって

だよね・・・まだまだ偏見は多いから



試験が終わり
夏休みに突入


「いつ練習する?」

「陽菜はいつでもいいの?」

「優ちゃんに合わせるよ」

「私バイト始めたんだよね
一人暮らしのお金出して貰ってるから
遊ぶお金くらいは自分で稼がなきゃでしょ」

「どこで?」

「近くの居酒屋だから夕方までは遊べるよ」

「え〜陽菜もしたい」

「陽菜バイトできるの?」

「むぅ・・・出来るし」


秋には優ちゃんの誕生日もあるしお金稼いどかなきゃ


で、同じ居酒屋でバイトをすることになった





幸せになってもいいですか? 9

「陽菜デートしようよ」

「デート?」

「そうデート!私達付き合ってるんだからデートしなくちゃ(-∀-`)」


そう言われたらそうかも


「どこ行きたい?」

「どこでも良いよ(бвб)」

「普段休みの日は何してるの?」

「ん〜家でゴロゴロしたりテレビや雑誌を見て過ごしてる」

「外には出ないの?」

「バーゲンの時は買いに行く」

「あぁ・・・・実家だから3食昼寝付きなんだ(笑)」

「優ちゃんは違うの?」

「私は一人暮らししてる」

「いいなぁー(бвб)」

「1Kだけど結構広いんだ」

「え、遊びに行きたい!」

「うちに?だったらおうちデートだね(笑)」

「ご飯とか作れるの?」

「もちろん(-∀-`)」

「すごーい!」



あんな事言わなければよかったと凄く後悔することになる



「ご馳走様でした!美味しかった(бвб) 」

「簡単なパスタだけどね(笑)」

「でもママが作るのより全然美味しいよ」

「そう言ってくれると嬉し(-∀-`)
陽菜が買ってきてくれたケーキはおやつに食べよう」

「うん、今はお腹いっぱい(бвб) 」


それから二人でDVDを借りに行き

ソファーなんてないからベッドにもたれ掛りながら
並んで見ることに


「・・・・・・(бвб) 」


画面の中では恋人同士がいい雰囲気に・・・・

なんか気まずいなと思いながら見ていると
陽菜の手に優ちゃんの手が触れた


「ん?」

「もうそろそろ私達も先に進んでもいいんじゃないかな」

「え?・・・・・」


そう言うと顔が目の前に来たから目を閉じる


チュッチュッと軽く啄むようなキス


「いいでしょ?」


そう言いながらいつの間にか陽菜の上にいる優ちゃん

恋人同士なんだからいつかはこういう事をすると思ってたけど
今なのかな?


「ねえ、陽菜の事好き?」

「え、好きだよ(-∀-`) 」

「軽い好きじゃなくて!」

「軽いとか重いとかあるの?」

「あるに決まってるでしょ!」

「好きは好きしかないじゃん」

「違うよ(汗)」

「好きだから陽菜を抱きたい!」


そう言われたら嫌とは言えないじゃん・・・・

服の下から入って来る優ちゃんの手
ブラをずらし胸に優しく触れてくる


「んっ・・・・」

「陽菜は初めてでしょ、優しくするから」

「う・・・・ん・・・」


もうなるようになっちゃへ!て思った

優ちゃんだったらいいかなって・・・



なのに急に手を止め


「・・・・ごめん・・・」

「え?」

「泣かないでよ(;´-∀-)」


そう言いながら指で涙をぬぐってくれる優ちゃん

陽菜泣いてたんだ・・・・


「やっぱりこういうのってお互いの気持ちが大事だよね
私焦りすぎてた・・・ホント、ごめん」

「ううん・・・・陽菜の方こそごめんね」

「映画は終わりにしてケーキ食べよ
紅茶がいいんだよね」

「何でもいいよ」

「陽菜の好きなアールグレイティ買ってきてあるから淹れるね」

「ありがとう」


陽菜の事思ってくれてるのにごめんね優ちゃん

幸せになってもいいですか? 8

佐江ちゃんに見られてみんなにもバレてもうダメだって思った

なのに


「私が無理やりした!」


なんていうから驚いて何も言うことが出来なかった

これじゃー優ちゃんだけが噂されちゃうのに・・・

佐江ちゃんとゆきりんが入ってきてくれたから
気まずい雰囲気は無くなったけど
みんながどう思ってるかはわからない

それに佐江ちゃん自身も・・・・

講義中紙を見せてきた優ちゃん

佐江ちゃんには本当のことを言おうってなって

サークルへ行く前に話す事に



「佐江だけに言うけどさ
私達付き合ってるんだ・・・・」

「だろうな、じゃなかったらあんなキスしないよな(笑)」

「気持ち悪いよね・・・・・・」

「なんで?別にいいじゃん好き同士なんだろ
て言うかもっと早く言ってくれればよかったのに」


好き同士なのかな・・・・
優ちゃんはあの時酔っていて
勢いで言ったような気がするんだよね

女性だったら誰でも良かったのかもしれない
だってすごく軽かったもん

ただキスをしたかっただけかも・・・・・


それに陽菜だってわからない
でも嫌いじゃないから好きなんだと思う


そしてあとの二人にも言うことになった



「なんやそうやったんか」

「もっと早く言ってくれよ(汗)」

「怒らないの?」

「なんで怒るんや、二股かけられてたわけちゃうし
付き合ってへんねんから浮気されたわけでもないやん」

「そうだけど好きだったんだろ?」

「優子に負けたんは悔しけど
恋愛は勝ち負けちゃうからしゃーない」

「なにそれ、支離滅裂(-∀-`)」

「これで才加ときそわんでよくなったから良かったで
才加に負けるんが一番イヤやからな」

「なんでだよ(汗)」


みんな陽菜たちを認めてくれて
最後には負けんなよって励ましてくれた


大学生になってこんなに素晴らしい仲間ができるなんて
思ってもいなかった
これも優ちゃんのおかげだ
優ちゃんがいなかったらみんなと巡り合うことはなかったからね


ありがとう優ちゃん(бвб)

幸せになってもいいですか? 7

(-∀-`)


私は男も行けるけどどっちかって言うと女性の方が好き

構内で初めて見た時は胸のインパクトの方が強くて
顔はちらっと覚えてるくらいだった

だっていきなり平手打ちだよ!
触ってもいないのにだよ!

叩かれたんだからもう一度くらい胸を見るよね(笑)

一応名前は聞いてたから次の日探したら

大人しそうで綺麗というか可愛いというか
両方を兼ね備えた人間がこの世にいるんだって思ったよね

絶対にこの子と友達になりたいって思ったもの

で、そんな陽菜はモテる
でも告白はあまりされないかな
みんな高根の花みたいに遠くから噂したり眺めたり

まあ、これだけの美貌なんだから普通彼氏がいると思うよね

なのに居ないのが私の中の七不思議だったんだけど
男に興味が無いって聞いて合点がいった

だったら私と!

頭で考えるより先に口走ってたよね
付き合ってみる?てね

陽菜はあまり乗り気じゃなかったみたいだけど
試しに付き合う事になった

付き合いだしたらやっぱり独占欲が出るもので
他の人に取られないように今まで以上に引っ付いた

調子に乗って学校でキスもした

軽いキスで済ませとけばあんなことにならなかったのに
少し進みたかった私は陽菜を煽り向こうからキスをさせた
必死な陽菜が可愛くてそして嬉しくもあって
もっともっと!と思ったのがいけなかったんだ

その現場を佐江に見られた

佐江ならたぶん言わないと思う・・・たぶんだけど

そしてその日、陽菜に手をつなぐ事を拒否され落ち込んだ

次の練習は三日後だけど佐江はどう接してくるだろうか


またフラれるかと思ったけど陽菜はいたって普通だし
何事もなく過ぎたものだから
調子に乗った私は練習の日、また失態を犯してしまった

誰もいない廊下で陽菜にキスをした
誰もいないからと手も無理やり繋いで曲がり角まで行った

まさか誰かに見られてたなんて思いもせずに



四限目
二人で講義室に入ると私達の事が噂になっていた


(わぁー二人で来たよ)
(廊下でキスしてたらしいよ)
(ヤバいどっちが男役?)


「みんな聞こえてんだよ(怒)
私が無理やりした事で、陽菜は関係ないんだよ
変な噂せずに堂々と聞けばいいだろ(怒)」

「優ちゃん・・・」

「私は誰とでもキスするし
なんならここのみんなとしてやろうか?」


(大島さんならやりそう)
(小嶋さん被害者なの?)


「おいよいよいなに叫んでんだ
どうかした?」

「佐江でもいいやキスしようぜ」

「はあ?お前何言ってるんだよ」

「だめ〜(汗)」

「しないから落ち着いてりんちゃん(汗)
いったいどういう事?」

「ここの全員とキスするからゆきりんもしよう!」

「こらー!佐江のりんちゃんに触る事はゆるさーん!!」


そんな会話をしているとベルが鳴ったからみんな席につきだした
佐江のおかげで助かったよ(;´-∀-)

一番後ろの席に四人で座る


「優ちゃん大丈夫?」

「アハッ平気平気♪」


高校の時今日みたいに付き合ってるのがバレて
私じゃなく相手の子が集中攻撃をされて
学校に来れなくなり転校して行った

私は彼女を守れなかったんだ
だから今度は絶対に守って見せる

講義中陽菜と筆談で相談し、放課後
サークルに行く前に佐江に思い切って言う事にした


「そっか二人付き合ってたのか」

「へぇ?それだけ」

「なんで?別にいいじゃん好き同士なんだろ
て言うかもっと早く言ってくれればよかったのに」

「でもさ偏見持つやつもいるだろ
現に今日だって・・」

「そうだよなーまだまだ住みにくい世の中だぜ(笑)」

「カル(笑)」

「才加と有華にも言った方がいいぞ」

「でもあの二人陽菜の事好きだし雰囲気悪くなったらいやだろ
チームとして成り立たなくなるかもだし・・・・」

「大丈夫だって!あいつら意外に物分かりいいから言ってみろよ」


佐江の言葉に勇気をもらい思い切って言うことにした



「今日の帰りご飯食べにいかない?」

「行く行く!優子から誘うなんて珍しいな
あ、もちろん陽菜ちゃんも行くんだろ?」

「うん(бвб) 」

「そっか、楽しみやわ♪」



サークルの帰りに五人で初めて食事に行く事になって

悦ぶ二人・・・期待させてごめんね

幸せになってもいいですか? 6

練習が終わりみんな帰って行った部屋で二人


「チュッ・・・・チュッ・・・」


陽菜達はキスしてる


「優ちゃんてキスするの好きなの?」

「え、嫌いな人いるの?
て言うか陽菜ってキス初心者でしょ(笑)」

「むぅ・・・そんな事無いし」

「軽いキスしかしたことないくせに」

「そんな事無いもん」


この時どうしてムキになっちゃったんだろう
本当はキスなんて数回しかしたことなかったのに・・・
だってすぐ別れたから


「じゃー陽菜からしてみてよ」

「わかった」


勢いで行っちゃへ!


「チュゥ〜・・・・・どう?」

「え、これ本気のキス?」

「違う・・・これはなんていうか・・・・
始まるよって言うキス」

「じゃー本気のキスしてみて(笑)」


バカにされてるようで少しムッとしたのがいけなかった
素直に下手だって言えばよかったんだけど・・・

陽菜より小さい優ちゃんを引き寄せ
口の中に舌を入れ舌と舌を絡めて
必死でしているとニヤニヤしてるのがわかって
またいっそ激しくする


ガタッ・・・


物音にビックリしてドアの方を見ると
そこには


「佐江(;´-∀-)」

「あ・・・えーと・・・そ、そう忘れ物して
と、取りに来ただけだから
じゃーバイバイ(汗)」


忘れたであろう物を探しもせず慌てて出て行った


「あちゃー(;´-∀-)」


どうしよう・・・
噂になってみんなにまた変な目で見られたら
陽菜は大学に通えないかもしれない・・・


「なんかね・・・今日はもう帰ろうか」

「うん・・・・」

「大丈夫だよ(-∀-`) 」

「絶対?」

「たぶん・・・・
取りあえずここを出よう・・・・え・・・」


いつものように手を繋ぎに来た瞬間
手を引っ込めてしまった


「ごめん、大学ではもう手は繋がない」

「アハッだよね(;´-∀-)ごめん・・・」


そんな悲しそうな顔しないでよ
だってあの時みたいになるのはもう嫌だから


なのに・・・・・
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2019年11月 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
アーカイブ
カテゴリー