秋の学祭で私たちに与えられた時間は三分ずつ


「三分で一曲なんて出来ねえよ(怒)」

「全員が短縮バージョンだな」

「先輩達はフル演奏なんやで」

「仕方ないよ四回生は最後なんだから」


せっかく練習してきたのを
短縮バージョンで覚えなおさないといけない

そしてもうすぐ夏休みに突入
大学の夏休みは長い(бвб) 


「俺夏休みは結構ガッツリバイト入れちゃってるんだ」

「俺はりんちゃんと遊ぶ♪」

「全員で合わせるのは数回しか出来そうにないね」

「そうだな、後は個人個人でしっかりやって来いよな」

「そう言う才加が一番大変なんじゃん
ドラムどうすんだよ」

「ドラムに見立てて鍋のふたとか
座布団とかを叩いてる」

「笑う(-∀-`) 」

「何でだよ、苦肉の策なんだからな!」

「私は中古だけどベース買ったからいつでも練習できる
陽菜も家にピアノあるんだよね?」

「うん」

「じゃー一緒に練習しよう」

「うん」



あれからキスは相変わらずしてる
でもその先へ行こうとは決してしない優ちゃん



「それって生殺しだよ
そう思わない友」

「思う思う、私だったら耐えられない」

「友は見た目に似合わず肉食系だもんね(笑)」

「ともーみが可愛すぎるんだよ」


優ちゃんとのキス事件から少しして
声をかけて来た板野さんと河西さん

二人は高校からの付き合いで恋人同士

陽菜と同じ学部で同じ講義を取っていて
仲間かもって声をかけたんだって

で、今は仲良くなって優ちゃんのいない時はカフェでお茶したり
ランチをしたりしてる


「あんまり拒否してると捨てられちゃうよ」

「そうなの?」

「やっぱり好きならその人に触れたいって思うじゃん」

「でもキスはしてるし・・・」

「キスだけじゃ物足りなくなるの!」

「もう、友はガツガツし過ぎ」

「そこが好きなくせに♪」


二人はすぐにいちゃつき出すから困る

でも大学では絶対にキスはしないし
手も繋がないらしい

仲のいい友達と思われてる方がいいからって

だよね・・・まだまだ偏見は多いから



試験が終わり
夏休みに突入


「いつ練習する?」

「陽菜はいつでもいいの?」

「優ちゃんに合わせるよ」

「私バイト始めたんだよね
一人暮らしのお金出して貰ってるから
遊ぶお金くらいは自分で稼がなきゃでしょ」

「どこで?」

「近くの居酒屋だから夕方までは遊べるよ」

「え〜陽菜もしたい」

「陽菜バイトできるの?」

「むぅ・・・出来るし」


秋には優ちゃんの誕生日もあるしお金稼いどかなきゃ


で、同じ居酒屋でバイトをすることになった