土曜日と日曜日は陽菜様の所へは行かない

と言うか行ってはいけない


でも何故かは教えてもらえなかった

一般校舎で終えようとしてる
私は知らなくていいことらしい



「今日は何処にする?」

「指原さんの美術部へ行こうと思ってる」

「え、クラブに行くの?」

「私に華道とか茶道は必要ないし
なんか場違い感があったからあんまり・・・
だから文科系だけどクラブ回りしようかなって
あ、料理教室は行きたいけど(笑)」

「コックや家政婦がいるのに必要ないじゃん」

「私は一人暮らしする可能性の方が高いからさ」

「そうなの?」

「お爺さんも高齢だし他に家族はいないから」

「仕事は小嶋さんの会社に
雇ってもらえるから良いなぁー」

「それは考えてない
自分の力で見つけて働く」

「勿体ない・・・せめて紹介してもらったら?」

「迷惑はかけたくないんだ」

「ふーん・・・・」



お母さんでさえ一度も会えなかった人の子供だよ

・・・・会えなかったんだよね?
会ったのかな・・・・
二人ともいないからわかんないけど

それに陽菜様が私を妹にしたのはお母さんの子供だったから
ただそれだけ・・・・
卒業したらきっと忘れちゃうんだ・・・


あれ、なんか胸が・・・
おかしいな



「大島さんいらっ・・・・・」


あきらかに動揺してる二人


「アハッこんにちは
あっちゃんも連れて来ちゃったんだけどダメだった?」

「い、い、いえ、大丈夫です(汗)」


土日は寝てるだけと言う前田さんを
無理やり連れて美術部へやって来た


部屋を見渡すと学生が5人


「部員これだけ?」

「三年生の先輩が一人と二年生がいなくて
私達一年生が4人なんです」


指原さんと話していると


「いらっしゃい部長の仁藤です」

「指原さんと同室の大島と、友達の前田です
今日はよろしくお願いします」

「あなた達が・・・・そう」


何を言いたいのかは分かる
総代と副総代に一般校舎の
一年生から妹に選ばれた二人

三年生だって知ってるはず
それに
見た目は普通だから変に思うよね


そりゃそうだ、二人共妹の役目?を果たしていない
訳アリ妹って感じだから(笑)


「ここは自由に描いたり作ったりする場所だから
好きにしてくれていいわよ」

「ありがとうございます(-∀-`) 」

「何する?」

「あっちゃん何したい?」

「なんでもいい」

「あぁ・・・だったらお互いの絵を描こう」


スケッチブックと鉛筆を借り
向かい合わせに座って絵を描く


「・・・・・・それなんですか?」

「優子」


指原さんがあっちゃんのスケッチをのぞき込んで
少し困り顔


「よしできた、あっちゃんは?」

「出来た」


同時に絵を見せ合う


「・・・・・(;´-∀-)」

「それ似てない」

「あっちゃんもね(笑)」


どうやら二人ともセンスがないようだ(笑)

「そろそろお昼だから片づけてね」

「はい」


もちろんお昼は一般の食堂で食べる


「うん、美味しい(-∀-`) 」


私にはこっちの食事のほうが口に合うみたい


「あっちゃんは物足りないんじゃないの?」

「部屋に戻ったらデザートあるから」


土日は必然的に普通の食事になるんだけど
前の日に麻里子様の部屋から
食べ物をいろいろ持って帰ってるらしい



「でもさ、向こうは何してるんだろうね」

「花嫁修業だよ」

「花嫁修業!?家事はしなくてもいいのに?」


あっちゃんは何をしてるか知ってるんだ・・・・
でも、それ以上話そうとしないから
聞くのはやめておいた