大島さんは学校のアイドルで

足が速くて一年生なのに陸上部のエース

勉強も出来てそれでいて凄く優しいから
人気者だった


陽菜はその正反対

勉強も運動も出来ない落ちこぼれ
目が凄く悪くて牛乳瓶の底みたいな眼鏡をかけていて
友達も少なかった

でもその頃からアイドルが好きで
同じアイドル好きの友達と雑誌を見ていると


「おいおいブスがアイドルの写真見てるぜ」

「やば、自分にない物を求めてんじゃね(笑)」


男子にからかわれ泣きそうになってたら


「やめなよ、そういうあんたらの方がスゲーださい」

「そうそう、男のくせに女の子を虐めるとか最低」

「いじめてるんじゃなくて本当の事言ってるだけだ(汗)」

「小嶋さんはあんた達なんかよりずっと綺麗な心を持ってるんだよ」

「ちょっと人気があるとおもって良いカッコすんなよな(怒)」

「私達も本当の事を言ってるだけ」


その言葉にほかの子達も加勢して
男子は黙りそれから二度といじられることはなくなった


「ありがとう」


友達はすぐにお礼を言ってたけど
引っ込み思案だった陽菜はお礼も言えなくてずっと俯いてた


それからかな大島さんを目で追うようになったのは
いろんな表情を持っていて見てるだけで楽しかった

だから気づいたんだと思う

見つからないようにカメラを持ってきていて
休み時間とか昼休みに屋上や非常階段へ行き
写真を撮ってたのを

いつかファインダー越しでいいから
陽菜を見てもらいたいと思ってた

でもお父さんの転勤で引っ越す事になり
大島さんとはそれっきりに・・・

新しい土地で
メガネからコンタクトに替え髪も降ろしたらスカウトされて
大好きだったアイドルになった陽菜

あの陽菜が人気者になるなんて誰も予想できなかったよね(笑)

華やかに見えるアイドル
と言うか芸能界の裏をすぐに見ることになって
今日までだましだましやって来た

アイドルが好きだし歌う事も好きだから頑張って来れたんだと思う

でも何か違うなって、全然満たされないなって思ってた


そして


大島さんと出会ってやっとわかった

だから酔ったふりをして誘ったの