コンコン

「どうぞ」

「ただいま戻りました」

「早かったね、もっとゆっくりしてくればよかったのに」

なんかカチンときた

「いきなり面接もなしに入ってきて社長秘書、
それも専属になった人を簡単に受け入れてくれるわけないでしょ(怒)」

「そうかな、秘書のみんな良い子ばかりだよ」

「そうだけど・・・」

確かに嫌な事は言われてない
当たり前のことを言われただけ

「何か言われた?」

「・・・別に・・・」

「なに?私隠し事とかされるの一番嫌なんだよね」

「優子は後継ぎじゃないの?」

「ん・・・どうかな、私にもわからない」

「なんで?社長してるじゃん」

「社長だからって後継ぎとは限らないでしょ?」

「そうだけど・・・」

「例えば陽菜の所の会社だって
このままリクさんが見つからなかったら
陽菜が後を継がなきゃいけなくなるでしょ」

「・・・やだ!あり得ない、て言うか陽菜絶対に無理だし
会社つぶしちゃう(汗)」

「アハッ(-∀-`) 自覚あるんだ(笑)」

「むぅ・・・どう言う事かな(怒)」

「私には兄がいて私は二番目だって事」

「お兄さんは仕事してないの?」

「うーん・・・家族の事はあまり言いたくないかな」

「ごめん・・・」

まさか後を継ぐのが嫌で逃げちゃったとか?
それで今は優子が後を継ぐようになってるけど
見つかったらお兄さんが後継ぎになるの?

それじゃ優子が可愛そうじゃん(怒)

「今日はもう帰っていいよ」

「え?まだ三時ですよ」

「私も今日は帰るから」

やったー♪こういう日もあるんだね(бвб) 
ショッピングして帰ろうかな

腕時計を見て

「先に出るから、また明日ね」

「お疲れ様でした(бвб)」

慌てて出て行く社長をエレベーターまで見送り
部屋に戻ってうっくり帰り支度をしていると

勢いよくドアが開いた

「優子!・・・・あれ?優子はどこへ行ったんだ
君は・・・小嶋の娘じゃないか
こんな所で何をしているんだ」

入って来たのは確か副社長の・・大島さん

「今日から社長秘書になりました」

「なんだと?渡辺はどうしたんだ」

「私は社長専属秘書だそうです」

「なんだそれは、
それより結婚がダメになったって言うのは本当なのか」

「ダメになったというか・・・
大島社長が断りに父の会社へ直接来られたそうです」

これは嘘じゃないもん

「せっかくいい縁談だったのにあいつは何を考えてるんだ(怒)」

この縁談に一番乗り気だったのは副社長だとパパが言ってたっけ

「いつまでもフラフラ男遊びばかりしやがって(怒)」

男遊び・・・
そんなにしてるようには見えなかったけど(бвб) 

「今どこにいるんだ」

「先ほど副社長と入れ違いでお帰りになられましたが」

「なんだと!もう帰ったのか、あいつ・・・
ワシが戻ってくる時間を知ってて逃げやがったな(怒)」

なるほど、そういう事か

「この分だと家にも帰らないだろう・・・
まあいい、明日会社で問い詰めてやる」

すごい剣幕のまま部屋を出て行った

家に帰らないのならどこへ行ったんだろう・・・
友達少なそうだし・・・

なんとなく気になり唯一知ってる場所へ足を向けた