「ママ?」

「私達はねあなたの幸せだけを願って育ててきたの
それを忘れないでね」

「うん・・・・」

なんだろう、急に真剣になる両親に戸惑いながら
パパを待っていると本のようなものを抱えて入ってきた

「それ何?」

「お前のアルバムだよ、一人っ子なのに
少ないと思った事は無いか?」

そう言われると少ないように思うけど
小さい頃の思い出があんまりないって言うのは
ほったらかしにされてたからだって思ってたから
違和感はなかった

「パパもママも忙しくてどこにも行ってないからじゃないの?」

「これを見てみろ」

一枚めくるとそこには写真が貼ってあって・・・
どうやらすべてアルバムみたい

まさか隠し子がいて今更私と姉弟だとか言ってこないよね(汗)

恐る恐る写真に目を落としていくと・・・

「これって・・・私?」

おそらく生まれたての病院での写真
そこには三歳くらいの子供が赤ちゃんを抱っこして
ベットに寝ている私と3ん人で写っていた

ドンドンめくって行くと

「これ野呂さん?凄く若いや(笑)」

危なげに立っている私の後ろには少し大きな子がいて
前にはしゃがんで手をたたいてる子供
その周りには笑いながら見守る三組の夫婦

父親に抱かれ、寝ている三人の子供・・・

そんな写真がぎっしりと詰まっていた

私の成長につれて後の二人も大きくなって行ってる
当たり前なんだけど・・・常に一緒に居るって言う感じがした

「一番大きい子は野呂さんの子供?
もう一人の男の人は私見た事ない・・・て言うか覚えてないや
でも、誰かに似ているような・・・・?」

最後のアルバムの最後の写真の下に

”優子5歳の誕生日を最高の仲間たちと”

ケーキを前に真ん中の私を両側から頬にキスしている写真

髪の長い可愛い子とショートカットの少しお姉さん

「ねえ、これ何?合成写真?私全然覚えてない
なんでこんなに知らない写真があるの?
私が持ってる写真には誰も写ってないよ」

「優子、落ち着いて聞いてね」

ママがそう言うとパパがゆっくり話し始めた