Such is life 18

土曜日のバイトを終え電車に揺られていると
LINE通知が来た

「覚えてたんだ・・・」

連絡が来ないから忘れてるのかと思って悦んでたのに・・・

(11時帝〇ホテルのロビーに来て)

・・・ホテル?勉強するのにホテル?

〈無理〉

(約束したでしょ)

〈ホテルは無理〉

(陽菜エッチだね(笑)勉強するだけだよ)

鋭い(汗)

〈そんな事考えてないし、図書館でいいじゃん〉


(ランチ奢るよ)

・・・・・うん、お昼だけ食べて図書館へ誘おう

〈わかった〉

ホテルのランチなら少しいい服着て行かなきゃだよね・・・
二年前の服入るかな

家に帰り出して着てみたらブカブカになっていた

・・・・・そんなに太ってたっけ?・・・

まあ、無料ダイエットが出来てラッキーだと思っておこう(笑)

「それ着て行くの?」

「うん、なんかランチ奢ってくれるらしいんだけど
ちょっといいレストランみたいだからさ」

「ごめんね・・・」

「なんであっちゃんが謝るの」

「パパが居なくなってから新しい服買ってないでしょ
私達のばっかりじゃん」

「それはあっちゃんも双子もまだ成長途中なんだから仕方ないよ
陽菜はもう終わってるから」


「反対に小さくなってない?」

「スタイルよくなったでしょ(笑)」

「・・・・・(∵)」

「あっちゃん?」

「やっぱり私たち「あっちゃん!!」

「っ・・・」

「それ以上言ったら怒るよ」

「でもにゃんにゃんの人生が・・・」

「陽菜、みんなと一緒にいるのが幸せなの
姉妹はバラバラになっちゃダメでしょ」

「にゃんにゃん・・・(涙)」

「あっちゃんに家の事全部させちゃってごめんね」

「ううん、私それくらいしかできないから」

「これからも四人で助け合って生きて行こう」

「うん」

今の幸せを壊したくない、だから陽菜は・・・

噂がホントになっちゃうのかな・・
だってお金貰って体を提供するのって援交でしょ?

明日もしかしたら・・・・

新しい下着あったかな




そして約束の時間

が、過ぎてるのにいっこうに来る気配がないし
連絡も付かないとかあり得ないんだけど(怒)

30分待ったけど来ないから帰ろうとした時

「小嶋陽菜さん?」

名前を呼ばれ振り返ると背の高い女性が立っていた

「そうですけど・・・どなた」

「私は篠田麻里子、大島優子の姉です」

「お姉さん?でも名字が違いますけど」

「あ、結婚して篠田になったから(笑)」

大島さんにお姉さんがいたんだ・・・

「でも似てないですよね、背も高いし顔も全然違う」

「姉弟だからって似てるとは限りませんよ
小嶋さんの所は全員似てるんですか?」

そう言われると・・・全然似てないかも・・・

「大島さんはどうしたんですか?」

「用事が出来ちゃって来れなくなったから
代わりに私が来たの」

代わりにって・・・

「メールかLINEしてくれれば済んだのに」

「ランチの約束してたんでしょ、行こう(*`ω´) 」

陽菜の言葉を無視し腕を掴み歩きだした

「え、ちょっと(汗)」



「大島ですけど」

「大島様お待ちしておりましたどうぞこちらへ」

案内された場所は一番奥のたぶんビップルームというやつ?

「お昼のコースでいい?」

「私・・・払えません(汗)」

「ここの支払いは優子にさせるから大丈夫
私は・・・ワイン飲んじゃおうかな
小嶋さんは未成年だからウーロン茶ね(笑)」

ボーイに注文するとじっと陽菜を見つめ

「ふーん・・・見る目あるじゃん」

「はい?」

「顔もスタイルも篠田よりは劣るけど
中の上だね(*`ω´) 」

「あのう・・・」

「で、この後勉強するはずだったんでしょ?
篠田で良かったら教えてあげるけど」

「け、結構です(汗)
所で大島さんは何の用事だったんですか?
あ・・・・もしかしてバイトが入ったとか?」

マダムから電話が来たとか?
お姉さんバイトの事知ってるのかな・・・

「バイト?・・・・何してるって言ってた?」

知らないなら陽菜の口から言ったらダメだよね(汗)

「内容は聞いてないです」

「そう・・・今日は家の事情かな」

「そうですか・・・」

話してる間に前菜が運ばれてきて目の前に置かれた

えーと・・・テーブルマナーはどうだっけ・・・(汗)

「すいませんお箸頂けるかしら
小嶋さんはどうする?」

「あ、私も下さい」

良かった(бвб) 

初めて食べるフルコース
ランチだけど結構な値段だと思う・・・
三人にも食べさせてあげたかったなー・・・
一人で食べてごめんね

「ご馳走様でした(бвб) 」


お礼を言って帰ろうとしたら


「あ、これ妹さん達にどうぞ」

・・・・・妹居るって言ったっけ?
大島さんにも言ってないし先生以外知らないはずなのになんで・・・

「どうして知ってるんですか」

「妹居るような顔してるからかな(汗)
弟だったらごめんね、あ、もしかして一人っ子?」

誤魔化してる感が半端ないんだけど・・・

でも多分これってケーキだよね・・・・
ここは素直に貰っておくことにしよーと(бвб) 

「ありがとうございます」


席を立とうとしたら

「これからも優子の事よろしお願いします」

「あ、はい・・・・・・失礼します」

凄く真剣な顔をして立ち上がり頭を下げられたから
こっちも深く頭を下げた


Such is life 20 M

ゆっぴーから電話が来る前
爺やから連絡を受けていて事情は把握していた

電話の前に小嶋陽菜さんの事を少し調べさせてもらったら
四姉妹だけで住んでいて
高校へ行きながらバイトで生計を立てているとか・・・

ゆっぴーが興味を持ちお金もつぎ込んでる子がどんな子なのか
会って見たくなってめぐってきたチャンス(笑)


まさか篠田を頼ってくるなんてね
断れば済むものを・・・
それだけ大事な子なのかな?

特徴を根掘り葉掘り聞いてるといい事しか言わないゆっぴー
本人は無意識?

彼女を一目見てすぐにわかったよ(笑)
だって聞いてたままだったから

ゆっぴーが来れないとわかると帰ろうとするから腕を掴み強引に連れて行く

この子磨けばもっと可愛くなるし綺麗にもなると思う
パーティーとかで映えるだろうなー
ゆっぴーの方が負けちゃいそうだ(笑)

ランチはコースを予約していたみたいで
テーブルマナーが苦手そうな雰囲気を醸し出していたから
少し助けてあげた

食事のあいだ学校での話を聞いてみる

「別に普通です・・・」

「優子とはどうやって知りあったの?」

「うーん・・・・裏庭でなんとなく?」

フワッとした話し方で一見おっとりしてるように見えるけど
初対面の時の警戒心と言葉を考えると
しっかり者だと思う

ゆっぴーはどこに魅かれてるのだろうか?

本人は気になると言うだけで
まだ自覚してないみたいだけどね(笑)


お土産を渡すと一瞬顔が曇るのがわかった

しまった、まだそこまで親しくないのか((汗))

すぐ誤魔化したけど大丈夫だったかな・・・



さーてとたまには姉らしい事をしないとね





受付を通り過ぎてエレベーターへ向かおうとしたら

「すいませんどちらへ」

「篠田ですけど社長室へ」

「失礼ですがアポイントはお取りですか?」

見た事のない受付のお嬢さん
新人さんかな?

「秘書の大堀に伝えてもらえばわかりますが」

怪訝そうな顔をして電話を取り次ぎすぐに顔色が変わった

「申し訳ございませんでしたどうぞ((汗))」

「ありがとう(*`ω´)」

社長室に入ると第一秘書であるめーたんが立って待っていた

「10分だけだとおっしゃられてます」

「それだけあれば十分、ありがとね」

奥の部屋の扉を開け中に入る

「なんだ」

「優希の事で」

「その名前を口にするな(怒)」

「高校までで開放してあげてください」

「まだ駄目だ!せめて成人するまではわしが守ってやらないと・・」

「もう十分大人ですよ大丈夫です」

「だめだ!まだダメだ!卒業後は予定通り篠田の名前で留学させる
ちゃんとしたお披露目は帰って来てからだ!」

「あの子も我慢の限界に来てます
これ以上縛り付けるとどうなるかわかりませんよ
もし留学させるにしても何故女性として生活させていたのかを教えてあげて下さい」

「煩い!大島を捨てたお前にとやかく言われる筋合いはない出て行け!」

「私は大島を捨てた覚えはありません
ただ愛した人と結婚して名前が変わっただけ
優希の姉でありお父様の娘である事に変わりはありませんから」

それだけ言って部屋を出た

「麻里子様・・・」

「めーたんお父様をよろしくね(*`ω´)」


お母様と同い年で仲の良かっためーたん

二人共秘書として会社に入社し
その当時副社長だったお父様に見染められたのがお母様

三年後おじいさまの反対を押し切り結婚した二人
すぐに私が生まれ中々後継ぎが生まれない中
やっと生まれたのがゆっぴーだった

凄く嬉しそうなお父様に連れられ病院へ一緒に行った事は
鮮明に覚えている

二人の退院の日、仕事で迎えに行けず車だけを向かわせたお父様
その事を今でもずっと後悔し自分を攻めている


そうあの日・・・

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