Such is life 8 Y

「おかえりなさいませ優子様
麻里子様がお見えになっております」

「・・・・・」

「やっほーゆっぴー日曜日の朝早くからどこ行ってたの」

「麻里子に言う道理はない」

「たった一人のお姉様に冷たいなぁ」

「家を捨てたのはそっちだろ
もう大島家とは関係ないんだから
毎週帰ってくるな(怒)」

「坊ちゃまそんな言い方はよくありません(怒)」

「爺や良いんだよ
ごめんねゆっぴー
でもね結婚してもゆっぴーのお姉ちゃんには変わりないんだから
何かあったら相談してね」

「相談?そうだな俺はいつまで女になってれば良いんだ?
大学迄?それとも一生?
男同士結婚して子供出来ませーんてか
アハハハ冗談にもならないね(怒)」

「それは・・・・・お父様が決めることだから私にはわからない」


俺の言葉に辛そうにする麻里子は
9歳年の離れた本当のお姉ちゃん

俺が二歳の時お母さんが亡くなったらしくて
それからはずっと俺のそばに居てくれたのに
二年前好きな人が出来たから結婚したいと父さんに言うと
反対されて・・・
頑固な麻里子は、じゃー家を出ますと行って出ていった

それから俺はこの大きな家にたった一人

殆ど帰ってこない父さん
爺やや使用人はいるけど俺の家族じゃない


お金がいくらあったってこの寂しさは埋められない


だからかな余計に小嶋さんのことが気になった

お金がなくても幸せそうな小嶋さん
仲のいい家族がいる小嶋さんのことが・・

そして・・・自分のものにしたいと思ったんだ



最も卑劣な脅しとお金を使って




やっぱり私は最低な人間だ

Such is life 7 Y

その日小嶋さんの後をつけた

まさか誰かにつけられてるだなんて微塵も思っていないからだろうか

噂とは全然違う小嶋さんがそこに居た

不愛想で不良で毎日男遊びをしてる
夜遊びばっかりしいて授業中いつも寝ているのに
あまり先生から怒られないのは
先生とも寝てるから


どうやったらそんなひどい噂がたつんだろうか

私の目の前にいるのはニコニコ笑いながら接客していて
たまに失敗しては怒られ見えない所で舌を出してる小嶋さん

最終の電車に飛び乗り帰りついた所は小さなアパートで
入るのを見届け自分も家に帰った


次の日も後をつける

なんかストーカーみたいだけど学校とあまりに違う姿が面白くて
もっと知りたいと思ってしまう自分がいた

今日は早めに上がるみたいで22時前に裏口から出て来た

電車に乗るのかと思ったら早足でホテル街へ・・・


やっぱり噂は本当だったのか・・・

離れて見ているとホテルの裏口から1人で入って行った

正面からだとバレルから?

やっぱり援交してる子はみんな同じなんだね
自分の身体売ってお金稼いでいいもの買って遊ぶんだ・・・

無性に腹が立って出て来たところを写真に撮って
叩きつけてやろうと待っていたら

案の定男の人と出てきて

「お疲れ様でした(бвб)」

ん?お疲れ様でした?

「これ少ないけど妹ちゃんにあげて」

「わぁーいいんですかありがとうございます」

小さな袋を貰って喜んでる

「次いつ入るの」

「私は木曜です」

「おれは金曜だ、一日違いか(汗)」

「ふふふ、また一緒になった時はよろしくお願いします」

「働きすぎんなよ」

「はーい(бвб)」

男の人と別れると早足に駅へ向い終電に乗ってまたアパートへ入って行った


ホテルで働いてるの?
掛け持ちで毎日バイトしてるって事?
それも終電ギリギリまで・・・

何のために?


疑問に思い日曜日そのアパートを張り込むことにした

長期戦も覚悟していたのに

着いて少しすると

玄関が開き中から小さい子供が二人飛び出してきた

「こら、飛び出したら危ないでしょ(怒)」

そう叫びながら出て来たのは
髪の長さは肩ぐらいのボブで黒い髪をした女の子

小さい子供たちが中に向かって

「にゃんにゃん早く早く」

と叫ぶ

「わかってるから〜」

間延びした甘い声の女性が出て来た

・・・・あれ小嶋さんだよね・・・

学校では低い声しか聴いたことが無かったから驚いた

四人とも軽装だから近くに行くんだろう
そう思ってついて行くと
近くの緑地公園に入って行った

近くのベンチに腰掛け様子をうかがう

遊具で遊ぶ、おそらく双子の妹達を愛しそうな目で見守っている小嶋さん
もう一人も妹かな?
四姉妹なのか?・・・

大きい妹とレジャーシートを敷き二人で座っている

双子がお腹すいたと戻って来ると
カバンから包みを出す妹さん

お弁当かな・・・

少し近寄って見ると

ん?おにぎりだけ?

それを美味しそうに食べる双子ちゃん

「にゃんにゃんはどっち食べる?」

「陽菜は余ったのでいいよ」

「おかわり!」

「もっと食べたい!」

「ダメ!一人一個しかないの」

「陽菜お腹すいてないからこれ二人で半分こしな」

「ダメだよこれはにゃんにゃんのだよ」

「いいから」

「にゃんにゃんありがとう♪」

おにぎりを二つに分け双子に分け与えてる小嶋さんは
お母さんみたいで・・・

まさか双子のお母さん?

いや、どう見ても5・6歳だから年齢が会わないか

まだまだ帰って来ないだろうとふんでアパートに戻り
出て来たおばさんに聞いてみることにした

「こんにちは(-∀-`) 」

「こんにちは・・・」

初めて見る顔に挨拶されたら誰でも警戒するよね

とびっきりの笑顔で

「今住む所捜してるんですけどここ空き部屋ありますか?」

「そうなの?丁度一部屋空いたとこみたいよ」

「そうなんですかお姉さんみたいな方が住んでるんだったら
他の住人の方もいい人ばかりなんでしょうね」

「お姉さんだなんて、もうおばさんだわよ♪」

機嫌を良くしたのかペラペラ話し出すおばさん

「お兄さんは高校生くらいかしら?
丁度同い年くらいの姉妹が住んでるから
仲良く慣れるんじゃないかしら」

「姉妹だけで住んでるんですか?」

「そうなのよ、お母さんは三年前に亡くなってね
お父さんと暮らしてたんだけど
二年前に出ていったっきり帰ってこなくて
一時は施設に入る話になったんだけどね
長女の陽菜ちゃんが私が育てますって言って
今は三人の面倒を見ながら高校に行ってるのよ」

「良い姉妹ですね・・・」

「みんないい子よ♪あ、私から聞いたって言わないでね」

「お姉さんから聞いただなんて口が裂けても言いませんよ(-∀-`)」

「もう、嫌だわ(照)」

だから必死にバイトをしてたのか・・・

「私から不動産屋さんに言ってあげましょうか」

「いえ、自分で行きますから、ありがとうございました」

機嫌よく部屋へ入って行くおばさんを見送り
通りかかったタクシーに手を挙げた

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