旅館を調べ電話をかける


「小嶋と申しますが女将さんはいらっしゃいますか」

(どういったご用件でしょうか)

「優ちゃんと言ってもらえればわかると思います」


少し待っていると


(もしもし陽菜ちゃん?)

「はい、優ちゃんはそちらに行ってるんでしょうか」

(来たんだけど今はいないわ)

「なにか言ってましたか」

(私が求めるものは何も手に入らないって言いながら
お酒を浴びるように飲んで寝てしまったので
そのまま布団に寝かせて朝起こしに行くとお金だけ置いてあったの)

「行くような所わかりませんか?」

(そういう事言わない子だったから・・・)

「確かお兄さんがいましたよね」

(迷惑かかるからアイドルになってから
連絡はとってないって言ってたから
行くとは思えないわ)

「他に行くところは」

(わからないわ)

「そうですか・・・・・・もし戻ってきたら連絡もらえますか?」

(もちろん)



話の経緯をさっしーさんにラインしておく


どこへ行っちゃったんだろう・・・・

待って、あそこへ行った時、確か私に見せたい場所があるって言ってたよね
旅館から歩いていける場所・・・
まだ居るかどうかはわかんないけど
行動しないと見つからないから


「すみません急用ができて今から出かけますので
工事終わってもらえませんか」

「そんな急に言われても・・・」

「無理は承知ですが人の命がかかってるので」


大げさかもしれないけど優ちゃんのアイドル生命はかかってると思うから


「そう言われたら・・・・おい、片付けろ」

「ありがとうございます(бвб)」

「明日は大丈夫ですか」

「どれくらいかかるかわかりません」

「うちも仕事が詰まってるので後回しになっちゃいますよ」

「はい・・・・」


仕方ないよね、優ちゃんの方が大切だもん・・・・

優ちゃんの方が大切?お店より?

陽菜優ちゃんのことを・・・・

どうしてもっと早く気付かなかったんだろう
そうしたらこんな事になってなかったのに
陽菜のせいじゃん


どういうふうに行くのが一番早いか携帯で調べ
財布と携帯だけ持ち家を飛び出した