陽菜

駅から学校へ行く道とは逆方向だったから気づかなかったんだ

陽菜のポケットの中には優ちゃんの手と絡み合う陽菜の手
恋人みたい?

優ちゃんには好きな人がいるんだから困らせたらいけないって
思っていても死んじゃうかもしれない優ちゃんを
少しでも長く感じて居たくて・・・

好きって気持ちに歯止めがきかなくなって・・

時々困ったように笑う優ちゃんに気付かないふりをする

みーちゃんや家族と有名なイルミネーションを見に行ったことがある

ここのは凄く小規模でわざわざ遠くから来る人は少ないみたいだけど
好きな人と見る景色は今まで見たどのイルミネーションよりも綺麗で
目の裏に焼きついた

石段に並んで座り少しの間眺める

「綺麗だね(бвб)」

「・・・の・・・うが・・いだよ」

「え?」

ボソボソっと聞こえないくらいの声で囁く優ちゃん

「なんでもないよ、風邪ひいたらいけないからそろそろ戻ろう」

そう言うと来た時とは反対の手を握り
今度は優ちゃんのコートのポケットに入れてくれた

やさしすぎだよ優ちゃん・・・

アパートに帰りケーキを食べ順番にお風呂に入り
湯冷めしないうちに布団に入る

もちろん二人いっしょ、一式しかないからね

「やっぱりもう一式買おうか(汗)」

「陽菜と一緒じゃいや?」

「そうじゃなけどにゃんにゃんが狭いかなーて思ってさ
家では一人で寝てるんでしょ?」

「陽菜は大丈夫だもん、それに湯たんぽなかったら寒いじゃん」

「湯たんぽ?」

「そう、湯たんぽ替わり(笑)」

「カイロの次は湯たんぽかぁー(笑)」

「だって子供体温であったかいんだもん」

「昔っからよく言われてたなー
冬はいいけど夏は暑いから引っ付くなーとも言われたけどね」

「彼氏さん?」

「ち、違うよ両親!」

よかった・・・・

「彼氏っていたの?」

「そりゃーね高校の時はいたけど大学に行きだして
ちょっと事情があって忙しくなると自然消滅みたいな感じになった(笑)」

そっかー・・・いたんだ彼氏・・・

「そういうにゃんにゃんもモテるでしょ可愛いもん(-∀-`) 」

「陽菜は・・・・・お試しで付き合ってもすぐ別れてた
だってデート中胸ばっかり見てくるし
俺の彼女可愛いだろ!て友達に自慢するために
付き合ってるみたいだったんだもん
全然陽菜自身を見てくれなくて嫌になっちゃう(怒)」

「そっか・・・辛かったね
こんなにやさしくていい子なのにバカでねみんな」

そう言って頭を撫でてくれる

「ギュってしていい?」

「う、うぇ?」

「・・・しちゃうから」

アワアワしてる優ちゃんを正面から抱きしめる

「にゃんにゃん(汗)」

「このまま寝る〜お休み(бвб)」

「お、お休み(汗)」

優ちゃんの胸に顔を近づけたらドクンドクンと早い心音が聞こえてきた

優ちゃんもドキドキしてくれてるんだって思ったらうれしくて
少しの間聞いてたんだけど
その音が心地よかったのかいつの間にか意識を手放していた