優子

佐江に連絡して病院に来てもらった

「で、なんで三人もいるのかな?」

「わ、私はもうすぐ佐江ちゃんの奥さんになるんだから
身内も同然でしょ」

「まあ、そうだけど・・・才加は?」

「お、俺は・・・いちゃいけないのかよ(怒)」

「いや逆切れされても・・・一応身内の人って言われてるから」

「・・・身内になってもいいぞ」

「はい?」

「だから・・・俺と優子がけっ」

「ごめん」

さやかがなんて言おうとしてるのかわかってるから
それを制した

「優子・・・・」

「私は無理だよ・・・未来がないのがわかってて
誰かと家庭を持つなんて出来ない
それに才加の事はお兄ちゃんだと思ってるから
・・・・本当にごめん(汗)」

「いいって、俺も妹のように好きなだけだから・・・
だから、いつでもお兄ちゃんを頼ってくれよな」

「有難う才加・・・」

才加は出会ったころからずっと佐江と同じくらい
ううん、佐江よりも私を甘やかし可愛がってくれていた
一見強面に見える才加
でも私を見つめる目はすごく優しくて愛に満ちていた

一度佐江から才加の事をどう思ってるのか聞かれた事があって
その時もお兄ちゃんみたいで好きだよって答えた

一緒にいて楽しいし物知りだし尊敬できる人、でも・・・
佐江やゆきりんと同じ好きであって二人で居ても
ドキドキとかした事がないから
恋愛の好きじゃないと思ったんだ

でもね、小嶋さんは初めてあった時・・・
一目見た時からドキドキが止まんなかった
傘をあげてそれで終わりだと思っていたのに
夕方談話室で外を眺めていたら
楽しそうに友達と話しながら
駅へと入って行く姿を見つけた
高校生なんだから登下校は大体同じ時間だと気付き
その日から毎日談話室へ行くようになった
あ、土日は行かなかったけどね(笑)

朝は弱いのか殆ど不機嫌な顔をしてたこじぱ
夕方は決まった友達?
みーちゃんと二人で楽しそうに話しながら駅へ消えて行く
そんなこじぱを遠くから見てるだけで良かったのに・・・
それが死ぬまでの幸せだと言い聞かせていたのに・・・
まさか佐江が連れてきて・・・
それも才加のクラスの生徒だったなんて・・・

神様はいたずらするにもほどがあるよね

死ぬのを待つだけだった私なのに
またもがかなくちゃいけなくなっちゃったじゃん(笑)

少しでも長くこじぱを傍で見つめていたい
こじぱに触れてみたい・・・
出来る事ならこじぱと・・・

夢も希望もなかった私に少しの夢と希望を与えてくれたこじぱ

あなたに出会ったあの日から私の人生はまた動き始めていたんだね