優子
久しぶりの我が家
まさかまた帰ってこれるとは思ってなかった・・・
「どうぞ上がって、ちゃちゃっと掃除しちゃうから
ここに座っといて」
玄関入ってすぐの所に座布団を持って行き
こじぱを座らせ急いで掃除機をかける
狭いし、ほとんど何もないからあっという間に終わって
テーブルを真ん中に置いて呼び寄せる
確か紅茶のパックが残っていたはず・・・
「紅茶でいいかな?」
「あ、気を使わないで」
「私も飲みたいし入れるね」
「うん・・・・」
やかんに水を入れ火にかけ
カップを出して軽く水洗いをしておく
「ここに住んでたの?」
「うん、一人暮らしするようになってからずっとね」
「ふーん・・・」
「狭いでしょ(笑)でも一人だったし
何より安かったからね」
十畳のフローリングに三畳のキッチン
バストイレは別
まだ学生だったし両親が残してくれた
遺産で払ってたし・・・これで十分だった
「お待たせ(-∀-`) 」
カップを二個テーブルに置く
「お客様用とか無くてごめんね(汗)」
「ううん、お客さんじゃ無いんだから気にしないで」
少しの沈黙のあと
「あ、そうだ忘れてた」
そう言うと徐にスーツケースを開け何かを取り出した
「ちょっと偏ってつぶれちゃってる・・・」
悲しそうな顔をしてそう呟く
覗き込んでみると
「わぁーチーズケーキじゃん♪」
「作ってきたんだけどぐちゃぐちゃになっちゃった」
「見た目なんてどうでもいいよ
ありがとうにゃんにゃん(-∀-`) ・・・・あっ(汗)」
「ふふ、もうにゃんにゃんでいいよ(笑)」
ふわって笑ってくれるから私の心もフワフワしちゃう
「今食べてもいい?」
「ホントはクリスマスケーキにって思ってたんだけど・・・」
「じゃーさ買い出しに行こうよ
冷蔵庫に何もないくて食材買ってこなきゃだし
ついでに生クリームとかフルーツ買ってきて
ケーキにデコしよう(-∀-`) 」
「潰れてるもん・・・」
「大丈夫!そんなケーキもあるから、ね!?」
「うん(бвб) ありがとう」
「こっちがありがとうだよ
にゃんにゃんのおかげで楽しいクリスマスが迎えられそう(-∀-`) 」
「陽菜も!」
「何食べたい?お返しににゃんにゃんの好きなもの作ってあげるよ」
「なんでもいい、どうせ明日みんなで集まるんだし
今日は簡単なのでいいよ」
「せっかくのイブなのに?」
「うん、優ちゃんは何が好きなの?」
「私は・・・チーズたっぷりのオムライスとか
チーズインハンバーグとかチーズがいっぱい入ったグラタンとか」
「なんか子供みたいだね(笑)」
「あぁー笑ったな、だって好きなんだもんしょうがないじゃん」
「拗ねて可愛い(笑)」
「煩いやい!」
「・・・・・プッ!アハハハ」
こんなふうに心から笑ったのっていつぶりだろう・・・
にゃんにゃんといると心が軽くなる
年上なのに甘えたくなる
病気の事も笑ってる間は忘れる事が出来るよ
有難う陽菜、君に出会えてほんとに良かった