優子

意外に波長の合う山本君と濡れ鼠になって盛り上がっていると
動き出したから慌てて付い行く

次どこに行くのかな、中に入ると乾きにくいだろうなーて思って
山本君に聞くと

「だぶんハリウッドザライドや」

私の方を見ずに前を向きながらそっけなく答える

ん?さっきまでとは全然違うテンションだよね?

不思議に思いながら見ている方向を見ると・・・陽菜?

陽菜が渡辺さんの肩に手を置いて
楽しそうに相槌を打ちながら先頭を歩いていた

やだ(汗)

慌てて前に行きながら名前を呼ぶけど振り向いてくれない
その代わりに篠田君に声をかけられ無視できないから
話していると次の乗り場に着いちゃったみたい

「あれ?15分待ちやで!珍しいなんでやろ」

近くのお兄さんに話しかけてる増田君
話し終えて戻ってくると

「俺らラッキーやわ、さっきまで動いてへんかって
ほんま今さっき動き出したんやて」

「すげーな、今日はツキまくりや(笑)」

みんな盛り上がる中二人だけがなんか暗いような・・・(汗)
二列に並んで入って行くんだけどこのままいったら
陽菜と座れないよー(涙)

篠田君をかわして前に行こうとすると
それよりも早く私の横をすり抜けて行く人が・・?

渡辺さんの腕を握って

「お前乗れるんか?怖いんやろ」

「きょ、今日は大丈夫やと思う(汗)」

「無理せんとき」

「ムリしてへんわ」

「どうしても乗るんやったら俺が一緒に乗ったるから
後ろへこいや」

「な、なんで彩と乗らなあかんねん」

「他のやつも怖いから一緒に乗って!よう言うてるからやろ」

「今日は小嶋く・・・「あかん!!」

「え?」

「あ、・・・いや、小嶋は彼女おるんやから
邪魔したらあかんやろ、ほら大島さん前行き」

「うん・・・・」

陽菜の横に行くと山本君は渡辺さんの腕を掴んだまま
後ろに下がって行った

その姿を見ていると大きな手が頭に乗って来て
くしゃくしゃって撫でると

「ほら前進んでるぞ(бвб) 」

パッと振り向くと優しい顔をしていて・・・

「はるなぁ〜(汗)」

情けない声が出ちゃう私

それを聞いてフッと微笑むと肩をそっと抱き寄せてくれた