「じゃーなんで泣いてるの?」

「え?」

誰が?泣いてるのは優子でしょ?

その時陽菜の頬に何かが伝うのを感じた

陽菜が泣いてる?

「私何かしたかな・・・・陽菜が嫌がるようなこと
陽菜に嫌われるようなこと何かした?
いくら考えても思い出そうとしても思い浮かばなくて
何かしたんだったら教えて欲しいの」

優ちゃんは何も悪くない
悪いのは陽菜だから

「そんなの今更知っても仕方ないでしょ」

「仕方なくない!訳がわかんないまま
嫌われてるのって耐えられない」

「なんで、関係ないじゃん」

「関係あるよ!私は陽菜が好きなんだから」

「昔の・・・子供の頃の話でしょ」

「違う!昔も今も・・・ずっと好き!好きなんだもん(泣)」

「優子にひどいこと・・・あんなひどいことしたのに
好きだなんて信じられるわけないでしょ」

嬉しいのに・・・

「あ、仕事貰う為にそんなこと言って陽菜に取り入ろうとしてるんだ」

叫びたいぐらい嬉しいのに
陽菜の口からはヤッパリ嫌な言葉しか出てこなくて・・・

優子を軽蔑したように言ったのに

フッと微笑んだかと思ったら

「にゃんにゃんて嘘つくの下手だったよね」

「どういう事?」

「この写真見てたら思い出したんだ
にゃんにゃん嘘つく時必ず手を前で組んでたよね
たぶんばれない様に必死に隠そうとすればするほど
不安になって手を握るんだろうね」

「くっ・・・・・」

「今もずっと両手合わせたままだから嘘なんでしょ?
なんで私を拒もうとするの?本当の事言ってよ」

「優子を見ると苦しいの
一緒に居るとメチャクチャにしたいほど苦しい」

「どういう事?」

「わかんない?優子よりも先に好きだったんだから・・・」

「お兄ちゃんの事?そりゃ二人は同い年で
私より早く産まれてるから一緒に・・・」

「違う!陽菜は昔から優子を・・・・
優子の事を好きだった」

「うそ・・・・え?でもお兄ちゃんと付き合ってたんじゃ」

「それが間違いだったんだよ」

もういいや全部言ってしまおう

そう思ったら心にあったどんよりした黒い霧がスッとなくなり
今までの事は何かの小説を読んでいたかのような感覚に陥った

すべて話し終え優子を見ると放心状態で・・・

そうだよね、やっぱり許せないよね・・・

「仕事とプライベートは別だから
写真は優子に撮ってもらう、だから今日はもう帰って」

立ち上がろうとしたら

「嫌だ!」

「え?」

「それって私を好きだからでしょ
好きだから私を抱いたんだよね」

「でも優子の初めてを嫉妬にかられて無理やり・・・」

「それでも最後はやさしかった」

「っ・・・・」

「冷たく引き離しながら
色々助けてくれてたんでしょ」

「それは・・・・」

「今回だって・・・」

「違う!この写真は優子の力だから
陽菜が言ったからってこんなに載るもんじゃないから」

「やっぱり言ってくれたんだ(-∀-`) 」

「あっ・・・」

「アハッ(-∀-`) やっぱりやさしい陽菜のままだったんだね」

「ちがっ・・・」

「違わないよ、いつも意識がなくなる時
やさしく撫でてくれてるような気がしてた
夢かなって、自分の願望が見せてるのかなって思ってたけど
撫でてくれてたんだよね
気づかなくてごめんね」

「違う・・・優子は悪くない(涙)」

「ううん・・・自分の事ばっかりで
陽菜の苦しさに気づいてあげれなかった私が悪いんだよ」

「違う!」

「違わない、陽菜は何も悪くない
悪いのは私達を引き離した大人が悪い!」

「ゆう・・ちゃん・・・・」

「にゃんにゃん、好き大好き」

「っ・・・陽菜も・・・・好き」

「アハッやっと言ってくれた(-∀-`) 」

「許してくれるの?」

「許すも何も、初めから怒ってないから」

「ありがとう・・・・」

「えーと・・・私の恋人になってくれますか?」

「うん・・・・(涙)」

「アハッ、クールビューティが台無しだ」

「誰のせい?」

「私?」

「うん」

「じゃーもうやめて」

「クールビューティ?」

「そう、にゃんにゃんにクールは似合わない」

「じゃーゆうちゃんが撮ってね」

「専属にしてくれるの?」

「どうしようかなー(бвб)」

「あーでも可愛い陽菜をみんなに見せるのヤダから
やめとこうかなー」

「仕事ないくせに」

「陽菜に養ってもらう」

「それはダメー」

「えー冷たい(泣)」

「これから忙しくなると思うよ」

「そうかな?」

「陽菜が保証する(бвб) 」

「それなんか知ってる(笑)」

「優ちゃんが保証してくれたから陽菜トップモデルになれたんだもん」

「アハッ(-∀-`) 陽菜に言われたらなんか出来る気がしてきたぞー(笑)」



陽菜の言葉は本当になり

雑誌の写真が話題を呼び優ちゃんは
引っ張りだこのフリーのカメラマンになった



「むぅ・・・陽菜専属じゃなかったの(怒)」

「仕事とプライベートは別だって言ったの陽菜じゃん」

「あれは言葉のあやだもん(怒)」

「そんなあや、ないって(笑)」

プライベートでは陽菜専属だから許してあげるけど
浮気したら承知しないんだから!




夢がかなった陽菜



そして



もうすぐ優ちゃんの夢がかなう




”大島優子が撮り下ろした小嶋陽菜写真集近日発売決定”






おしまい


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