その手に恋して 7

緊急の時はこの携帯番号にかけてくれる?

そう言って新しい番号を教えて貰った
仕事用じゃなくてプライベート用なのかな?

なんだか少し特別な感じがして嬉しくなる

それから怒涛の日々が始まった

ずっと現場にいて分かった事は
私が思い描いた空間をそのまま図面にしてるはずなのに

ちゃんとは伝わらない事

任せっきりだったら大変なことになってたかも(汗)

そこは篠田さんに感謝しなくちゃ


でももう二軒抱えてる仕事があるから
体がボロボロ

「ふぁぁぁ〜・・・」

「仕事中に大きなあくびとか
たるんでるんだな(бвб)」

「あ、おはようございます(汗)」

「責任者がそんな事だと困るんだが」

「申し訳ありません・・・・」

今日締め切りの企画書を仕上げてたら朝になっちゃってて
実は寝てない

取り掛かってから丁度一週間
終わりが見えてきて一瞬気が抜けたところを見られるなんてついてない(汗)

「この後ランチでもどう?」

「すいません、昼から打ち合わせに行かないといけなくて」

「そっちに構ってこっちがおざなりにならないように頼むよ」

「そんな事になりませんから(怒)」

もう、何なの嫌味ばっかり言ってきて(怒)

言うだけ言うと出て行き店の前に止めてある車に乗り込む篠田さん

今日は自分の車なのかな?
運転席に乗り込んだし少しカッコいい車

そんな事はどうでもいい
一度会社に戻って用意しなきゃ(汗)

「すいませんまた夕方来るので
後お願いします」

職人さん達に挨拶をして店を出て駅へ向かう
はぁ・・・マジ身体ヤバいし心も折れそう(汗)
陽菜さんに時間外お願いしようかな

コンビニでお昼を買い電車に乗る前に電話してみる

「・・・・・はい」

「あ、大島です今電話大丈夫ですか?」

「ちょっと待って・・・・・・はい、いいよ」


ナビの声が聞こえたような気がしたから運転中?
今日は予約はいってなかったのかな・・・


「すいませんまたかけなおしましょうか(汗)」

「いいよ、どうしたの」

「今日なんですけど時間外お願いできますか」

「いいけど、何時になるかな」

「頑張って10時には着きますのでお願いできますか」

「いいよ、遅くなりそうならまた電話ちょうだい」

「ありがとうございます
よろしくお願いします(´-∀-)」

やったー(´-∀-)これで今日の仕事頑張れる♪

早くあの手に癒されたーい!

その手に恋して 6

今日は最終打ち合わせ
篠田さんも同席されると聞いた

あれから会ってなかったし
メールもなかった・・・当たり前だけど

「こんにちは、今日はよろしくお願いします」

「今日は普通の服装なんですね」

「あら、あれ以降は今日みたいな格好だったわよね」

「あの時は初顔合わせだったので・・・」

「あれで気合が入ってたの?」

「一応勝負服でした(怒)」

「リクさん!あまり挑発しないでください」

「本当の事言ってるだけだけど」

「すいません、冗談が好きな方で(汗)」

「いえ、おっしゃる通りですから
でも、仕事は毎回全力投球ですので安心してください(-∀-`) 」



全て確認が終わり

「では、二週間後から取り掛からせていただきますね」

「よろしくお願いします」

「もちろんずっといるんだよね」

「え?いえずっとは・・・
仕上げに入ったらかかりっきりになると思いますが(汗)」

「少しでも違う所が出て来たら責任取ってもらうよ」

「リクさん!」

「わかりました、毎日立ち会わせていただきます」

他の仕事が出来なくなっちゃう(汗)
はぁ・・・完成するまでまた残業かオールだ(泣)

そうなると陽菜さんの所に行けなくなるから
今のうちに通っておかなきゃ



「いらっしゃいませ」

「よろしくお願いしまーす(-∀-`) 」

「今週は珍しく三回目だね」

カルテを見ながら話す陽菜さん
あれ?少しの間来れないかもって先週話したような・・・

沢山の人を施術してるんだから忘れちゃうよね

「そうなんです、明日から作業に入るので
それが終わるまで一度これるかどうかも危ないので
今のうちに癒されておきたくて」

「現場ならそんなに遅くならないでしょ」

「毎日行かないといけなくなっちゃって
他の仕事をするのはそれが終わってからになるでしょ
そうしたら残業になっちゃうし
ヘタしたらオールなんて日もあるかも
だからここへ来れないんです(涙)」

「・・・・・・」

今日は初めからマスクをしてるから表情を読み取れない

そう言えば施術をする前にマスクをする日と
初めからしてる日があるのは何かあるのかな
それともたまたま?

話をしながら更衣場所で服を脱ぎショーツだけになりベットへ上がり
上向きで寝ると胸の上にタオルを掛けてくれる

足から徐々に大胸筋へ

「あぁー幸せ(-∀-`) 自分ではここまで気持ちよくならないもん」

「胸の所は特に自分では押せないものね」

「そうなんですよ、私体の割に胸が意外に大きいから凝っちゃって(笑)」

「確かに柔らかくて大きかったかも」

ん・・・・・かも?

「じゃーうつ伏せになって下さい」

今度は肩のあたりから背中、そして足へと降りて行く

実は日によって押さえる強さが違う
私の凝り方の違いが影響してるのかもだけど
今日の強さは大好きな強さ

「気持ちよくて寝そう(-∀-`) 」

「寝たら襲うよ」

「へぇ?」

「冗談」

「・・・もう、びっくりする冗談はやめて下さいよ(汗)」

「それとも襲って欲しいの?」

「そんな事思ってませんよ(汗)」




「はいお疲れ様でした」

「ありがとうございました(-∀-`) 」

服を着て椅子に座るとハーブティが出て来る

「デザイナーさんなのにずっと居なきゃいけないの?」

「本来は初めの方は確認の為に一日に一度行くだけでいいんですけど
今回の仕事は初めての大きな仕事だしそれに・・・」

「それに?」

「前に話した人に文句を言われないくらい完璧にしたいので」

「前に話した人?」

「ほら、相談したじゃないですか」

「・・・・・・」

そうだよね、しょせん沢山いるお客の一人だもん覚えてないよね

「一夜限りの人ですよ」

「・・・・・あぁ・・・一夜限りなんだ」

「だって本当に何のリアクションもないんですもん」

「気になるなら自分から行けば?」

「今日は凄い積極的なアドバイスをしてくるんですね
でも私そう言うキャラじゃないですから」

「ふーん(бвб)」

「どうしても癒しが必要になったら緊急連絡しますね」

「空いてたらいいけど」

「そうですよね・・・・」

「遅くてもいいなら時間外だけどしてあげるよ」

「本当ですか!!時間外料金払うのでお願いします」

「そんなのいらないから(笑)」


やったーこれで何とか乗り切れそう♪

その手に恋して 5

「はぁ・・・・」

「どうしたのため息なんて珍しい」

「べ、べつに・・・・たまたま出ちゃっただけです」

その会話を最後に

カチャカチャ・・・・・

今日の陽菜さん口数少なくない?

「それじゃー始めるね」

ツツ、ツー・・・・

「は、陽菜さん(汗)」

力を入れず背中をサワサワと触るからこしょばゆい

「初めて会った人とヤッちゃう子だったんだね・・・」

え?

「な、何を言ってるんですか(汗)」

うつ伏せになってたから上半身をあげて顔を見ると

「え〜だってわかるよ
こんな所に先週にはなかったキスマークがあるんだもん」

そう言って背中の部分を押された

「彼氏のいない優子ちゃんが一週間の間に
そういう事になるってことは
行きずりの関係なのかなって思うじゃん」

「・・・・・・・」

何も言い返せず顔を伏せていると

「ごめん(汗)半分冗談で言ってみたんだけど
ビンゴだったの(汗)」

「実は・・・」

今日はもう後がないと聞いて
施術は後回しにして話を聞いてもらうことに

似てるということは省いてすべて話した
だって聞き出すのうまんだもん(汗)

「優子ちゃんて仕事はできるのに
恋愛は全然ダメだったんだね」

「あわわ・・言わないで下さい(汗)」

あぁーもう、言っちゃえ

「あのう・・・言い訳になるんですけど
その人陽菜さんにそっくりだったんで
つい気が緩んじゃって(汗)」

「私にそっくり?」

「そうなんですよ、男性なのにそっくりで
あ、もちろん髪は短くて声も気持ち低かったですけど・・・」

「ふーん・・・・」

何か考えてる様子の陽菜さん

「その人とは仕事でこれからも会うんでしょ?」

「はい、私の企画なので最後まで担当します」

「じゃー行きずりにならないかもね」

「ダメですよ、そんなのがバレたら体を使って
仕事を取った!みたいに見えるじゃないですか」

「あぁー・・・確かにそうかも」

「だからやっぱり一夜限り・・・かな」

「そんなに落ち込まないの!
私の手があれば生きていけるんでしょ」

「はい!そうでした」

そうだよ、陽菜さんの手があれば何もいらないじゃん

「そろそろしようか」

「はい、お願いします」

今日もしっかり癒され無事家に帰り着いた

その手に恋して 4

それからの事はあまり覚えてない

気づいたらホテルの部屋にいた

確かラウンジを出てエレベーターに乗って
そのままここへ・・・・
鍵を持ってたってことははじめからそういうつもりだったってこと?

なんで付いてきちゃったんだろう・・・
腕を掴まれてたけど振りほどくことが出来る強さだったのに・・・

「おいで」

この顔とこの声に逆えなくて腕を伸ばすとぐいっと引き寄せられた


どうしよう、今日始めてあった人とキスして
ヒョイヒョイこんなところまで付いてきちゃって
それよりも何も取引先の社長の息子だよ
こんなことダメだよね(汗)

「あのう・・・やっぱり(汗)」

「逃さないよ」

この声と微笑みにほだされてしまう

「あっ・・・やッ」

私の弱いところに触れてくる

知らないはずなのに・・・(汗)

「待って下さい(汗)」

聞かなきゃ、陽菜さんを知ってるか
関係があるのか
それを聞くために多分付いてきたんだから

なのに慣れた手つきで服が脱がされていく
やっぱり慣れてるのかな・・・・
モテるよね・・・当たり前か

「つめたっ(汗)」

陽菜さんの手はいつも暖かいからやっぱり違う?

その手は胸へと伸び揉みしだかれる

「んあっ・・・まって・・聞きたい・・・こと・・が」

「僕に聞きたいこと?」

もう片方の手が下へと伸びていき

「ここは早くして欲しそうだよ」

「やっ・・・ちがっ」

そこからは話ができないほど攻められて・・・

久しぶりだったのもあってか
受け入れた時痛かったけどすぐに気持ちよくなって
何度も達してしまった

そう、私は人生で初めて一夜限りの・・多分だけど
一晩限りのセックスをしてしまった

その手に恋して 3

廊下を歩いていると

「今日、軽く食事にでも行かない?」

え?

驚いて振り返ろうとした時足がもつれて

「キャッ(汗)」

「おっと」

「ヒャッ(汗)」

え?今支えられた時右の脇の下さらっと撫でられた?
偶然・・・だよね?

「ありがとうございます」

「で、行くの行かないの」

「どういうことですか?」

「あの資料にもう一度目を通してたら
聞きたいことがまた出てきてさ」

陽菜さんを知ってるかどうかをそれとなく聞いてみたいし・・・
資料のことで誘われたんだから良いよね

「ぜひ!お願いします」

「仕事何時まで」

「え?今からじゃないんですか」

「僕も仕事があるので」

そうだよね、当たり前か

「5時には終わります」

今日の分を明日に回さないと(汗)

「終わったらメールくれるかな」

「わかりました」

さっき連絡用にとアドレスを交換したのがさっそく生かされた?


終業時間と同時に席を立ったからみんな驚いてる

(今終わりましたどこに行けばよろしいですか)

(外にいる)

外にいる?・・・・・うそ(汗)

慌てて下まで降り玄関を出るとタクシーが一台止まっていた

覗き込もうとしたらドアが開いて

「乗って」

「はい」

となりに乗り込むと行き先を言ってないのに車が進みだす

先に言ってあったのかな

無言のまま着いたのは誰でも知ってる有名なホテルの入口

今日はちゃんとした服で来ててよかったと胸をなでおろす


エスコートされた場所は・・・さすが社長の息子
こんな所一生に一度行くか行かないかだよ(汗)

食事も軽くって言ってたはずなのに出てきたのはフルコース
もちろん年代物の名前も知らない高級ワインを飲みながら・・・

「美味しい(-∀-`)」

無言の篠田さん

こういうところでは話をしたらダメなのかな・・・
そう言えば皆さん静かに食べてる感じ?
少しくらいは話してるみたいだけど
初めてだから何話していいかわからない

そう言えば仕事の話はいつすれば良いんだろう・・・

食べ終わると

最上階のラウンジに連れて行かれ
そこでやっと資料の話が出た

「ここなんだけど」

「あ、これはですね」

カクテルを飲みながらだけど真剣に仕事の話をしてるから
なんか変な感じだ

初めての顔合わせであんな感じだったけど
どうせ社長の息子だから
という偏見で人を見てたのは自分の方だ

こんなに仕事熱心で真面目な人今時珍しいよね

「大島さんて真面目なんだね」

「そんな事ないですよ
先輩にはやりすぎだって言われてるし
要領悪すぎっていつも怒られてます
篠田さんはいつもこんなところで食事されたり
飲まれたりしてるんですか?」

「今日は特別」

耳元で囁かれた声は陽菜さんの声に似ていたからビクンとなってしまった

やっぱり顔が似てると声まで似てくるのかな・・・・
男と女なのに・・・

それに特別って・・・

「あのう、どういう意味で・・・・・・・・」

篠田さんの方を見ると顔が目の前にあって
唇が重なった

「・・・・・・え、あ、え、えぇぇ、な、何なんですか(汗)」

「ごめんごめん」

クスクス笑いながら謝られてもなんかねえ(怒)

「ほら俺って社長の息子だろ
近寄ってくる女も男も上辺ばっかり着飾っててさ
中身は全然なかったりするのに
大島さんは逆だろ
格好とか身だしなみがさ(笑)」

「すいませんね(怒)」

「アハハハ一応褒めてるんだけど(笑)
それって中身が綺麗だってことだろ
そこに魅力を感じたんだけどダメだったかな」

「ダメじゃないですけどいきなりすると・・・んっ・・」

またキスされて・・・今度はギュッと目をとじた
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