「おーい、もうお昼だぞ」
「・・・・・・ヤバッ
今行きます(;´-∀-)」
「疲れは取れたか（笑）」
「すみませんでした」
「おいおいそんなボサボサの髪のままだと
綺麗な姉ちゃんに振られちゃうぞ（笑）」
「ですよね(;´-∀-)」
みなさんずーと居たみたい（笑）
「みんな爺のくせに
お昼はナポリタンが食べたいっていうから
作ったんだけど食うだろ？」
「はい(-∀-`) 」
「爺とはひどいな
まあ、家ではめったに食えないからな
それにここのは美味い」
「当たり前だろ、誰が作ってると思ってるんだ（笑）」
みなさんいい顔してるから
カメラを取りに行き笑顔を激写
「俺らを撮っても金にならないぜ（笑）」
「ここに大きなパネルにして飾りますよ」
「遺影の代わりだな（笑）」
「死んでも幽霊になってここへ通うぞ（笑）」
「夜は暗いんですからやめてくださいよ(;´-∀-)」
食べている途中先輩から電話がかかって来た
「ちょっと失礼します」
奥に入り電話を取る
「はい」
（これは脅しのつもりか）
「どう思っていただいても構いません」
（あんなことぐらいでやめる俺じゃないがな）
「訴えてもいいんですか」
（賠償金４、５万ほど払って終わりだ（笑））
確かにそうかもしれない
陽菜の事が明るみに出たら
凄いボーナスを貰えるだろうから
痛くも痒くもないか
ダメだもう、何もない・・・・
「ちょっといいか」
電話を切れって言うデスチャーをするから
「またすぐ電話します」
それだけ言ってこっちから切る
「あの記者だろ」
「はい・・・・」
「実は面白い情報が手に入ったんだが」
「え」
「結構危ないやつらと関係してるらしいぞ」
「ヤク・・・・・」
「報酬を渡してやらせネタも載せてるらしい」
だから、そういう記事をスクープ出来ていたのか
「でも証拠がありません」
「まあ、関係してるのは下っぱだろうけど
組長の名前を出してある筋から伝えると言えば
おじけづくかもな」
「それを言うとおじさんに迷惑が掛かるんじゃ(;´-∀-)」
「なーに、古い付き合いの人間ばかりだから
わしは大丈夫だ」
「ありがとうございます」
折り返し電話をかけ今聞いた話を
簡潔に伝える
「どこでそれを」
「顔の広い友人がいるので
もしこれ以上陽菜を追いかけるなら
私も容赦はしませんよ
週刊誌記者の裏側をスクープ！」
「・・・・・・くそ」
そう吐き捨て切られた電話
「大丈夫そうか？」
「おそらく」
「そうか、また新しい情報が入ったら
すぐに知らせるな」
「ありがとうございます」
待たせたな！と言いながらカフェの方へ出て行かれた
本当にいつも助けてもらうばかりで何も返せていない
この御恩はいつかきっと
夜電話すると明らかにテンションの低い陽菜
「どうかした？」
「ん・・・・どうもしない」
「私に言えない事？」
「迷惑かけたくないから」
「もう遅いと思うんだけど（笑）」
「そうだよね・・・・実は」
先輩と会って言われたことを聞いて不安になった
先輩はしつこいので有名でどんな手を使ってでも調べに調べるタイプだ
だからあの事にも気づくかもしれない・・・・
ダメ、それだけはダメ！何とかしなきゃ(;´-∀-)
陽菜の記事よりもインパクトがあって
強烈なスクープを渡さないと交渉してくれないだろうし・・・
それとも弱みを握るかだな・・・
と言っても弱みなんて私が知るわけもなく・・・・
もう一度だけ助けてもらおう
山口県に泊ろうと思ってたけどそのまま引き返す事にした
「お昼にフグ食べといてよかった
それとあの橋、思ったよりも長かった
陽菜がいたら喜んだだろうなー・・・・」
離れていても陽菜だったらとか思ってしまうのは
そうとうイカレテル（笑）
夜間の高速料金は割引になるから助かる
途中のＳＡで仮眠して日が昇るか昇らないかくらに出発
７時前に自宅のカフェに着くとおじさんは外の掃除をしていた
「早いですね」
「どうしたんだ？もう帰って来たのか」
「恋人がピンチなんです助けて下さい」
「落ち着きなさい、朝まだだろ
モーニングでも食べながらゆっくり聞こう」
殆どの事情を知っているおじさんだから隠さずすべて言った
「そうか・・・・優子ちゃんが居なくなった日にここに来て
騒ぐわ物を壊すわで大変だったんだと言ったろ」
「すみませんでした(;´-∀-)」
「もう私のものではないから良いんだ
だが飾ってあった写真やパネルを全部壊して行きやがってな
訴えてやろうとも思ってたのに
優子ちゃんが良いって言うから何も言わずにいたんだが
こうなってくると話は別だな」
「でも証拠がありませんし
知らないと言われたらそれまでかと」
「ワシの常連客を甘く見るなよ
爺たちでも携帯くらいは操れる
その場にいた三人が三人共録画しててくれたから
証拠は十分だ（笑）」
「でもそれだけでは罰金で終わるかもしれない」
「その時のパネルの破片が飛んできて怪我をしてたとしたら？」
「したんですか？」
「少しだけど立派な傷害罪だ（笑）」
「行けるかもしれないですね」
「言ってみる価値はあるかもな」
「あとバレると困る奴らも知ってるから
それとなく耳に入れて圧力をかけさせるよ」
「ありがとうございます」
カランコロン
「いらっしゃいませ」
「あれ、しばらく戻らないんじゃなかったのか？」
「山さん達に会いたくなって戻ってきちゃいました（笑）」
「嬉しい事言ってくれるねぇ～
よし、今日は二杯飲んじゃうよ」
「アハッ、ありがとうございます」
「いやいや、おかわり無料だから」
「そうだっけ？（笑）」
ここはいつも明るいから救われる
「また写真飾ってくれよな」
「あ、ご迷惑おかけしました(;´-∀-)」
「なーに、楽しませてもらったよ
たまには刺激も無いとボケるからさ」
「山さんはまだまだ若いですって」
「いつまでも元気で
ここに集いたいもんだ（笑）」
「ずっと来てくださいね」
「運転できるうちは来るぞ」
「出来なくなったら迎えに行きますよ（笑）」
「よろしく頼むな（笑）」
「ほら出来たぞ、そうなったら俺がタクシーで
迎えに行ってやる（笑）」
「俺は優子ちゃんに迎えに来て欲しいんだ！」
「送迎代１万円くらいとってやれ」
「ボッたくりカフェだな（汗）」
「お、なんか楽しそうじゃないか」
次々やってくる常連さん
「優子ちゃんはもういいから奥で休んだらどうだ」
「そうさせてもらます
皆さんまた明日」
早く先輩に連絡しないと
何調べられるかわからないからね(;´-∀-)
急いで居住空間へ行きＰＣを開く
送ってもらった動画を少し編集して
先輩へ送り少しだけ横になったつもりが
眠ってしまっていた
陽菜はプロだから機嫌が少々悪くても
ちゃんと仕事は出来る
無事レコーディングを終え事務所へ
「写真集の最終チェックするから」
「どっちにしたの」
「こじはるの日常」
「ネームがダサい」
「もし・・・・もしも反響がよければだけど
もう一つもすぐ出すから」
結局両方気に入ってんじゃん（笑）
「ねえ、後ろは次に繋がる写真にしない？」
「夜の写真？」
「そう、その方がほかの写真をもっと見たいって
思ってくれるかもしれないでしょ」
「そうね・・・・そうするわ」
「その写真は陽菜に選ばせて」
「・・・・・・・あまりに変だったら却下よ」
「へんな写真なんてないし（怒）」
「イメージ的によ」
「わかってる」
夜間に撮った中でも最高の一枚・・・・・は
取っておくとして
見て欲しい写真があるんだよね
裏表紙だからもちろん後姿
月が凄く大きくて陽菜が飲み込まれそうな一枚に
優ちゃんの手が写り込んでるやつ
捕まえなきゃ行っちゃうって思ったらしい（笑）
「あなたあんな子達まで相手にしてるの」
「はぁ？するわけないし（怒）」
「今はすぐに書かれちゃうんだから気を付けなさい」
「もうしてないから」
陽菜が遊んでるのをよく知ってるマネージャーだから
そう思われてても仕方ないけどなんかムカつく
「もう帰ってもいい？」
「送るから待ってて」
「タクシーで帰るし」
「ダメよ、ハイエナたちがウジャウジャしてるんだから」
「わかった」
今は仕方ないか
違う変な噂が立ったら本当に写真集売れなくなっちゃいそうだもん
て言うか販売中止にされたら嫌だから出るまでは大人しくしてなきゃ
「ねえ、マンション変わりたいんだけど」
「そうね・・・・あそこは芸能人が多いし
普通に住んでるのがバレてるから変わった方がいいわね」
「今より狭くてもいいから」
「あら、あなたにしては珍しい事言うのね」
だって落ち着いたらカフェの方が主になるから
二人には申し訳ないけど
年齢的にも後１年ぐらいだと思ってる
その時は契約更新をせず事務所を退社するつもり
まだ言わないけどね
「後ろの車ずっと付いてくるわね」
振り返って見ていると確かにずっと付いてくる
「どこかに停めてみたら」
そうね、と言うと駐車スペースに車を寄せる宇佐美さん
通り過ぎて行った・・・・・
と思ったら前の空いたスペースに停めてるし・・・
「やっぱり尾行してたのね」
「ストーカーじゃん」
「せっかく停めたんだし御飯でも食べに行く？」
このまま帰っても何も無いし丁度いっか
「いいとこないか探してみる」
携帯で検索すると個室があって良さそうなお店があったから
電話するとすぐ予約で来た
「歩いて五分ほどだから」
車から降りて歩き出すと距離を取り付いてくる二人組
に、気を取られていたら前からいきなりあらわれた記者
「小嶋さん、大島さんとの馴れ初めを
詳しく教えていただけませんか」
この人どこかで見たことあるかも・・・・
「高校の時の同級生です」
「卒業してから会って無かったんですよね
もしかしてクリスマスの日に会われたんじゃないですか？」
どうしてそれを・・・・
思い出した優ちゃんが先輩って言ってた週刊誌の人だ
写真を見せられてこの人には気をつけてって言われてたんだった
「同窓会とかでも会ってましたから」
うそだけど
「おかしいな、同級生の人達に聞いたんですが
小嶋さんの事を覚えてる人があまりいなくて困りましたよ
写真見せてもらいましたが別人のように変わってますね」
「整形はしてませんが（怒）」
「性格もですよ
まったく目立たない学生だったらしいじゃないですか
勿論同窓会にも一度も参加していない」
「すみませんが今はプライベートなので
取材はお断りします」
マネージャーが割って入ってくれる
「調べれば調べるほど面白いものが出て来そうですね」
ニヤニヤしてて気持ち悪い
「スクープを横取りされたからって
そんな所まで調べて最低」
「ふん、根回ししたって書いてやるからな覚えてろ」
そう吐き捨て去っていった最低野郎
どこまで知ってるんだろうか・・・・
事務所は守ってくれるのだろうか・・・・
遊びはバレても人気落ちるだけだけど枕は・・・
たぶん解散になるだろうし事務所も叩かれるだろう
「相手の事務所も圧力かけると思うから
名前が出る事はないだろうけど覚悟しておかなきゃね」
宇佐美さんは知らないもんね
だから、火遊びが記事にされると思ってる
本当の事を知ったらみんなどうかわるんだろうか
「いい加減にしなさいよ（怒）」
「・・・・・むぅ・・・」
車に乗り込んだ第一声がそれってどうなの
それにいつものマネージャーじゃなくて
チーフマネが迎えに来るのは珍しい
「平嶋ちゃん風邪か何か？」
「今日から私があなた専属になったの！」
「えぇぇ～なんで、やだ」
「誰のせいでこうなったと思ってるの
私だって嫌だから（怒）」
絶対自由きかないじゃん（汗）
「さっきからずっと後ろについてる車
どこの週刊誌かしら」
後ろを振り返って顔を見ると
朝のあいつ
「いっつも最低な記事書いてる所の記者」
「これから何も無かったら
いつかは諦めるでしょうから
大人しくしててよ」
「少しの間戻ってこないから安心して」
窓の外を見ながらそう吐き捨てる
「まだ、俳優とかの方が良かったわ」
「はぁ？どういう意味（怒）」
「あれだけ男と遊んでいたのに
どうして女性へ行くのか分からないわ
まあ、また気が変わってすぐ別れるかもだけど」
「これからどんな人が出て来たって
優子以外は絶対に好きになんてならないから」
「あなた女性が好きだったの？」
「優子が好きなの！」
「まさかたかみなや峯岸にまで・・・」
「それは絶対にあり得ないから」
「とりあえず大人しくしててよ」
「わかってるし（怒）」
はぁ、もう、イライラする（怒）
スタジオについて先に降り
中へ入ると今売り出し中の若手男性アイドルGがいた
朝からの歌入れだったのかな？
「おはようございます(бвб) 」
一応仕事スマイルで挨拶
「ち～す」
はぁ？と思ったけど顔には出さない
ちゃんと挨拶する子もいるからその子には
もう一度微笑んでおいた
控え室に向かっていると
チャラチャラしてた二人がついてくるけど
方向が同じなのかと思って気にしてなかったら
いきなり肩を掴まれビックリして振り返る
「何か用」
「先輩から聞いたんすけど
こじはるさんて誰にでもさせてくれるんすよね」
ニヤニヤして気持ち悪い
どうしてこんな子があのグループにいるんだろう
「何を言ってるのかわからないんだけど」
「俺上手いっすよ」
「・・・・・間に合ってます」
「女じゃ満足できないっしょ（笑）」
「お子ちゃまはグループの中で
大人しくしててくださーい」
「強引なプレイが好きなんだろ来いよ」
「離してよ（汗）」
腕を掴まれ男子トイレに引き込まれそうになった時
「あなた達何をしてるの」
車を置きに行っていたマネージャーがやって来た
「俺ら誘われて・・・・なあ（汗）」
「お、おう（汗）」
「あなた達は戻りなさい
但しまたこういう事があれば事務所に報告するから」
「そいつが色目を使って誘ってきたんだから
そっちが気をつけろよな」
そう吐き捨て逃げるように去って行った
「今の子達は礼儀がなってないわね」
「それだけなの？
いま襲われそうになってたんだよ」
「あなたが招いた事でしょ」
「くっ・・・・」
誰のせいだと思ってるのよ
あんた達の同僚のせいで陽菜は・・・
「あれ、ぱる早いやん
あ、おはようございます
宇佐美さん今日現場来る日でしたっけ？」
「今日からまた小嶋専属になったの」
「全体は誰がやるんですか？」
「私が両方兼任よ」
「ご苦労様です（汗）」
労う言葉なんていらないのに（怒）
はぁ・・・・もう優ちゃんに会いたくなってきたじゃん
どうしてくれるの（怒）
陽菜が降りて１０分後に出発
「さてと信楽へ出発」
一人になって急にさみしくなり
誰もいないのに声を出して紛らわす
「たぬき買って帰ったら喜ぶかな・・・・」
考えるのは陽菜の事で
何を考えても陽菜が出てきて
しまいには
車を走らせながら昨晩の事を思い出す
・・・・・陽菜可愛かったな～(-∀-`)
ダメダメ、今対向車が変な顔して見てたよね？
そりゃニヤニヤしながら運転してたら気持ち悪いか(;´-∀-)
お、今すれ違った車今はやりの車種だ
・・・そうだよな・・・
大きめの車がいいよね
荷物も沢山積めるし
陽菜なんてこの車だと
二人でねるのには狭いって言ってたし・・・(-∀-`)
それに昨日結構
ボディーやフロントにあたってたんだよなー・・・
だぁ！！何考えてるんだ優子
違うだろ、車の中で寝やすくするためだろ！
「ねやすく・・・動きやすく・・・(-∀-`) 」
何を考えてもそっちへ行ってしまう(;´-∀-)
眠くならないから良いけど顔が・・・
朝ご飯調達ついでにマスクも買わなきゃだ
無理やり違う事を考えてみる
陽菜は朝ご飯食べたかな・・・
野菜ジュースだけ飲んで一日食べないことなんて珍しくないよ
と、平気でいってるのを聞いて
アイドルにならなくてよかったって思ったもん
まあ、なれるわけないけど(;´-∀-)
ピコン！
（サンドイッチとコーヒー買った(бвб) ）
いちいち報告してくるのがヤバ可愛い(-∀-`)
ほら、またすれ違った車の人変な顔してたよ(;´-∀-)
進行方向に見えたコンビニにすぐ入り
サンドイッチと珈琲を買い
写真を撮って送り返す
（いっしょ―(бвб) ）
そりゃそうだよ、真似したんだから
（一心同体だからね）
キモイ、とかすぐ送られてくるかと思ったのに
なかなか返信が来ない
・・・・引いてるのかな(;´-∀-)
ピコン
やっとき・・・た・・・
見た瞬間
画面に向かって唇を押し付けてる私は
どっからどう見ても変態だ
だってあんな写真送られて来たら
しないわけにはいかないでしょ
「冷たいや・・・・」
陽菜のあの柔らかくて弾力のある唇を
思い出しながらもう一度キスをするけど
やっぱり固くて冷たい
「はぁ・・・・出発するか」
突き出した唇は保存して
暇な時に開いてキスしようーと(-∀-`)
つぎはいつ会えるかなー
本物の唇にキスしたいなー(-∀-`)
なんて能天気に考えていた私は大馬鹿野郎だ
陽菜が記者やレポーターから執拗に追いかけられるのは
分かっていた事なのにね
