隣の優ちゃん 2

「大島先生おはようございます」

「おはよう」

白衣を着てメガネを掛け(伊達だけど)
キリッとした顔をした優ちゃん

(クールでカッコイイ)
(メガネ美人だよな)
(たまに微笑むとエクボが出来て可愛い)
(そうそう、そのギャップがまたいいの)

「新任なのに男子にも女子にもモテモテだよね」

「みんなに教えてあげたい
大島優子は変態でーす!てはぁはぁ・・」

「あははムリムリ、あの変態さは陽菜限定だから
この峯岸様でさえ気づくのに9年かかったんだからね」


小学校から一緒のみーちゃんこと峯岸みなみ
ずーと友達で家にも来たことがあったのに
優ちゃんの本性を知らずかっこいいお姉さんだと思っていたらしい

何故バレたかというと

中学三年生で受験勉強を陽菜の家でしようってなって
その日優ちゃんはどうしても休めない講義があって
陽菜を迎えにこれなかったからみーちゃんが来てるのを知らず
いつもの調子で陽菜の部屋に入ってきたから

あの時のみーちゃんの顔が忘れられないんだよね

大きな目をより大きく見開き
口もぽかんと開き数秒固まってたっけ・・・・(笑)

で、もう隠す必要がなくなったと言って
みーちゃんの前でも崩れ始めたってわけ


「決めた!(бвб)」

「何を?」

「私、彼氏を作る」

「・・・・・ムリでしょ(ΘωΘ)」

「ムリじゃなーい!」

「陽菜恋愛経験ゼロなのにいきなり彼氏とかムリなんじゃない?
まずはお友達からお願いします、にしておいたら」

自分で言うのもなんだけど顔もスタイルも結構イケテルと思う
なのに今まで彼氏ができたことがない
ていうか男の子と二人で遊んだこともない

だって帰り道から寝るまでずっと優ちゃんが一緒にいたから
休みの日でさえ一緒にいたし
友達と買い物に行くって時でも
誰と行くんだとか聞いてくるし
男子の名前を言うもんならついてきてたんだもん

そう言えば名字だけでなんで男子だってわかってたんだろう・・・

「じゃーさクラスの男子に声かけてあげるから
お弁当一緒に食べることからしてみる?」

「みーちゃんも一緒?」

「仕方ないから付き合ってあげる(ΘωΘ)」

「わぁーい♪」

「そのかわり今日の帰りにクレープおごりね」

くっ・・・仕方ない

みーちゃんとはクラスが違うからLINEで連絡が来る

(屋上に集合ね)

(了解)


ドキドキしてきた

そうだ

(今日友達と一緒にお弁当食べるから行かない)

(教室へ行っちゃうよ)

(教室には居ませーん)

そう、入学してからずっと優ちゃんと一緒に
理科準備室でお弁当を食べていた
だって来なかったら教室へ押しかけて
一緒に食べるとか言い出すんだもん
そんなことしたら普通の高校生活が送れないでしょ

だから仕方なく・・・
あ、優ちゃんは化学の先生、だから毎日白衣着てるの


クラスの子にもお昼は毎日いなくなるんだから
どこに行くか言わないですむし
絶対バレてない・・・よね?


隣の優ちゃん 1

「にゃんにゃん・・・・今日も可愛い寝顔を見せてもらうね・・・」

ドカッ!!

「グェッ・・・酷いなぁ蹴ることないでしょ」

「毎朝毎朝よく飽きずに蹴られに来るね、大島先生」

「先生だなんて呼ばないでよ〜昔みたいに
優ちゃん♪て呼んで」

「・・・・・隣だからって毎日勝手に入ってこないでよね」

「だって、にゃんにゃんが目を開けた時に
一番初めにその綺麗な瞳に映りたいじゃん
それに可愛い寝顔を見れる特典がついてくるんだから
こんな幸せなことはない(-∀-`)」

「この、ロリコン変態教師(бвб)」

「愚問!たとえ蹴られようが、罵声を浴びせられようが
この幸せを手放すことなんて出来るわけない!
大島さんをその辺の変態と一緒にしないでもらいたい」



このドヤ顔の変態教師・・・もちろん女性は

家が隣同士で家族ぐるみの付き合いでみんな仲がいい
いわゆる幼馴染というやつ

一人っ子の陽菜にとって優ちゃんはお姉さん的存在で
物心ついたときからにゃんにゃんて呼ばれていて
凄く可愛がってくれていたんだけど・・・

優ちゃんのお兄ちゃんが
4年前に結婚してアメリカに行っちゃって・・・

丁度その頃からだと思う、余りある過度の溺愛が始まったのは


中学に入ると登下校には必ずついてきていたし
行事事にはもちろん参観にまで来ていた

一度優ちゃんが風を引いて送り迎えが出来なかった日
陽菜が近くの男友達と帰ってきたのを見てたらしくて
冷却シートをオデコに貼りマスクをしてフラフラしながら
陽菜の部屋に入ってきて

「妊娠したらどうするんだよ!」

と大声を出しそのまま倒れその日は陽菜のベッドに寝かせた

それからは遠足や修学旅行にも付いてこようとしていたっけ

流石におばさんとお母さんに怒られて渋々諦めてたけどね(笑)


一度試しに無視してみたら

にゃんにゃん!て、
返事をするまで叫びながら追いかけてくるしで大変だった(汗)


そんな優ちゃんも今年某有名大学を卒業
(あれだけサボってたのによく卒業できたなって思う・・・)

きっと有名企業に就職するんだろうな〜と思っていた


陽菜も無事高校に入学して始業式での就任式の時

校長先生の長い話に下を向いてボーとしていると

「陽菜・・ねぇ陽菜」

「何?話ししてたら怒られるよ」

「前見て前」

「え?」

顔を上げて前を向くと朝礼台の上にあの顔が

「嘘でしょ(汗)聞いてないし」

「知らなかったの?」

「誰も教えてくれなかった(怒)」

やっと普通の学園生活を送れると思っていたのに・・・

誰か嘘だと言ってぇ〜(泣)







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