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先輩 47

水曜日に学校へ行くとテストが一斉に戻ってきた

みんなは徐々に返ってきていたけど
陽菜は居なかったから全部担任から・・・

「小嶋、今回もなかなか良かったじゃないか」

当たり前じゃん優子先輩が教えてくれた所が
バッチリ出たんだから(бвб)


・・・・・ちょっと待って
もし・・・じゃなくて優子先輩がいなくなったら陽菜どうなるの?
赤点取ってクラブ出れなくなるパターン?

どうしよう・・・絶対に赤点取る自身しかない(汗)


「ねえ、あの陽菜がなんでそんな点数取れてるの?」

「あの陽菜ってなに」

「中学の頃なんか真ん中より下で
この高校にも奇跡的に受かった小嶋陽菜さん」

「うっさいなぁー勝手に点数見ないでよね
て言うかどこから湧いて来たの」


「四十何話目にしてやっと登場の峯岸様が
満を持して話しかけてあげたんだからありがたく思ってよ」

「あれ?そうだっけ」

「それに選手でもないのに休んでたあんたの為に
ノートとっといてあげたんだからね!」

「ありがとう(бвб) 」

「で、進展はあったの?」

「う〜ん・・・・どうなんだろう」

あったと言えばあったけど
マネージャーとしての仕事だと言われればそうだし
それに帰りは最悪だったからなぁー・・・

ピコン!

クラブLINEが来た

(放課後全員視聴覚教室に集合)

全員揃ったからキャプテンを決めて
引継ぎをするんだと思う

という事は優子先輩に会える♪


「嬉しそうだけど誰から?」

「え、クラブLINEだよ」

「それが嬉しいの?」

「別にいいじゃん」

「あぁ〜あ陽菜がクラブにのめり込んでてみーちゃん暇すぎ〜」

「みーちゃんもマネージャーする?」

「しなーい(ΘωΘ) 」

「何もしなかったらぶくぶく太るよ」

「太りやすい体質なだけです(怒)」

プンプン怒って教室を出て行った

トイレかな?

二年生になったらもう一度誘ってみよーと


ホームルームが終わり急いで視聴覚室へ

「もう、今日に限って遅いんだから(怒)」


後ろの扉から入るとほとんどの先輩が来ていた

「遅くなってすみません(汗)」

「大丈夫、まだ優子も才加も来てないから」


それから5分ほどして先生と共に入って来られた先輩が席に着き
前に立った先生

「キャプテンと副キャプテンと話し合った結果
来年のキャプテンは2年の福田」

「はい!」

「副キャプテンには1年生の吉高」

「・・・・はい・・・」

うそ、一年生から副キャプテンを選ぶの?
ざわつく先輩
あきらかに戸惑う由里

でも実力は一番あると思う

先生に変わり秋元先輩が前に

「いろんな意見があると思うけど
私達が経験してきて思った事は
二年生はこれから修学旅行や研修で抜けることが多くなる
その時に両方がいないと誰がまとめるかで困ることが出て来る
それを無くすために1年生から副キャプテンを選びました」


なるほど(бвб) 

二年生の方を見るとまだあまり納得していない様子

それが分かったのか優子先輩が立ち上がり


「私は学年に関係なく接してきたつもり
先輩だから偉い?
先輩が引っ張って行かなきゃいけない?
そんなの関係ない!
先輩であろうが後輩であろうがドンドン前に出て
刺激し合って自分の記録を伸ばしていって欲しい
それに半年後には新入生が入って来る
その時にこのクラブに入りたいって思って貰えるように
みんなには練習や礼儀、規則には厳しく
でも思いやりのある先輩になって欲しい
その思いも込めてこう言う人事にしました」


「わかりました、由里二人で協力し合って頑張っていこう」

「はい!」

素敵すぎて泣きそう


はぁ・・・優子先輩大好き(бвб) 

「あ、それと申し訳ないんだけど
私と才加とさや姉と佐江は大学でも続けるから
引退はするけど練習には参加させてもらうね」

「はい!」

うそ・・・・嬉しいんだけど・・・
もう見ることが無いと思ってたのに
卒業されるまでまた一緒に出来るって事だよね

神様ありがと(бвб) 


先輩 46

「・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」


帰りの新幹線の中
三人がけの椅子を向かい合わせにして座ってる

いつも明るい先輩たちなのに
誰一人話さずスマホを見たり
本を読んだりしていて

優子先輩に至ってはずーと窓の外を見ている

この重い空気に耐えられない陽菜は
トイレに行くふりをしてその場から離れた


「ふぅ・・・・どうしたら良いんだろう」


それというのもリレーで優勝できなかったから


優子先輩は最高のスタートを切り
ダントツ1位でバトンリレーをしたのに
最後の最後にバトンリレーに失敗して
結果は3位

都道府県総合順位でも2位で
最後のリレーに優勝していれば総合も1位だったみたい

それがショックだったのか優子先輩の顔から笑顔が消えちゃって
先輩たちも掛ける言葉が見つからないようで困っていた


そろそろ戻らないと変だよね

鏡で暗くならないように顔を確認してから車両に戻ると


「いいかげんにしろよ」

「うるさいな放っておいてよ」

「優子ちゃんは頑張ったんやから良いやん」

「優勝しなくちゃ意味ないんだよ」

「それだったら佐江達は意味なかったってことか(怒)」

「そういうことじゃないんだよ」

「どういう事だよ、はっきり言わないとわかんないだろ」


何故か言い合いをしてる先輩たち
声もどんどん大きくなっていってるから
急いで戻り

「あ、あのう」

「陽菜ちゃんからも言ってやってよ(怒)」

「向こうまで声が聞こえてました(汗)」

「あ、ごめん・・・」

みんなこっちを見ていたから急いで席に座る

「こうやってこのメンバーで居るのも最後なんだから
喧嘩はよそうよ」

さすがキャプテン、話をまとめてるのに

「寝る」

そう言って椅子を倒し顔にタオルを置いて寝てしまった

また険悪な雰囲気になるのかなって思っていると

「陽菜ちゃんはテスト終わったんだよね」

「はい」


宮澤先輩が明るい声で話しかけてきてくれた


「佐江達四人は受けてない分
明後日まとめて受けるんだよひどくない」

「テスト勉強されたんですか?」

「二日間一緒だったけどしてる所見た?」

そう言えば見てない・・・

「いいえ」

「才加と優子は賢いけど佐江とさや姉は大変だよ」

「なんでうちまで入れんねん
危ないのは佐江だけやろ」

「でも一学期の期末ぎりだって言ってたじゃん」

「あれは赤点ギリじゃなくて平均点ギリ!て意味で言ってたんや」

「うそ・・・じゃー佐江だけヤバいの(汗)」

「今日帰ったらすぐ勉強しろよな」

「才加〜出そうな所教えてよ(涙)」

「そんなのわかるわけないだろ」

「優子先輩なら・・・・」

「え?」

「教えて貰ったところ結構出ました(бвб) 」

「・・・・・・だって怒ってるもん」

「大丈夫です、優しいですから(бвб) 」

「それは陽菜ちゃんにだけ〜」

「そんな事ないです!優子先輩はみんなに優しいです!
今は・・・少しだけ元気がないですけど
明日になればきっといつもの優子先輩に戻ってます」

「だってさ、優子起きてるんだろ」

「・・・・・・明日」

「ん?」

「お昼休みに教えてやる」

タオルをかけたまま答える優子先輩

それを見て笑いをこらえてる三人の先輩

「どこでやるん?うちも行く」

「なんだよ、結局聞くんじゃんか」

「ええやん、佐江だけずるいわ」

「佐江達は心友だからな」


さっきまで喧嘩してたのにね(笑)

東京駅についてそれぞれの電車に乗り換える

もちろん陽菜は秋元先輩と同じ電車なんだけど


「2年生も意地悪してるわけじゃないと思うんだ」

いきなり2年生の話をされて焦る


「私達の一つ上の先輩がものすごく厳しい先輩で
1年生達、今の2年生ね
可愛そうなくらい怒られてて
大会に出れるメンバーも少なかったから可哀想だったんだ
だから自分達が3年生になった時
クラブ以外では優しくしようってみんなで決めたんだけど
それに納得がいかなくて、
自分たちが厳しくしなきゃって思ったのかも
根は優しい子達だからこれからもサポートして行ってあげて欲しい」

「はい」

「実力では1年生の方が上かもしれないけど
先輩だからさ、その辺を上手くしていって欲しいと思うんだ」

「はい」

「私達は引退するけど
家も近いし何かあったら相談に乗るから
いつでも言ってきてね」

「はい、その時はお願いします」

「LINEはグループのを見ればわかるけど
携帯番号聞いてもいいかな」

「あ、アドレスと携帯番号
私からLINEします」

スマホを取り出しすぐ送る

「きたきた、家に着いたら私のも送るから」

「はい」


優子先輩意外の先輩とアドレス交換・・・・
キャプテンだし家も近いし・・・
これからの相談も乗ってくれるって言ってたし・・・

変じゃないよね?

先輩 45

昨日と同じようにアップして
バトンリレーの最終確認

それを端から見守ってる陽菜

練習を見るのも試合を見るのも今日で最後か・・・
もっともっと見ていたかった・・・・

そう思うだけでうるうるしてきちゃう

「陽菜ちゃん」

「キャッ(汗)」

優子先輩のことを集中してみていたから
後ろから肩を触られて驚きすぎて体制を崩し倒れてしまった

「え、ごめん(汗)」

「いえ、ボーとしてた私が悪いので(汗)」

「ちょっと、どうしたの何してんの(怒)」

優子先輩が宮澤先輩に詰め寄りそうな勢いで走り寄ってきた

「違うんです私がびっくりして勝手にこけちゃっただけで(汗)」


「名前呼んでるのに全然振り向かないから
肩を触っただけだよ」


全然気づかなかった(汗)

「優子ちゃんをガン見しすぎやし(笑)」

「そ、そんな事・・・
私はみなさんを見てただけです(汗)」

「リレーの決勝が最終種目でしょ
勝って花道を飾るから
みんな見ててよね(-∀-`)」

「ああ、頑張れよ」

「じゃー佐江達はスタンドへ行こうか」

「あ、荷物・・・」

「優子のは私達が持つから」

「ありがとうございます・・・・」


非力な陽菜なのに自分の荷物が大きすぎて
人の荷物なんて持てるわけないじゃん・・・

昨日と同じ位の場所に移動して荷物を固めておく

「そうだ、女将さんがみんなで食べてくださいって
お弁当くれたんだけど陰においておいたほうが良いよね」

「私クーラーバック持ってます(бвб)」

「おぉーさすがマネージャー
伊達に荷物が多いわけじゃないんだね(笑)」

褒められてるのかな?

そこに冷たいお茶と一緒に入れて
椅子の下の陰になったところにおいておく

「まだあと30分あるから売店行ってこようかな
何か要る物ある?」

「今日は暑いからなぁー・・・私も行く」

「私荷物見てるので行ってきてください(бвб) 」

「小嶋さん何か要る?」

「いえ、ドリンクありますしいいです」

「それじゃーお願いね」

そう言って三人で買いに行かれた

優子先輩がいつトラックに出てくるかわからないから
陽菜はここから離れない


それから5分もしないうちに現れた先輩

こっちを向いて手を振ってくれてるけど
後輩の陽菜が手を振れるわけがなく
頭を下げる

すると走り寄って来て

「みんなは?」

「売店に行かれました」

「そっか・・・・ねえ両手出して」

「こうですか?」

言われるがまま下に向けて差し出すと
その手を握られ焦っていると

「優ちゃん頑張ってって言って」

「えっ・・・そ、そんな事(汗)」

「お願い!言ってくれたら
今までよりももっと速く走るから」

どうしよう・・・

「大島さん合わせるよ」

「早く!」

あぁ〜もう

「優ちゃん頑張ってください!」

「うん、頑張る(´-∀-)」

これでもかっていうくらいの笑顔を見せて走って行った

もう、やばい、絶対今顔真っ赤だと思う


「そこは優ちゃん頑張って大好き―て言わなきゃ(笑)」


また後ろから声がして飛びあがりそうなくらい驚いた
見られてたし聞かれてたんじゃん(汗)

それに、大好き―てなに(汗)何で知ってるの〜(汗)

「こら、あんまり小嶋さんをからかうなよ」

「だって耳まで真っ赤にして可愛いんだもん♪」

先輩が戻って来たのにその方を向けないし
両手で耳をふさぐ

「はい、これ小嶋さんの分」

そう言って山本先輩がアイスを目の前に持ってきてくれた

「ありがとうございます(汗)
いくらですか」

「才加のおごりやからいらんで」

「払います(汗)」

「いいって、今日まで頑張ってくれたお礼だよ」

「・・・ありがとうございます・・・」


そうじゃん、この先輩たちとも最後じゃん・・・
素直にっもらうことにした

食べ終わる頃にアナウンス


「いよいよだな」

「頑張れ優子!」


優子先輩頑張れ!

心の中で何度も何度も叫んだ




先輩 44

始まった準決勝戦

スタート音と共にダントツのスタートを切った優子先輩

チームはずっとトップのままゴールテープを切った

「やったー!!(бвб)」

明日また優子先輩の走りが見れる

「この順番がベストやな」

「うん、私もそう思ったしさすが優子」


その日の夜もみんなでお風呂に入り先に寝る
もちろん手を繋いで

昨日と違う所は
少し枕を近づけ何故か向かいあって見つめ合っている

それというのも
明日は今日よりも早く起きないといけないから
ゆっくり眠りに入れるようにって
先輩たちは部屋から出ていって居ないから


うぅぅぅ・・・恥ずかしい(汗)


「無理やり残ってもらってごめんね」

「いえ、マネージャーの仕事ですから
それに授業サボれて嬉しいです(бвб)」

「仕事か・・・・
私はにゃんにゃんに最後の走りを見てほしかったんだ」

「・・・・・・・・・・・」


どういう意味に取ればいいの(汗)


「ごめん、いきなりこんなこと言っても困るよね
明日は今までで一番最高の走りをするから見ててね」

「はい(бвб)」

「おやすみ」

「おやすみなさい」

そう言うと上を向いて寝てしまった


陽菜に見て欲しかった?
陽菜にだけ、とは言ってないけど・・・
そういう意味だよね?

なんで?

それから悶々としてなかなか寝付けないでいると
ドアが開く音がして先輩たちが戻ってきたから寝たふりをする


「二人共ちゃんと寝てる(笑)」

「昨日より距離近くない?(笑)」

「隠してるつもりだけど布団の中で手を繋いでるの丸わかり♪」

「可愛いよね〜」


バレてたんじゃん(汗)


「優子ってああ見えて緊張しいじゃん」

「だーね、見せないようにしてるけど
夜とかなかなか眠れないってよく言ってる」

「やのにこの気持ちよさそうな顔(笑)」

「全部小嶋さんのおかげだね」

「うん、残って貰えてよかったよ」


陽菜のおかげ?
他の人じゃダメって事?
それとも誰かそばにいてこうやって手を握っていれば大丈夫って事?

余計に眠れなくなっちゃったじゃん(汗)

会話が途切れるとすぐテレビの音が聞こえて来た
まだ10時過ぎだからドラマやってるみたい

このドラマ録画してきてない(汗)
でも今はすぐ見逃し配信してくれるから困らないか

でも何となく声だけ聴いてたら知らないうちに眠っていた



「にゃんにゃん、朝だよ」

今日も大好きな優子先輩の声に起こされる
朝だからかな、いつもよりしゃがれてる声
この声を録音しておいて毎朝の目覚まし音に使いたい
だってこんなにスッキリ起きれるんだもん


「おはようございます(бвб)」

「あはっおはよう(-∀-`) 」


静かに用意をし
今日はすべての荷物を持って部屋を出る

「にゃんにゃんてなんでいつもそんなに荷物多いの(笑)」

「優子先輩が少なすぎるんですよ」

「そうかな、必要なものは全部入ってるけど」

「私も全部必要なものです(бвб)」

これでも少ない方

だって二泊も多く泊まるって思ってなかったもん
全部の分持ってきていたらもっと多かったと思う


下着とか着替えがなかったから
近くのコインランドリーに行こうと思ったら
先輩たちも洗濯するって言って一緒に行った

遠くにいくときは洗濯するらしい
だから少ないんだね
来年はそうしよーと(бвб)



先輩 43

優子先輩が練習している間
陽菜は暇・・・・なはずなんだけど

見ていて飽きないから時間はあっという間に過ぎる


「こーじーまさん♪」

後ろから声をかけられびっくりして振り返ると
ニコニコした宮澤先輩と
優子先輩の走りをじっと見る山本先輩がいた

「真剣に見すぎぃー(笑)」

「そ、そんな事(汗)」

「どう、調子よさそう?」

「なんか順番が変わって第一走者になられたみたいです」

「それが良いと思う、昨日あきらかにスタートで出遅れてたから」

「優子のロケットスタートは誰にも真似出来ないもんね」


秋元先輩はどうされたんだろう

二人の後ろを見ていると

「才加?才加は自分と同じ競技の成年の部見に行ってるよ」


そう言えば行きたい実業団の選手が出てるって言ってたっけ


優子先輩はどうするんだろう
大学だったら追いかけていくことも出来るけど
実業団だったらムリだもん・・・・

そんなことを考えていたら

「優子!」

宮澤先輩が手を振ったから前を向くと
練習が終わってみんなこっちに歩いてきていたから

急いでタオルとドリンクを配る


「私達にまでありがとね」

「いえ、仕事ですから(汗)」


だってその為に残ってるんだから・・・

「いい感じやん」

山本先輩の言葉に

「そうでしょ、バトンもスムーズになったし
昨日より数秒早くなるよ(-∀-`)」

「失敗しなければの話だけどね(笑)」

「大丈夫!成功します
で、明日に残って優勝!!(-∀-`)」

「優子ちゃんてホントにポジティブ人間だよね(笑)」

「それが取り柄ですから」


大人相手にケラケラ笑う先輩
吹っ切れてるみたいでよかった(бвб)

みんなで競技場の入り口へ行き
陽菜達はスタンドへ

「頑張ってくださいね」

「うん、陽菜ちゃんの為に頑張るよ(-∀-`)」

「え?」

「あ・・・・・しっかり応援しててね(汗)」

「はい」


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