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人生が変わる分岐点 12

陽菜の家は田舎でも少し都会のほうで
同時期に引っ越してきたお隣さんとは
年代も近かったせいか両親がすごく仲が良く
必然的に私たちも仲良くなった


陽菜が三歳の時に優子が生まれ
一人っ子だった陽菜は妹ができたようにうれしくて
毎日見に行ってたっけ

ミルクだって飲ませてあげてたし
離乳食だって陽菜がこぼしながら食べさせてあげてたんだから(笑)

そのせいか優子は陽菜にすごく懐いて
どこへ行くにもついてきて
公園にだって連れて行ってあげていたから
初めのころ公園にいた子供達は私達を本当の姉妹だと思っていたっけ(笑)

小学校へは一緒に行っていたからか
陽菜が中学生になったとき一緒に行くって泣きじゃくる優子を見て
陽菜も泣くのを我慢するのに必死だった思い出

中学校は三つの小学校から集まっていて
今まで知らなかった人達と友達になった

その中でもその子は二年前に都会から越してきた子で
おしゃれであか抜けていて陽菜が知らないことを沢山知っていて
尊敬してた

その子の前では陽菜も取り繕っていたんだよね

だからかな
あの日優子がいつものように遊びに来た時

にゃんにゃんと呼ばれ笑われて
恥ずかしくなって初めて冷たく追い返してしまった
その時の優子の顔が今も頭から離れないでいる


次の日何事もなかったかのように遊びに来た優子が
どうしてにゃんにゃんて呼んだらダメなのってっ聞かれ
説明することができず

ダメって言ったらダメなの!てまた強くいってしまって・・・

それくらいからかな、塾へ行きだした陽菜と優子の時間が合わず
遊びに来ることがなくなり

優子が中学生になると陽菜は高校生
優子が高校生になると陽菜は東京の専門学校へ

勿論両親が仲がいいから一緒に食事をしたり
お盆と正月はどちらかの家に集まったりいしていたけど

後ろめたい陽菜は優子をちゃんと見ることができず

どうしてあの時すぐ謝らなかったのかと会うたびに後悔していた


ある日お母さんから優子が東京の大学に合格したと聞き
どこに住むのか聞くと合格したのに東京行きを反対されてると聞き
陽菜の住んでいるところ空き部屋があるんだけどなーと
お母さんにそれとなく吹きこむと
案の定おばさんから連絡が来て即承諾したよね

作業部屋だった部屋を片付け優子の部屋にして
会社に作業室を作ってもらいそこにすべて移動させた


「小嶋さんが会社で作業してるなんて珍しい(笑)」

「今日から毎日出勤するのでよろしく」

「どういう風の吹き回し?」

「会社のほうが何かと便利だから」


陽菜はデザインの仕事をしている
だから会社に行かなくても出来るし
なんなら家のほうがうっくり出来ていいアイデアも浮かびやすいし
時間関係なく試作品も作れるから在宅ワークが許されていた
でも許可された極めつけは


「ここのビル0時に電源切れるんだから気を付けてよ」

「わかってまーす」

「心配だわ」



入社して半年頃かな
作業していていきなり電気が切れることが多々あった


そうなるとエレベーターも止まって帰ることができず
階段も面倒だから仕事場に泊まりる
真っ暗だと怖いから
電池で付く明かりをかってきてつけると
作業ができるから朝まですることも


そんなことが続いたある日

ビルの別階にあるテナントの人がわざと帰らず残っていて
非常階段を使いここへ降りてきて陽菜を襲おうとした


その日はたまたまもう一人いたから良かったけど
いつものように一人だったらと思うと足がすくみ少しの間会社に行けずにいたら
社長が家で出来るなら在宅ワークにしてみたらって言ってくれて

会社へ行くのは会議や試作品を持っていくだけになっていた


人生が変わる分岐点 11

「かわいい(бвб)」

「え?」

「その寝間着可愛い」


びっくりした寝間着か(;´-∀-)」


「適当にあるのを着たんだけど良かったかな」

「あそこにあるのは全部優子のだから何着ても良いよ」

「そ、そうなんだわかった」


やっぱり私のだったんだ・・・
誰かにもらったのかな・・・
いや、でも上のほうにあったから忘れてたわけじゃないと思うんだけど

私本当に記憶喪失?


「ん?どうかした」

「ううん(;´-∀-)あぁぁ〜眠い早く寝よーと」


少し寒いくらいの室温に掛布団んがちょうどいい


緊張して眠れないと思っていたのに久しぶりのいいにおいが
睡眠を促すように眠気が襲ってきた

懐かしいにおい・・・これは陽菜の匂いだったんだね

あと少しで落ちると思ったとき事件は起きた


「にゃんにゃん(;´-∀-)」

「ん?」

「あ、あのう・・・これはちょっと(;´-∀-)」

「だーめ、いつも陽菜が抱き着いて寝てたんだから今日もするの」



いやいやいや・・・陽菜から抱き着いてきたことありましたっけ?
記憶をさかのぼること十数年
そんな記憶は全くなく私から抱き着いていた記憶しか出てこない


「で、でも今日は一日目だしちょっとこれは行き過ぎかと(;´-∀-)」

「どうして?記憶がなくなったら陽菜のこと嫌いになった?」


先に嫌いになったのは陽菜さんあなたですけどぉぉぉぉ
と叫ぶこともできず心臓だけがドクンドクンと叫んでいた

・・・・あれ、私のリズムじゃないリズムが腕に伝わってくる
これってもしかして陽菜の鼓動?
それも私と同じくらい早いってことは陽菜もドキドキしてるって事?


「にゃんにゃん」

「ん?」

「にゃんにゃんもドキドキしてるの?」

「・・・・そうだよ、陽菜は優子のことが大好きだから」

「うそ・・・」

「優子だって陽菜のことが好きだったんだよ」

「えーともしかして両思いだったとか?
そんなわけないか、妹として大好きだったんだよね(-∀-`) 」

「違う!」

「え?」


そういって顔を陽菜のほうに向けたとたんやわらかいものが私の唇をふさいだ

何が起きているのか頭が理解する前にそれは離れてしまい

ごめん、とひと言いうと部屋から出て行ってしまった陽菜


少しの間放心状態だった私

今何が起きた?落ち着いて整理してみよう(;´-∀-)

まず陽菜が私を抱きしめて・・・
次に大好きだって言って・・・・
そして唇がふれて・・・キス・・・そう!キスされたよね?
私からキスしたことはあっても陽菜からはなかったのに?
あ、もちろん小さい時の話だけど

この年になって陽菜から私にキスをするなんてどういうこと?
それもあんなに冷たかった陽菜がだよ?

何が何だかわかんない
あ、もしかしてショック療法で記憶を取り戻そうとしてるのか

でも、もし戻ったとしたらまたあの冷たい生活の戻るって事?

いやだ、このままがいい・・・
でも、これ以上陽菜につらい演技をさせるのもつらい・・・


どうしたらいいんだぁぁぁ

なーんて悩むことどれくらい?・・・・・それにしても陽菜遅いな

いきなりキスをして顔を合わせにくいのかな?
小さいとき何度もしてるから気にしなくていいのに・・・

あまりに遅いから迎えに行くことにした


「にゃんにゃん・・・・にゃんにゃんどこ?
怒ってないから出てきて・・・にゃんにゃん?」


探したけどリビングにもトイレにもバスルームにもいなかった

人生が変わる分岐点 10

「ふあぁぁぁぁ!!」

「もう寝る?」

「うん、そうしようかな私はどこで寝れば良い?」


部屋は知ってるけど知らないふり


「着替えは玄関入ってすぐの部屋にあるけど
寝るのはあっちの部屋」


指さされたのは入ってはいけないと言われていた陽菜の寝室


「え〜と・・・にゃんにゃんはどこで寝るのかな?」

「え、一緒の部屋だよいつも二人は一緒に寝ていたんだから(бвб)」


今世紀最大の大嘘(;´-∀-)

入ったこと無いからベッドなのか布団なのか知らないし
どれくらいの広さなのかも分からない

「で、でも覚えてないからそのう・・・
緊張して寝れないかもしれない(;´-∀-)」

「そんなこと言わないで、それに今までと同じ事をしてないと
なかなか記憶が戻らないと思うの」


一緒に寝た方が戻んないでしょ(;´-∀-)


「先に部屋の中を見ても良いかな?」

「どうぞ」


そんな簡単に見せてくれるなら
今までの拒否はなんだったの?


先に部屋へ入り電気をつけてくれた



「失礼します・・・・」


そこにはダブルのベッドとその横にナイトテーブル

壁には大きな飾り棚が



「アレは何?」

「本当に覚えてないんだね・・・
あれは陽菜の誕生日に優子がくれたプレゼントなのに」



覚えてる覚えてるけどそれは小さいときに作った折り紙とか
絵とかおもちゃのペンダントだよ


「二人の思い出の品なの」


もしかしてこれが置いてあるから入るなって言ってたの?


「大きくなってからのは無いんだね」

「それは・・・・色々あって・・・」

「ごめん、言いたくないこともあるよね気にしないで
もしかして私がお金が無くて何もあげられなかったのかもしれないし
物じゃなくて食事とかだったのかもしれないよね」


「・・・・・・・」

「にゃんにゃん?」

「ごめんね、優子が思い出した時にちゃんと言うから」


私に冷たくしていたのには理由があったって事?


「取敢えず着替えてこようかな(;´-∀-)」


いたたまれなくなってそこから逃げた私


自分の部屋に入ると・・・
あれ、私の布団が無い(;´-∀-)


「にゃ・・・」


ダメダメ布団があったことを知ってるのはおかしい(;´-∀-)


クローゼットを開け普段着ないようなかわいい系の寝間着・・・
私こんなの持ってたっけ?


忘れるくらい着てないんだったらこれだな
だっていつもの恰好ではおかしいもんね

でもどうして一番上にあるんだ?


「コンコンコン・・・失礼します」


ドアを開けると陽菜はベッドにいて携帯を触っていた


「優子はこっちね」


自分の左側をトントンして促す陽菜


「お邪魔します」


意を決してベッドに上がった






人生が変わる分岐点 9

軽食を取り再び車へ

勿論お金は陽菜が出してくれた



マンションに着いたのは8時を過ぎ


「Uberするね」

「何か作るよ」

「冷蔵庫何も無いから」


田舎に帰る時食材全部使ったから
あれから何も買ってないのか・・・

まあ、ここに始めて来た時も食材は入ってなかったもんね


「明日買いに行ってくる・・・からお店教えてね」


危ない危ないここのこと覚えてないならお店知っていたらおかしい


「車出すからいつもみたいに一緒に行こう」



一緒に買い物行ったこと無いけど・・・


誰かと間違ってないですか小嶋さん?


何を食べたいか聞かれるでも無く
携帯を操作している


「時間あるから先にお風呂入ろうか」

「どうぞ・・・?」

「優子は?」

「ここにくる前に入ったし今日はもう良いかなって」

「そっか・・・」


凄く残念そうなんだけど
まさか一緒に入ろうって言う意味で言ったんじゃ無いよね?


「お金は払ってあるから来たら受け取って」

「わかった」


そう言うと着替えを取りに行きお風呂へ


どう言う気持ちでいれば良いんだろうか
事故に遭う前と後でこんなにも違うなんて誰が想像した?


お互い嘘の付き合いをしてるし
このままで言い分けないんだけど
どうやって記憶が戻ったようにすれば良いのかが分からない


「なんてことをしちゃったんだ私(;´-∀-)」


とりあえずリビングでおとなしくテレビを見ているとインターフォンが鳴った


「はい」

「Uberです」

「はーい」

「・・・・・開けて下さい」


そっか下のドア開けなきゃだった(;´-∀-)


ドアの外で待ってた方が良いのかな
私は頼んだこと無いからわかんないよ


「優子!」

「はい(;´-∀-)」


バスルームから叫んでる陽菜


「外置きにしてるから出て待って無くても良いからね」


げ、どうして分かったんだ(;´-∀-)


「わかった」




部屋の前のインターフォンが鳴り少し待ってからドアを開け商品を取る


おおぉーまだ温かい


リビングに戻ると陽菜が上がってきていて
タンクトップに短パンという姿にご飯を落としそうになった

む、む、胸が(;´-∀-)
それになんという綺麗なおみ足・・・

私は変態親父か?
こんなラフな姿初めて見たんだけどいつもの格好なのかな?


「お腹すいたね、お茶入れるから座ってて」

「いや、私が(;´-∀-)」

「良いってお茶入れるのは陽菜の役割だから」


そんな役割ありましたっけ?
第一一緒に食べたこと無いでしょ?


とりあえず料理をカウンターに出そうとしたら


「そこじゃ無いよ、あっちのテーブルに出して」


あっちで食べても良いんですか?


いわれるままテーブルへ


「オムライスだ(-∀-`) 」

「優子好きだったんだよ」

「そうなの?覚えてないけどなんか幸せな気分」


陽菜が私の大好物を覚えていてくれたなんて信じられない



「いただきます・・・ん!!美味しい(-∀-`) 」

「フフフここのオムライス有名なんだから」

「そうなの?にゃ、にゃんにゃんありがとう」

「どういたしまして(бвб)」


ふわっと笑う陽菜
わたしもしかしてもうすぐ死んじゃうとかないよね?

打ち所が悪くて手術出来ないとか?


「どうかした?どこか痛い?」

「私死んじゃうの?」

「どうして?優子は死なないよ」

「なんかわかんないけど幸せだなって(。-∀-)」

「優子が生きていてくれて陽菜も幸せ(бвб)」


そう言って私を抱き寄せる陽菜


「にゃにゃにゃんにゃん(;´-∀-)」

「ごめん、いきなりでびっくりするよね
でも毎日ハグしてたからつい」


指が触れたことさえ無かったのに?


食事が終わるとソファーに座りテレビを見てるんだけど
隣に引っ付いて座り私の肩に頭をよりかけて見ている


ここまで来たらドキドキもしなくなってきたし
もしかしたら今までが夢で
今が本当の生活だったのかもしれないって思うように
なるから不思議だ


人生が変わる分岐点 8

荷物は無いから財布と壊れた携帯だけ持って車に乗り込む

そう携帯は出してたから壊れてしまった
財布はバックの中に入れていたはずなのにお札だけがなくなっていた

どさくさにまぎれて盗むとかどういう世の中だよ(怒)

でも財布ごとじゃなくてよかったって思ってる
だって財布の中には大切なキーホルダーが入ってるから


「携帯壊れちゃったね」

「あ、はい」

「東京に着いたら先に買いに行こうか」

「いえ、自分で買いに行きます」


でも陽菜に買ってもらったからどうすればいいのかわかんないんだよね(;´-∀-)


「・・・・敬語使ってなかったから普通に話して」


また大嘘付いてますよぉー


「でも、年上ですよね?」

「そうだけど・・・優子が生まれたときから知ってるし
ずっとそばにいた幼なじみだから」


どうしよう、そこまで言われたら拒むのもおかしいか


「わかった、なんて呼べば良いかな」

「いつものようににゃんにゃんって呼んで」


にゃんにゃんて呼んで怒ったの覚えてないの?
あれ以来呼んだ覚えないんだけど(;´-∀-)


「にゃんにゃん・・・・」

「なーに(бвб)」



ぐはっ・・・死んだかもしれない
なんだこの破壊力、静まれ心臓
今までとは違う意味で二人の空間が辛い


「手帳を見てたらバイトが入ってたのに無断欠勤しちゃったみたいで
東京に着いたら謝りに行こうかなって思うんだけど」

「それなら陽菜が電話しておいたからもう行かなくても良いよ」


もう?もう行かなくても良いって・・・まさか・・・ね


「体は元気だから明日から行こうかな」

「だから行かなくて良いって」

「どう言う意味?」

「もともと働かなくてもい言っていったのに
自分の遊ぶお金は自分で稼ぐって働いてただけだから」


またまた大嘘付きましたね


「だったらまた行かなきゃ」

「駄目!頭打って五日間も意識無かったんだよ
いつ倒れるかわかんないのにバイトなんて行かせられない」


多分寝不足でぐっすり寝てただけ・・・・


「でも小、にゃんにゃんにお金出して貰うなんて出来ないよ」

「陽菜は沢山稼いでるから良いの」


そう言えばなんの仕事をしてるのか聞いたこと無かったけど
今なら聞けそう


「にゃんにゃんはどこで働いてるの?」

「働いてるというか・・・デザイナーなの」

「デザイナー!?凄いじゃんまだ若いのに」

「優子のおかげだよ」

「私のおかげ?」

「その話はもう良いからSAで何か食べよう」


今誤魔化した?

でもたった一時間ほどでこの四ヶ月すべて足した会話時間を超したと思う

どうしたんだろう
かわいそうだなって思ってるから?

それとも・・・
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