yuko




引き取れなかった理由がわかって心の靄が晴れていくようだった

私の為に病気にまでなってたなんて・・・
凄く苦しんだんだろうなー

私の悩みなんて凄く小さいものだったんじゃないかって思えてきた

「どうして私が母親だってわかったの?」

昔、よく歌ってくれていたのを覚えていた事

テレビから聞こえた歌声に引き込まれた事

コンサートを聴いて確信に変わった事を伝えた

「そう」少し嬉しそうにはにかむ

「あっ!わかった!」 

麻里ちゃんが急に大きな声を出した

「宏美さんの笑顔どこかで見たことがあるって思ってたら、
優子とそっくりだったんだ!」

私と宏美さんは顔を見合わせ、照れて微笑んだ

確かに似てるかも・・・ちょっと嬉しい!

「普段の優子ちゃんはどんな感じなの?」

その言葉を皮切りに二人は怒涛のように話し出した

「優ちゃんはいつも裸で楽屋を走り回ってるし陽菜にすぐ抱き付いてきて
キスしたり、太もも触ってくるし、変態でうざいんです!」

「にゃろ!」

「あっ・・・うざいって言うのは陽菜の口癖で・・・すいません」(シュン)

話を楽しそうに聞いている宏美さんを見ると私も嬉しくなってくる

まあ、話してるのはほとんどこじぱだけどね


お店の人がそろそろ・・・と言ってきたので

じゃーまた今度!という事になりアドレスを交換した

もじもじしている私に 「どうしたの?」て聞いてくれたので

「あのう・・・ギュッてしてもらってもいいですか?」

自分でも赤くなってるのがわかるくらい暑い

「いいわよ!喜んで!」

そういうとぎゅーと抱きしめられて・・・

「お母さん」自然に言葉が漏れてきた

さらにきつく抱きしめられて頭をやさしく撫でられた


外に出て「いのちの理由とあなたへ、すごくいい歌ですね」て言うと

あれはね、あなたに向けて歌っているのよと言われた

(生まれてきてくれてありがとう・いつもここで歌っているから
幸せはきっといつか来る)


お母さん・・・・届いたよその歌、届いたよその愛!