「陽菜大丈夫?」
「うん・・・・・・(泣)」
入場してきて後ろ姿を見た瞬間からずっと涙が止まらなくて
隣のともちんが心配して声をかけてくれた
タオルハンカチを持ってきてよかった
パンパンに腫れた目で外に並び卒業生をお見送り
優子先輩に見つからないように後ろに隠れていたのに
前の子が何故かすっといなくなって見つかってしまった
目を大きく見開き驚いた顔をした後
フニャッと笑ってくれて
陽菜も笑顔になる
「卒業おめでとうございます!」
今日はクラブはないけど
全員揃って部室前で先輩をお出迎え
もちろん優子先輩のブレザーのボタンなんて一つも残ってない
さっき先輩も行ってたから貰ったんだろうなー・・・
「ありがとう」
「いつでも来てくださいね」
「ビシビシシゴキに来てあげるから覚悟しててよ(笑)」
「秋元先輩マジだからヤバイです(汗)」
卒業したからかな
今までと違って二年生の先輩と
和気あいあいと話してるように見える
「一年生も後輩が入ってくるんだからしっかりね」
「はい!」
沢山入って来てくれたらいいなぁー
出来ればマネージャーも・・・・
「明日は二時からなのでよろしくお願いします」
「昼ご飯食べずに行って思いっきり食べるで♪」
某食べ放題の焼肉屋さんで
中途半端な時間にしたのはその時間からだと
部屋を2時間半貸してくれるから
もちろんオーダーストップは1時間半だけどね
「じゃー明日」
そう言って帰って行った卒業した先輩
陽菜達は作業をするために部室へ
コルクボードに思いでの写真を張り付け装飾
色紙にみんな一言ずつ書いて行き
何故か絵を描く係になった陽菜
「こんな絵しか描けないのに大丈夫かな(汗)」
「可愛いよ(笑)」
最後は一年生だけ残っての仕上げ作業
「結構かかっちゃったね」
時間はもうすぐ六時
そう言えば今日の打ち上げ6時からって言ってたっけ
スマホを見ると
(今から行ってきまーす♪)
30分前にLINEが来ていて
変なスタンプについ口角が上がる
「陽菜きもーい(笑)」
「どうせ優子先輩からでしょ」
「・・・・・(бвб) 」
「やばい図星じゃん(笑)」
「いいなぁーはぁ・・・優子先輩がぁ〜」
2年生の先輩がいないからいいけど
こんな会話してる所を聞かれてたら
もうクラブに出れないよね(汗)
その夜
(ごめん今カラオケなんだけど遅くなりそうだから
明日の買い物夕方からでいいかな)
《全然大丈夫です、楽しんでくださいね》
(ありがとう)
朝ゆっくりできるしプレゼントもあったから
その方が陽菜も都合がいい
朝早く起きて髪をセットしないといけないし
出来ればお風呂にも入りたいから
その日も早めにベットに入った