「う〜ん・・・・そろそろ寝ようかな」


大きめの声でわざと大袈裟に言う
だって昨日慌てて寝たふりをしたのがわかってしまったから

それからトイレに行って電源を消しそっとドアを開け中へ

ベッドは一つ
小嶋さんは右側に寄ってるから
反対側に潜り込む

もちろん向こうを向いてるから背中しか見えない


「おやすみなさい」


返って来ない返事を待つことはしない
だって、フリでも寝てるんだから・・・


はぁ・・・・本当にいい匂い

気持ちよすぎてすぐ夢の中へ




「にゃんにゃん(-∀-`)」

「なにそれ(бвб)」

「だって猫みたいだもん」

「あーそれ麻里ちゃんにも言われた
と言うか優ちゃんのほうが猫みたいじゃん」

「どうして?」

「ゴロゴロ喉鳴らしてこうやって甘えてくるから」

「だってにゃんにゃんいい匂いなんだもん」

「匂いが好きなの?」

「匂いもにゃんにゃんもぜーんぶ好き
にゃんにゃんは?」

「陽菜も優ちゃんのこと・・・・」



ピピピ!ぴぴぴ!ピピピ!



「・・・・・・夢・・・か・・・」


にゃんにゃんか・・・・
そう言えば篠田さんはニャロって呼んでたっけ

だからにゃんにゃんていう言葉が出てきたのかな

現実では絶対に呼べないけど・・・

小嶋さんが起きるのは6時半
それまでに洗濯を回し朝食の用意
昨日の朝、顔を洗ったり歯を磨いたりするのが
かぶってしまって機嫌を損ねたから
今日は先に終えておく


「よし完璧(-∀-`)」


 そろそろ起きてくるころなんだけど・・・・遅いな

十分経過・・・・15分経過・・・・


これ起こした方がいいよね


「ご飯出来ましたよ」

「・・・・・・」

「小嶋さんご飯」

「煩いなぁー後五分」

「わかりました」


そして五分後
また同じことの繰り返しが四回ほど続き

そろそろヤバいんじゃないかと思って


「もう、7時15分ですよ起きなくていいんですか!」


少し大きな声で起こしてみた


「うそ(汗)」


勢いよく起き上がり私を睨みながら


「もっと早く起こしてよね(怒)」

「ごめんなさい・・・・」


もうご飯食べてる時間無いじゃん
て怒り出すから
おにぎり作りましょうかって言うと
コンビニで買うからいい!
て、また怒られた



「優子おはよう!」

「おはよう・・・」

「どうした?朝から元気ないなんて優子らしくないぞ
・・・・・また小嶋さんか?」

「うん・・・・絶対嫌われてる」

「優子が嫌われるとか信じられないな」

「だって怒ってばっかなんだもん」

「タイプ的に真逆だもんな(汗)」

「もうやだよ家に帰りたい」

「まだ始まったばかりだろ」

「そうだけど・・・・」

「それよりさ、今日何作る?」

「献立は才加に任せる
その方が怒られる理由がないでしょ」

「怒られるのが前提なのか?」

「今日見たらわかるよ」

「わかったよ」


クラブ終わりにスーパーへ寄り材料を調達


「お邪魔しまーす」

「先にシャワー浴びてきなよ
バスタオル中にあるから適当に使って」

「どれでもいいの?」

「ちゃんと洗濯してるから心配しなくていいよ」

「そう言う事じゃなくて
これは篠田さんのだから使うなとかあるでしょ」

「ないよ、始めから適当に使っていいよって言われた」

「マジか、うちは分けてる
陽菜の物は使わないでね!て念押しされてるし(;´-∀-)」

「ま、まあそう言う人なんだろうアハハ」

「慰めは良いよ・・・入って来る」

「洗濯物は洗濯機に入れといて
干しとけば帰りまでに乾きそうだし」

「はーい」


まだ才加が運命の人の方がましだったよ



料理を作り終えテレビを見ているとLINE音


「後5分ほどで着くってさ、温めて用意しよう」

「うん」


私のスマホは決して光らない・・・


「あっ!」

「え、どうした」

「・・・・なーんだ佐江か」

「なんて?」

「楽しんでますかーだって
全然楽しんでなんかないよ(怒)」

「まだ帰ってきてないんだからそんな事言わないの!」

「ちぇっ」

「ほらテーブルに運んで」

「ほーい・・・」

「ただいまー帰って来たよ(*`ω´) 」

「お帰りなさい♪」

「わおー美味しそうでいい匂い、ありがとね」

「お仕事お疲れ様でした」

「クラブお疲れ様」


二人のやり取りをボーと見てたら視線に気づいた

で、とびっきりの笑顔を作り精一杯の気持ちを込めたのに


「お仕事お疲れ様です」

「別に疲れてないし」

「・・・・・・・・」


撃沈


「あらら、ニャロはツンデレタイプだから
気にしない気にしない(*`ω´) 」

「ツンデレじゃないし(怒)」

「本人はそうもうしてます(笑)」

「はぁ?」

「ほら、手洗いうがいしてご飯ごはんごはん(*`ω´)」

「子供じゃないんだから言われなくてもするし(怒)」


怒りながら先に行った小嶋さん
篠田さんは私の前まで来ると
優しく微笑んで頭をポンポンとなでてから
洗面所へ向かう


「何とかしてくれるって」


才加はそう言うけど

どう見たって無理だよね